ミラージュ
幻想になれない目移りを
美味しいピークに肩を並べて
夕方の匂いをいっしょに
緩やかにほおばりたいな
真実の酸っぱい瞬間を
甘いと感じて空を蹴っちゃった
どれほどの色が試しても
眺めてるだけにはおやすみ
名前に潜って鍵も失くして
雪間草も浮遊すれば
水槽には戻らない
この頃の羽毛といえば
毛皮のカーニバルも警戒する
娼婦のひとときには
大切なものこそ棄てて
エッセンスをたくし上げる
奇怪な音を悦ぶなら
果肉のユーモラスに漂ったりして
目に見える破片がたっぷりと
目に見えない破片を誤魔化してるだけ
ほんのひとときは呑み込む模様で
散る花はただれたエゴ
大胆を飾る激情に
隙間の向こうはいつも真っ暗
雨粒の影は濡れる蝶も
レトルトの行進には敵わない
空だけが纏う場所
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