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音粒

うららかな翠がこちらを覗いて
たまゆらの影にひんやりと蒼ざめる
トキメキを誘う質感の賜物から
きっと笑って約束を燃やすのでしょう
こびり付いた苦味に妖しく
ピントが合わないほど近づいた瞬間、
視界は暗くなる代わりに
感覚を研ぎ澄まされる
さらっと滑る肌に鎮んだり、
人回り大きな影を結んでみたり、
嗜好に恥じらいを覚えながら
美良では無くともその時を
万遍なく整えていく良質な時間
心地の良いリズムと戯れあいながら
弓なりな衝動を共存している
たった今を魅せていくその姿は
ドアの向こうで何を考えるんだろう
思い出して止まない精彩な時間には
ネオンが宿っていた
刺激的に生じた造形も
引き寄せ合うもつれの中で
ぐるぐると弾いていくんだよな、

匂やかな空想を走ってみても
余情には敵わない。

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