折り紙ができるのは実はすごい

通訳ガイドのぶんちょうです。

外国人観光客に折り紙を教えることがあります。新幹線の中ですることが多いです。車やバスの中では酔っちゃいますからね。

折り紙と言えば「鶴」が定番で、これなら私も自信を持って折れる唯一の折り紙です。でも、初めて折り紙をする外国人には難易度が高すぎるのです。つきっきりで教えてもできる人は一握りです。

中には上手にできる人もいますが、「四角い折紙を三角形になるように半分に折ってねー」と言ってやり方を見せると、まあ見事に大雑把な半分なのです。角と角をきちんと合わせないのです。合わせようとしないというか。

そう言う大雑把な折り方をする人が珍しくないことがわかった時、私はいつものように自分のなかに「日本人を発見」するのです。折り紙で、角と角を合わせるのは日本人にとって、当たり前ですよね。

この「当たり前」ってどこから来てる?と自分の子どものころを振り返ると、親から?おばあちゃんから?幼稚園の先生から?そんな物心がつくかつかないかの頃に、誰かから「角を合わせて紙をきちんと折る」ことを方法として習っていたわけです。

それを忘れて、鶴でも一緒に折ろうなんて気軽に声をかけて、いきなり難易度の高いお題を出してしまった昔の失敗の日。できあがった沢山の迷鳥、珍鳥、超珍種鳥類を見て「あー、鶴はもう辞めよう」と密かに誓ったのでした。

紙を半分にきちんと折る作業なんて誰にでもできることだと思っていたけど「人生のどこかで学んできたことだったんだ。日本で育ったから知らずにできるようになっていたんだ」と思ったのを覚えています。

というわけで初回は、動物の顔、ウサギや犬などを折ってもらいます。できあがったら、ペンで目やひげや口を加えてできあがりの簡単なものです。子どもたちには特に喜こんでもらえます。

これをクリアした人だけ、次のステップに進めます。でも、「鶴」はまだまだ。せいぜい「兜」くらいかな。

でも、今までで一番美しい鶴を折って私にプレゼントしてくれたのは日本人ではなくイギリス人なんですけどね。

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