ため息でばれる
こんにちは。
新留です。
つい昨日の話。
大学生の時に働いていた個別指導塾でいっしょだった友人から「相談したいことがある」ということでzoomで話をしました。
僕が個別指導塾にいるときによくご飯を食べに行ったり、僕が個別指導をやめて集団塾に移った後もご飯に行ったりしつつ僕のあとの教務リーダーという役割をしてくれたり、
それから数十年たった今も関係が続いていて、大事な結婚式でスピーチを頼んでくれたりと、
東京で働いていたというのもあり、卒業後はそれほど頻繁に会うことはなかったけれど、帰省時や節目のときには連絡をくれる友達です。
現在、彼は奥さんの仕事の関係で海外に住んでいるのですが、子どもの学校を2つのうちどちらにするかで迷っていて相談したいということでした。
ちょうど彼の子どもの年齢の時期に伸びる力や、やり方で大切なことを話しつつ、
彼の家族が描いているビジョン、2つの学校の特徴を聞いたり、まわりからの口コミ、見学をしにいった際のやり方を聞いていると、
「あ〜こっちだな」
というのがありました。
片方の学校の様子を聞いていると、おそらく、そっちの学校だと、親的にはカリキュラムがわかりやすく設定されていたりと、不安を感じることが少なくなるかもしれないけれど、子どものマインドセットには良くない影響があるなと感じたのでした。
でも、主観的になってはいけないので、それぞれの学校のメリット、デメリット、
こっちにいくとこんな風になるだろうし、こっちにいくとこんな風になる可能性が高いですね〜なんて話をしていました。
そのことを伝えると、彼自身も、ちょうど前日、授業の見学に行った時、最初は優勢だった方から、こっちではないと感じていたことがあったらしく、
「やっぱりそうなのですね!」
と納得しているようでした。
というのは、ちょうど前日、教室での授業の様子を見学に行った時、9+4のたし算などをしていたらしいのですが、何度やってもできない子がいて、その際、先生が「は〜〜〜っ」というようなジェスチャーをしているのが見えたのだそう。
これって、先生のちょっとした反応なのですが、子どもには大きな影響を与えかねないのです。
そして、そのちょっとした行動で、先生自身がどういうマインドセットであるかがわかってしまったりするのですね。
マインドセットは子どもの幸福感や成長速度を決めるのですが、
先生やまわりの大人のマインドセットは子どものマインドセットに大きく影響を与えます。
先生やまわりの大人のマインドセットが子どもに及ぼす影響って決して小さくないのですね。
その先生は、
「できないことはダメなことだ」
というマインドセットであり、
子どもができるか、できないか、という視点で見ているのですね。
子どもがどうやったらいいか考えているのを、
「できるようにがんばっている」というプロセスではなく、「できない」という結果で見ているのです。
「できるか、できないか」
もし、まわりの大人がそういう視点でものを見ていると、子どもは「できないことはダメなことだ」と思い込むようになり、考えること、手を動かすことが減っていきます。
できない状態になること、×がつくことを嫌がるよう、怖れるようになり、
「できることしかやらない」
「できないことはやらない」
「できなさそうなことはしない」
「できないことがバレそうになってきたら、興味がない、おもしろくない」
などと言うようになってしまうのです。
何かができるようになるためには必ず通らなくてはいけない継続ができなくなり、
何かをできる自分に気づくための機会に出会うことが減り、
自己効力感、自分はやったらできるという感覚を身につけるための努力をしなくなってしまうのですね。
自分のマインドセットは「できるかできないか」型なのか、
それとも、「できるまでやったらいいし、できるようになるもの」型なのか。
これって大きいのです。
「レッテル」はお守りにもなるし、呪いにもなります。
「よくできたね」は賞賛にもなるし、「君にできるとは思っていなかったよ」という中傷にもなります。
簡単なことをやらせるのは「自分はできないわけじゃない」と気づかせるきっかけにもなるし、「君はそれくらいのレベルの子だ」と伝える合図にもなります。
見せている背中や言葉がけ、ちょっとした仕草。
いいメッセージを発している環境にいたいですね。