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2021年3月の記事一覧

ストロベリーがいい

ストロベリーがいい

床に寝そべるカーテンが
歪んだ光を引き寄せる
ラップに絡まった水滴には
もう行き場も無くて
すべり落ちる居場所に待たれてる
くたびれたカーペットにまた足を付けて
あぁくたびれてんなって何度も見下ろす
色褪せた小道具がまた視界に入って
あぁ色褪せてんなって何度も目を逸らす
とっても怠いな動きたくない
脳にも能にも触れたく無い
今は紙とおしゃべりをして
ペンと向き合うならば楽なのよ
地中海もきっと雪が

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花壇

花壇

揺るぎない青春をまやかして
わたしは今日も桜になる
陽の光と同じそれさえも
とろけるようなシャワーを浴びて
雨の日の前日まで飛び越える
美しくなくては意味が無いなんて
とても哀しくて凄く残酷で
誰が運んでくる言葉たちも
それはどんな言葉かによって
摂取するべきかそうで無いかを
よく聴いて感じ分けてね
交わる視線は笑みを溢して
ムラのない空を広げていく
小さな光の粒に
鼻歌まじりで目を瞑って
アーモ

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雨の日の日曜日

雨の日の日曜日

ずっと子どもみたいな瞳
すぐに大人みたいな眼
気を抜くと生きるのを忘れる芽
ほら臆病な目をしてる
そんなわたしは誰に愛されるの
いくつもの目を持つ私に
面食らってしまえばいい
ほら貴方もあの人もその人も
それは作った瞳
あれは空気を読んだ目
これは臨む眼なのよ
どれも私をつくるただのアイテム
普通をわからない私に
仮面と知らせてくれるそんな人
私の眼を操ろうとなんてしないで
真心だとでも思ってる?

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溶けない記憶

溶けない記憶

大人はまだ少し遠い
赤い風船がときめくから
何処に行って三角を探そう
沈澱したホコリを泡に変えて
急いで空に浮かべよう
マスクの隙間へ落ちる雨が
頬を冷やしてくれる
とどまったこの空気は
どことなく進むような気がした
カップに浸かるコーヒーみたいに
醒めていく温度を肌で感じて
預けるものがある意味は
帰る場所がある意味になったり
振り返らない手立てかもしれない
ヒロインにならない私を愛して
冒険は

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扉

ドアの向こうで笑顔をやめるんでしょ
次から次へと過去へ戻って
私は私を傷つける
望もうとした私を嘲笑って
瞬きのたび濡れる視界は
すぐに嘘を創るから
ひび割れた価値観をそっと撫でながら
解るフリでも欲しかった
輸入した季節には何も感じないのよ
わがままを魅力的に操れたなら
並んで笑ってもう一度人のせいにしよう
諦めさせられた低迷度の付き合い
丁寧なほど軽く感じるものもあった
塞がれて気付く自分の陰

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バロメーター

バロメーター

過去に見えた瞬間の
心臓が小さくなる気持ち
涙したい感情に溺れたまま
息のしづらい日は続くらしい
脳がぼろぼろと剥がれてくこの感覚は
過ぎた頃の幼なじみで私は知ってる
ゆっくりと突風が
背後に聳え立たってるこの感じ
追い越した風を見送る感覚は
焦燥感と溢れていて
何とも言えない酸っぱさが宿ってるから
古びた追想はカビ臭くてイヤになる
更ける夜を知らないほど
帳尻を合わしてられない
少し多めに手慣れ

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音粒

音粒

うららかな翠がこちらを覗いて
たまゆらの影にひんやりと蒼ざめる
トキメキを誘う質感の賜物から
きっと笑って約束を燃やすのでしょう
こびり付いた苦味に妖しく
ピントが合わないほど近づいた瞬間、
視界は暗くなる代わりに
感覚を研ぎ澄まされる
さらっと滑る肌に鎮んだり、
人回り大きな影を結んでみたり、
嗜好に恥じらいを覚えながら
美良では無くともその時を
万遍なく整えていく良質な時間
心地の良いリズムと

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