生まれて初めて出会った落語家
「この人の名前、変わってるの、どーして?」
NHKの子供番組を喰い入るようにみていた小さいわたしに母が教えてくれた。
「たぶん、“落語家さん”なんぢゃないかな」
と。
そのとき、TV画面のなかで微笑んでいたのは紛れもなく“しんすけお兄さん”こと古今亭志ん輔氏だった。
多くの人にとって、子供の頃にイチバン初めに出会う落語家は『笑点』に出演しているメンバーだと思う。
しかし、ワタシと同じアラフォー世代の人にとっての“初めての人”(いやん♪///←)は、しんすけお兄さんなのではなかろうか。
・・・と、この“しんすけお兄さん”の話題を同世代に振ると意外にも反応が鈍いことが多い。
「いやいやいやっ!〝へびくん、ぶたくん、しんすけさん〟のコーナーだよっ!?」
と説明するも
「うーーんっ。そんなコーナー、あったような、なかったようなぁ・・・」と、皆くちを揃えて言う。
えーーーっ。
ホント、あららーこららーそれからどんどこしょ状態なんだけど!
かしの木おじさんに怒られちゃうよ?
マジ、あっちむいてぷん!だからね?
(↑このあたりわかっちゃう人は皆同い歳です♪)
当時、こんなソフビ人形まで出てたらしいですね。
フツー、人形って本人より盛って作られませんかね。笑
あ。人形セットじゃなくて〝おえかきセット〟だからか、ね。うん。←
あ!「しんすけさんとあそぼう」って書いてある!
あそびたーーーーーいっ!✨
しかも、「すてきなバッチつき!」 だって!✨
ほしーーーーーーいっ♪
議員バッチ、弁護士バッチ、しんすけバッチの勢いでスーツの左胸とかにつけちゃう。←
嬉々としてつけちゃう!
ワタシ、『志ん輔ショー』と呼ばれるこのコーナーがホント好きでした♪
『おかあさんといっしょ』のなかで、グンを抜いて地味(!)なコーナーだったけれど、グンを抜いて息の長いコーナーでもありました。
ズル賢いへびくんと与太郎なぶたくんの掛け合いがとてもおもしろいのです。
いつもへびくんが優勢なのだけれど、たまにぶたくんがクリティカルヒットをかます。笑
まさに〝落語〟のソレ、そのもの!!!シュール♪
子供って、もっとポップでキャッチーなものが好きでしょ?
そんな子供ごころには、犬でも猫でも無い〝へびとぶた〟って響かないだろうし、そこに、キャラ感の無いナチュラルなおにーさんが出てきたところで一層響かないから、おそらくワタシの周りの同世代は記憶に薄いのだろうなと。笑
そのうえ、しんすけお兄さんが演ってることは人形を使った〝落語〟だったから、積極的に歩み寄らないと楽しめない仕組みは、小さな子供にはハマりにくかったのかもしれない。
でも集中力がないほどの幼いうちから、読解力や類推力などを鍛えるためには、こういう落語的なパフォーマンスをちびっこにみせることは重要だとわたしは思っている。
わたしは、古今亭始氏を知ったことで、彼のお師匠さんが〝しんすけおにいさん〟だと知った。
「この人は、しんすけおにいさんのお弟子さんなんだ!」と初めて知った時はテンションが上がったものである。
さすが、〝しんすけおにいさん〟のお弟子さんだけあって、落語の腕は大変素晴らしい。
古今亭志ん輔師匠は、業界では〝一番怖い師匠〟だと、まことしやかに囁かれているらしいとどこかで聞いたことがある。
あんなに優しそうだった〝しんすけおにいさん〟は、そんなに怖い人なのだろうか。
厳しさは愛情深さの裏返しのような気もしている。
これは大人の事情で公には触れにくいことだろうし、わたしなんかが簡単に触れてはいけないことなのだろうけれど、志ん輔師匠がいらっしゃらなければ、わたしの恋して止まない〝連雀亭〟は存在しないかもしれなかったのだ。
〝連雀亭〟は二ツ目のための稽古場である。それこそが志ん輔師匠の弟子や後輩たちへの優しさのあらわれではないのだろうか。
今はワケあって志ん輔師匠は連雀亭へ関わっていない。
だけど、子供のときは毎日『志ん輔ショー』を観て、大人になった今は『連雀亭』に通って、志ん輔師匠のおかけで楽しい〝落語ライフ〟を過ごすことができています。
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