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天地創造❺: 第四日から第六日


第一日から第三日までの流れ

第一日:時間の基礎の創造
第二日:天候の基礎の創造
第三日:食物の基礎の創造

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さて、前回までは第三日までを一緒に考えてきました。創造の働きを見ていくと、単純に物質を造ったというのでは辻褄が合わないということを見てきました。もちろん、古代の人々はこの世界が神様によって物質も造られていることは当たり前だったようです。しかし、その奥にあるさらに深い意味を伝えているのが聖書です。では今日は第四日から見ていきましょう!

第四日

神は仰せられた。
「光る物が天の大空にあれ。昼と夜を分けよ。
定められた時々(季節)のためのためのしるしとなれ。
また天の大空で光る物となり、地の上を照らすようになれ。」
すると、そのようになった。

神は二つの大きな光る物を造られた(アーサー)
大きいほうの光る物に昼を治めさせ、
小さい方の光る物にはは夜を治めさせた。

また星も造られた。
神はそれらを天の大空に置き、地の上を照らさせ、
また昼と夜を治めさせ、光と闇を分けるようにされた
神はそれを良しと見られた。
夕があり、朝があった。第四日。
創世記1章16節〜19節

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ここでも、人にとって大切な4つの機能を見ることができます。
それは

・季節
・日
・年
・しるし

です。

このことから、これも科学的な機能ではなく、人間の社会に関する機能であることがわかります。特に「季節」を表すヘブル語は種まきの季節や、借り入れの季節など祭事を指し示しているように、礼拝と関連のある言葉だということがわかります。ここでも、神の語りかけによって機能の確立がなされていきます。古代の人々は宇宙は神の法令によって司られていたという世界観を持っていました。神が語るとき、世界がしっかりと機能していく様が描かれています。

アーサー

さて、第二日でも触れましたが、創世記1章には「創造(バーラー)」とは異なった「造る(アーサー)」という言葉が用いられています。そして、この第四日でも”二つの大きな光る物をアーサーされた”と書かれています。
ここにきて、多くの読み手は、「これこそ物質の創造だ!」という人がいるかもしれませんが、それは少し短絡的なように思えます。アーサーという動詞は他の聖書の箇所では「造る」だけではなく「行う」とも訳されているからです。

このアーサーという言葉は安息日に関連づけられて使用されています。


六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ(アーサー)
七日目は、あなたの神、主の安息である。
あなたはいかなる仕事もして(アーサー)はならない。

あなたも、
あなたの息子や娘も、
それにあなたの男奴隷や女奴隷、
家畜、
またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。

それは主が六日間で、天と地と海、
またそれらの中のすべてのものを造り(アーサー)
七日目に休んだからである。
それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。
出エジプト記20章9節〜11節

安息日では「休む」そして、第六日までは「行う」この、対比がされているのが見えるでしょうか。

神は第七日に、
なさっていたわざ(アーサー)を完成し、

第七日に、
なさっていたすべてのわざ(アーサー)をやめられた。
創世記2章2節

創世記が機能や秩序の創造がメインだとするならば、
アーサーとはその機能の確立、つまり人とこの世界の生き物のために機能するものの確立とういことが言えます。

神は光る天体を空に置くことで、季節、年、日、しるしを確立しました。


第五日

神は、
海の巨獣と、
水に群がりうごめくすべての生き物を種類ごとに、
また翼のあるすべての鳥を種類ごとに
創造(バーラー)された。
神はそれを良しと見られた。

神はそれらを祝福して、

「生めよ。増えよ。海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ」

と仰せられた。
夕があり、朝があった。第五日。
創世記1章20節〜23節

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第五日は、久しぶりに「創造する(バーラー)」という単語が用いられます。これは、第四日のアーサーとは何かが違うことを伝えています。そして、バーラーされた(創造された)被造物はある役割が与えられます。それは、

「生めよ。増えよ。満ちよ。」です。

このフレーズは聖書を読み解くうえで、とても大切になってくるので覚えておいていいかもしれません。


第六日



 神は仰せられた。
「地は生き物を種類ごとに、
家畜や、這うもの、地の獣を種類ごとに生じよ。」

すると、そのようになった。

神は、
地の獣を種類ごとに、
家畜を種類ごとに、
地面を這うすべてのものを種類ごとに
造られた(アーサー)。
神はそれを良しと見られた。

神は仰せられた。
「さあ、人をわれわれのかたちとして、
われわれの似姿に造ろう(アーサー)。
こうして彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、
地の上を這うすべてのものを支配するようにしよう。」

神は人を
ご自身のかたちとして創造された(バーラー)。
神のかたちとして人を創造し(バーラー)、
男と女に彼らを創造された(バーラー)。

神は彼らを祝福された。

神は彼らに仰せられた。
「生めよ。増えよ。地に満ちよ。地を従えよ。
海の魚、空の鳥、地の上を這うすべての生き物を支配せよ。

 神は仰せられた。
「見よ。わたしは、
地の全面にある、種のできるすべての草と、
種の入った実のあるすべての木を、
今あなたがたに与える。
あなたがたにとってそれは食物となる。

また、生きるいのちのある、
地のすべての獣、
空のすべての鳥、
地の上を這うすべてのもののために、
すべての緑の草を食物として与える。」
すると、そのようになった。

神はご自分が造ったすべてのものを見られた。
見よ、それは非常に良かった。
夕があり、朝があった。第六日。
創世記 1章24節〜31節

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第六日は、人や、野の獣の創造となります。
さて、第五日との比較をしてみるとわかりやすいかと思いますが、ここでも創造(バーラー)された存在は

「生めよ。増えよ。満ちよ。」

と言われています。ですが、人に与えられた役割で他の獣と違うのは

「地を従えよ、全ての生き物を支配せよ」です。


「支配する」という単語も特殊で、ここでは触れませんが、このお言葉の意味は「しっかりと管理をする」もしくは、
「この世界を道徳基準を用いて管理する」
と考えたらわかりやすいと思います。

神との関係、人と人との関係、動物そして、自然界との関係をしっかりと保つという役割・機能が「人」には与えられました。

結論

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創世記1章が並行構造になっているのはお気づきでしょうか?

第一日の時間(闇と光、夕と朝)は、 
       第四日の天体に
第二日の天候(空と海)は、
       第五日の鳥と海の生き物に
第三日の食物(陸と植物)は、
       第六日の野の獣や人に関連しています。

これらすべてが、機能している状態を見て、神様は「非常に良い!」と言いました

「安息日」や「神のかたち」はとても、大切なフレーズですので、考えるのはまたの機会としましょう。

さて、今の私たちの社会はどうでしょうか?
人間関係、自然との関係、神との関係、全てにおいていい状態と言えるでしょうか?
きっと、素直に「そうですね」と言えないかもしれません。今でも、NPOや自然保護団体が必要な理由は、私たちの社会の何かが間違っていて、

何かが「機能」していない状態と言えます。

使徒パウロは、この状態を見て、私たちがこの世界の担い手なんだと明言しています。
そして、この世界は人にしっかりと管理されたがっているんだと語っているのです。


被造物(造られたものたちは)は切実な思いで、
神の子どもたちが現れるのを待ち望んでいます。
[ローマ人への手紙 8:19]

まとめ:
 ☑︎創世記1章は並行的に読み黙想する
 ☑︎人は、他の創造されたものよりも役割が多い
 ☑︎人は、神のかたち
 ☑︎人は、この世界の管理を任されている

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