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Generative AI Test 2024 #1_感想と勉強方法


はじめに

昨日「Generative AI Test 2024 #1」を受けてみました。
忘れないうちに受けてみての感想と今後について、勉強方法について整理したいと思います。

勉強方法については、本当は受験前にまとめたかったのですが、間に合いませんでした。
ただ、結果の如何に関わらず、次回も受けてみようと思いましたので、今後のためにまとめておきます。

なお、本記事は「Generative AI Test 2024 #1」の受験規約である以下を遵守し、試験問題に関する直接的な言及は行いません。
また、私の解釈ミスにより「試験の問題漏えいにつながる一切の行為」に当たることが判明した場合は速やかに該当箇所を修正します。
※勉強方法に関する記載は、「シラバス」との比較で行います。

・本試験問題は一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)の機密情報であり、著作権に関する法律によって保護されています。

・試験の問題漏えいにつながる一切の行為は禁じられており、受験者が受験以外の目的で使用することは認められておりません。

・目的の如何を問わず、全部もしくは一部において、文書、口頭、電子的データ、機械によるいかなる形式での保存、変更、複製、配布、送信、公開、出版は禁じられています。

・上記に違反した場合、JDLAは本試験だけでなく、過去に受験した結果の取り消し、以降の受験の禁止や損害賠償請求を含む法的措置などを取る場合があります。

引用元:「JDLA Generative AI Test 2024 #1 受験規約」

「JDLA Generative AI Test」とは

以前にこちらの記事でも扱ったのですが、GenerativeAI TestとはG検定、E資格も主催しているJDLA(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)による生成AIに関するミニテストです。

個人的に「ミニテスト」というのを初めて受験しましたが、以下が概要です。20分、20問、2000円という非常に敷居の低いテストです。

受験資格 どなたでも受験可能
実施概要 試験時間 20分
     択一式/多肢選択式 19問 ・ 記述式 1問
     オンライン実施(PC/スマホ)
出題範囲 シラバスより出題
受験費用 2,200円 (税込)

引用元:「JDLA Generative AI Test 公式サイト」より

E資格まで取得して、実務でも生成AIをバリバリ使っている身からすると、今更不要だよね、と思っていたのですが、「すでに生成AIの利活用に取り組んでいる人、これから取り組む人にオススメしたいテストです。すでにG検定、E資格を取得している人にもオススメです。」という公式のキャッチフレーズにやられて受けることにしました。

業務において、組織内の生成AIリテラシー向上に取り組んでいて、良いコンテンツを探していたことも理由の一つでした。
※生成AIリテラシー向上として、ひとまずG検定を推奨してはいたのですが、生成AI活用の実務からすると遠回り感が否めず、ピンポイントの資格であるGenerativeAI Testが適格でした。

感想

一言で言えば「思っていたより難しい」でした。
公式の例題を事前に解いた時点で「勉強せずとも受かりそう」という感想で、まあ受け終わってみても「流石に受かっているだろう」と思ってはいるのですが、満点取れているかは自信が無いくらいのレベルです。

…内容についてはこれ以上、触れられないので、活用の面での感想にシフトします。

まず、「自身の腕試し」という面で非常に良かったです。
例えば、分かっているつもりになっている知識であっても、例題にあるような「すべて選べ」という出題形式だとボロが出やすいですよね。

より高い価値を生み出す生成AIのユースケースを見つける際の考え方として、適切な選択肢をすべて選べ。

A )生成AIは人間を模して作られているので、活用は必ず人員の削減につながる。
B )生成AIが人間のあらゆる作業を置き換えてくれるわけではないため、役割分担を検討する必要がある。
C )生成AIは人間と同等ないしそれ以上の結果を、人間よりも早く導き出せる場合がある。
D )生成AIのアプリケーションは、基本的にチャット型のインターフェースを持つという前提で使用方法を検討するのが良い。

引用元:https://www.jdla.org/certificate/generativeai/issues/

加えて、この分野の進歩スピードを考慮すると、やはり半年に1回(=本テストの開催頻度)はスキルチェックしておくということが重要だと改めて思いました。
これくらいのテストだと、四半期に1回くらいでも良いかもですね。

そして、教育する側の立場として「組織内の生成AIリテラシー向上に使えるか」という点ですが、これは「使える」と思うと同時に、「どのように勉強してもらうか」が課題であると思いました。

次の章で勉強方法についてまとめてみます。

勉強方法

G検定であれば公式テキストがあるので導入しやすいのですが、本テストにはありません。
公式に参考書は複数載ってますが、一冊でシラバスの内容を体系的に学べるというものはない印象です(と言ってますが、公式に乗っている書籍は一冊も読んでないので、実のところはわかりません。あくまでAmazonの情報ベースの判断です)。

