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弁慶の醤油とんこつ缶スープ誕生秘話

らーめん弁慶の通信販売の要とも言うべき、醤油とんこつ缶スープの始まりは今から20年前に遡ります。

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美味しいお土産らーめんを作りたい

創業者の西川総一(今も元気です)は、弁慶のラーメンを『安全に美味しいまま、お土産にしたい』と考えていました。

背景: 弁慶は35年前堀切店開店当初から、お持ち帰りらーめんを販売していたが、当時のお土産容器は今のように蓋がキッチリ閉まるような物が無くお客様がこぼしてしまったり安全にお持ち帰り出来ない事が多々あった

当時はご当地らーめんブームで、生ラーメンやカップラーメンなど様々な商品は世にたくさんありました。

しかしどれを食べてみても実際のお店の味とはほど遠く、満足出来る物がありませんでした。

西川は弁慶のらーめんを、安全に持ち歩けてしかもお店で食べるのと変わらない美味しさをお届けするためにはどうすればよいのか、を考えてばかりいました。

ふとした思いつきから試作へ

そんな時西川の兄から電話がかかってきました。

西川には群馬の缶詰工場で働いている兄がいて、ここ最近の不景気で仕事が減っている。缶詰工場で作れるものはないだろうか?と何年かぶりに連絡が来ました。

『あれ?そういえば缶詰って、スープやカレーがあったな。
弁慶の醤油とんこつラーメンのスープを缶詰にしたらどうなるかな?』

すぐに兄に相談すると、まずは作ってみようと言う話になり、群馬の館林の工場に材料を持参して試作が始まりました。


アナログ工場でおばちゃん軍団と試作

群馬県の舘林市の森の中にその缶詰め工場はありました。

田舎の古い工場で最新の機械などはなく、そのほとんどが手作業というアナログぶり。

それでも商品のラインナップは資〇堂パーラーなどの大手から、自衛隊の非常食といった珍しいものまで手掛けていて、間違いのない仕事ぶりと歴史を感じます。

現場で作業を仕切っているおばちゃん軍団に工程を説明します。
とんこつのげんこつを割るところから、背脂の煮方まで一緒に作業を進めました。

醤油ダレは作り方を見せられないので完成品を浅草から持っていきました。

空の4号缶をずらりと並べて、出来上がったとんこつ&鶏がらスープに醤油ダレを加え、煮あがった背脂を刻んで計りながらスプーンで一つ一つ缶の中に手作業で入れていきます。

缶詰めは、蓋をして終わりではなく大きな釜の中に蓋をされた缶を並べ熱処理殺菌が行われます。

その熱で缶の中身がさらに調理されます。熱処理殺菌後、細菌検査のために常温で2週間放置されます。

そうしてようやく味見ができる状態となった弁慶の「醤油とんこつスープ」缶詰め第一号のお味は…


試作第1号のお味は...?

2週間後、「醤油とんこつスープ・缶詰め第一号」が届きました。
早速麺を茹で、スープを開けて鍋で温めます。

見た目は?
背脂が白く固まっているのはわかります。温めていくうちに
どんどん白い背脂が溶けていき、透明になっていく...

茹で上がった麺を湯切りして、丼へ。
その上から熱々の缶詰め第一号スープをかけます。

香りは?
あ~弁慶のらーめんの匂い!脂の匂いもする!

味は?
スープをレンゲで一口。弁慶の醤油ラーメンの味だ!決して悪くない。

けれども、あの雪のように降り積もった背脂が見当たらない。
醤油の色しか確認できないのです。

麺をすすってみると、麺との相性も抜群でスープと醤油が麺に絡見ます。
味は弁慶のラーメンそのもの。
(従業員の中には店で食べるより美味しいという声も…)

でも肝心の背脂が溶けて透明になってしまったのです。
溶ける寸前の背脂を振り落とすのが弁慶のらーめんなのに完全に溶けてしまっては別のお店のらーめんになってしまう。


醤油とんこつ缶スープの出来上がり!

再び材料持参で群馬の舘林に向かいます。

背脂を煮るときに、前回よりもかなり固めに煮て缶に投入しました。
熱処理殺菌で加熱調理が施されることを想定し、丁度よい背脂になっていることを期待して。

その後、何回かの微調整を行い現在の醤油とんこつ缶スープが出来上がりました!

らーめん1

そして現在

舘林の缶詰め工場は、その何年か後、老朽化により閉鎖され、今の醤油とんこつ缶スープは別の缶詰め会社に製造を委託しています。


群馬の工場での缶詰の試作作業は、初めての体験でもあり、とても楽しい時間でした。

缶入りのらーめんスープは今のところどこを探してもありません。
世界中でただ一つ、弁慶だけ‼(当社調べ、他にあったらごめんなさい)

そして、お店で食べる味に限りなく近い!と自信をもっております。
(これも当社比)

これが弁慶のらーめんです。と言って手軽に手渡せる喜び、安心して保存ができいつでもどこでも好きな時に(屋外で食べるとまた格別!)こってりらーめんが食べられる嬉しさ。

皆様のお陰で20年愛されて、75000本!

これからも永い歴史を刻ませていただけたら幸せです。


賞味期限は最長で約2年。ご興味ござましたらぜひご覧ください。
醤油とんこつ缶入りストレートスープ

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