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同期4人の【HR】2限目 @お江戸日本橋亭 20200920



わたしは時間で買われる女だ。

「スイス銀行に3000万を振り込んだ」なんて連絡があれば、どこぞのスナイパーよろしく、即任務に取りかかる。

そういう意味では“イエローキャブ”なのかもしれない。



この日、急遽任務はキャンセルとなった。よくあることだ。


“つぶやきと溜め息とをスクロールするSNS”は、未だに上手く使いこなせない。

が、それでも目ぼしい寄席を探す。

発見。



『同期4人の【HR】』@お江戸日本橋亭


よし、コレだ☆

『日曜』
『夜』
『お江戸日本橋亭』

ジンクスに則れば“穴場寄席”である。


いつかも、仕事が飛んだときに訪れたお江戸日本橋亭は、かなりいい顔付けの寄席であった。

が、待て。これは、定例の寄席ではなく落語会だ。

おお☆今夜の4人の顔ぶれは、若手ながら物凄く良い!実力派の期待の新人である。





≪ネタ帳≫

宮戸川 / 春風亭一猿
粗忽長屋 / 桃月庵白浪
洒落番頭 / 柳亭市寿
お見立て / 春風亭㐂いち




≪感想≫

【春風亭一猿】

このお方は、本当に不思議な魅力を纏っている。こんな独特の瞳を持ち合わせた人はなかなかいない。

「どんな瞳?」と訊ねられても困るけど。笑

めちゃくちゃ頭キレるけど、たぶん普段は天然なんだと思う。勝手な偏見だけども。そして、若くして、その腕といったら本当に驚く。


さて、『宮戸川』。

正確に言えば“宮戸川・前編”。もっと言えば“お花半七”ですね。

この噺、ものすごく好き♪

「きゃーっ!きゃーっ!そのあと一体どうなっちゃうのっ!?ふたりの手と手、目と目、そして・・・きゃーーっ♪」

みたいな。笑

THE 胸キュンあまずっぱラブストーリー。

そう、艶っぽい噺家が演ると殊更良い。



【桃月庵白浪】

なにしろ名前がカッコイイ! ←

“任侠”風味満載。ご本人は全くそういう雰囲気はないので誤解無きよう。

やはり若手でありながらお上手だなぁ思います。

『粗忽長屋』は、私にとっては落語の世界に触れる取っ掛かりとなる非常に思い出深い演目で、大好きな作品のうちのひとつ。さらにこの白浪さんの粗忽長屋はこれより前にも拝聴しているのですが、それとはサゲちょっと違うような・・・?

噺家さんによってサゲ のレパートリーが異なることはよくありますが、ひとりの噺家さんでいくつもサゲ を持っているのをあまり聞いたことがないので・・・わたしの勘違いかもしれないのですが。

そんなわたしも、全くの粗忽者であります。←



【柳亭市寿】

寿伴さん改め、市寿さん。マクラの自己紹介で“イチジュ”を文字っての自己紹介がお得意です。

「イッチョウ懸命頑張ります!」みたいに「イチジュ(一途)に頑張ります!」的な。笑

新しい門下に入ってお名前変わっても、イチジュに頑張っているJB(ジュバン)はご立派だと思う。


演目は『洒落番頭』。またの名を『庭蟹』。

多分だけれども、『洒落番頭』を拝聴したのは、この日が初めてかもしれない。

なんでもかんでも洒落で返す番頭さんの噺なので、確かに『庭蟹』より『洒落番頭』の方が、題名から内容が伝わりやすいとおもう。そしてこの噺は、地味に難しい演目かもしれないなぁと思う。

それをネタおろしで見事やってのけた市寿さんもやはり腕がある。



【春風亭㐂いち】

とても勢いのある若手の㐂いちさん。

コロナ禍から始まった“デリバリー落語”も大変なこともあったようですが、とても人気のご様子。精力的に活動されてて、立派だなぁと思います。

そんな㐂いちさんの『お見立て』もとても勢いがあってノリが良い!

テンポも良くて、全力な高座がお客さんの笑いをかっさらっていました。

これでけ気合いが入っていると、聴いている、観ている人たちはとっても楽しいです。

『お見立て』もとても好きな演目。

喜瀬川花魁の素直なわがままっぷりがキュートで良い♪

喜瀬川作品と左甚五郎作品には、ムダにテンションが上がってしまうわたしです。





《最後に》

実はこの落語会では、『今回の4人の落語家の中でネタおろしなのは誰でしょうクイズ!』が実施されていたのです。

4人の中から本日初演ネタをやっているのは誰かを当てると、次回の落語会に無料ご招待いただける(!)という、おもしろいやらお得やらの良きアトラクションがついていました。

これ、すごく良い企画だなぁと思いました。

お客さんもクイズを当てようと必死になってあてにかかるから、深くきちんと4人の高座を見ようとするし(=舟漕ぐ人が減るw)、リピーターを増やすきっかけにもなるし楽しい♪

やはりちょっとしたイベントがあるというのは、その落語会も印象に残りやすいし、ファンを増やしやすいと思います。賢い!

そして、企画運営の方が、ワタナベさんとおっしゃるナイスミドルな素敵なおじさまだったのがより一掃の魅力。← カンケイない。

もちろん、見事に初ネタおろしの演者さん、当てられましたーーっ☆バンザーーイっ♪

でもね、仲の悪い(笑)と自称する仲良し4人が結託してバレないように見せていたし、皆が皆、上手いのでお客さんも惑わされた人多かったようです。


ちなみにわたしの推理は以下の通り。

一猿さん :『宮戸川』やりそう。とても好きそう。

白浪さん :『粗忽長屋』を持ってるのを知ってる。

㐂いちさん : ここでのネタおろしイヤだと言いそう(笑)だし、『お見立て』のどこで笑いがくるかわかって演ってる。

市寿さん : 上手い!とても上手い!・・・でも、登場人物の“声”が最初と最後で違う。ということは“馴れていない”。


もう、市寿さんに決まり☆



誰よりも早く会場を出て、演者さたちに満面の笑みとガッツポーズで「当てましたーー!」と言って去りました。市寿さんだけ、ものすごく悔しそうでしたが。笑


あーーーっ☆日頃からしっかり高座を観ておいて、よかった♪

もちろん、次回の11月30日のHR、出席させていただきます!

今回もめちゃ楽しかったーーーっ☆次回も存分に楽しんで参ります♪



期待大の実力派の若手。仲悪くてもこの4人でやってくのが絶対良いと思う♪

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さや香 / 落語ジャーナル
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