そのため、正解は無いながらも、私が読んだ本を紹介しつつ、考えを整理しておきます(半分くらい書評です。ご了承ください)。

『生成AI導入の教科書』

以前から実務的な手引書がほしいと思って目をつけていた書籍です。
今回、知識の整理として読んでみました。

これまでのAIから、生成AIへの発展、ビジネス活用における課題感、具体的なプロンプトテクニック、今後の活用への構想、導入・活用事例などが一通り理解できます。
実のところ、個人的に新しい学びがあったわけではないのですが、随所の表現が丁寧かつ的確で、気づいたらマーカーだらけでした。
いくつか引用します。

今まで発展してきた画像認識などのAIは、重要な役割を果たしているケースもありますが、「予測」や「分類」などの利用だけでは、業務のあり方そのものへのインパクトに限界があったのです。

引用元:『生成AI導入の教科書』

アナログデータをデジタルデータに変換するデジタイゼーションは、言い換えると非構造化データを構造化データに変換しているプロセスととらえることもできます。

引用元:『生成AI導入の教科書』

全体として「いかにビジネスで活用するか」という視点が一貫しており、課題感も解決の方向性も納得度の高い内容でした。
私も以前に以下の記事で生成AI活用の不満(?)をまとめたことはありますが、どう考えてもこの本の方が素晴らしいです笑

で、肝心のGenerative AI Testとの親和性ですが、シラバスを当てはめると8割くらいは網羅できていると感じます。
一方でLLMの基本構造やリスク関連は記載が弱いので、その点は後述のコンテンツで補うのが良いかなと思いました。

『生成AIの法的リスクと対策』

リスク関連の知識を補うために読みました…が、試験開始前には読みきれてないです。

『生成AI導入の教科書』に負けず劣らず、実務よりの本です。
法的リスク系の本は、公式の参考書にも『ChatGPTの法律』と『ディープラーニングG検定 法律・倫理テキスト』の2冊が挙げられているのですが、「ChatGPT」「G検定」とついているのが個人的には惹かれず、こちらの本を選びました。

先にシラバスとの親和性を書くと、間違いなく「オーバーキル」だと思います。シラバスの文言と厳密に比較すると、書かれていないのは「環境問題」くらいで、他は網羅されている印象です。

全体の構成としては「開発・学習段階」と「生成・利用段階」に分けて、各フェーズにおける法律上のリスクが解説されています。
著作権法や各種知財の概要、過去の判例などもセットで解説してくれるため充実した内容なのですが、読みやすいか否かで言えば読みづらいです笑

しかし、実務と照らし合わせながら、そのリスクを検討する上では最適なツールだと感じました。
例えば私はサービス企画の中でも「生成・利用段階」によっているので、「開発・学習段階」の法的リスクの話はついていくのがしんどかったですが、「生成・利用段階」はリスク整理にとても有用でした。

巻末の「要点整理Q&A」などは「最初にこれ載せてくれよ!!」と感じるくらい分かりやすく、今後も実務において繰り返し参照したいと思いました。

ハードルは高く、Generative AI Testに合格するためだけだと不要かもしれませんが、本質的な理解を深めることを思うと、良本だと思います。

zero to one 社の用語集

実はこんな便利なものがあることに「試験が終わってから気づいた」のですが、恐らくシラバスに対する網羅度合いで言うとピカイチだと思います。

https://zero2one.jp/ai-word/#cat-generative-ai-technology

「G検定(AI・機械学習)用語集」サイトより

G検定対策のサイトなのですが、生成AIに特化した内容を追加してくれたようです。
ただ、最初にこのキーワードを一つずつ見ていく、だと結構しんどいと思うので、G検定だったり、前述の書籍だったりを一通りみた上で、「理解のヌケモレチェック」に使うのが良い気がします。

また、このキーワード集で分からないところは、追加でググったり、以前紹介した以下のような方法で「ChatGPTに教えてもらう」のが良いでしょう。

JDLA Generative AI Test 対策道場

こちらも試験が終わった後に気づいたのですが、「過去問ふぅ問題集」を作成・公開してくださっている方がいらっしゃいました。

インプットの確認として良さそうです。
次回はぜひ使いたいと思います。

まとめ

勉強方法については以上です。技術の進歩とともに、解説コンテンツも進歩していくと思いますが、次回以降のテストに向けて、現時点での参考になれば幸いです。

手応えについては前述の通りですが、「去年の2回分のテストも受けておけばよかったなあ」と思いました。
あとは、noteにせよ、日経にせよ、関連ワードを日々チェックしておくのが大事ですね。

あと、「生成AIパスポート」というJDLAとは別の団体が主催している資格もあるようで、そちらも興味があります。むしろこっちの方が公式テキスト・問題集があるので勉強はしやすいかもです。
そのうち受けてみたいと思います。

また結果が出たら共有します。

※6/23追記 以下のスコアで合格でした。
内容に触れられないので点数開示に留めます。
1.生成AIの技術 正答率:86 %
2.生成AIの利活用 正答率:100 %
3.生成AIのリスク 正答率:88 %

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