「あなたは本当に1人起業したいのですか？」と聞かれて我に返った話

約3週間前にとある方から聞かれた、
「あなたは本当に1人起業したいのですか？」

「そりゃそうじゃん、個人事業主になったんだから」
「誰かを雇いたくなるほど忙しくもないし、儲かってる訳でもないし、1人でやるに決まってるじゃん」
聞かれた瞬間はこう頭に浮かんだ、

でも、ふと、「あれ？違うのかな？」はてなマークが頭に飛び交いだした。

その時の状況はこうだった。
WEB広告についてのセミナーを受講した。具体的な製作方法を学ぶのかと思いきや、ターゲット設定やPASONAの法則について、そして1人起業に絶対必要な物、それは、高額バックエンド商品だ、そんな内容だった。
「なるほどねぇー、この講座もきっと最後は、個別相談、高額バックエンド商品への勧誘って流れになるんだろうなぁ。どんな流れでどんな商品を紹介するんだろう？」「最後まで流れに乗っかって見てみよう」と思った。

「あなたは本当に1人起業したいのですか？」
この言葉を投げかけられたのは、個別相談でのバックエンド商品を紹介された時だった。その方の説明はこうだ、

「もし本当に1人起業したいと真剣に考えているのなら、この商品を目の前にして迷うことはないと思います」
「迷っているということは、1人起業したくない、もしくは、まだ決心が固まっていないかのどちらかではありませんか？」

おっとー、色んな意味で、この言葉は刺さりました。

「1人で起業して稼いでいく」この本当の意味は何なんだろう？

1人起業って、自分で何もかもする事だと思っていた。
事務処理あり、商品開発あり、宣伝広告あり、集客接客あり、経理処理あり、掃除あり・・・でも、何かが違う・・・

改めて「起業とは」をググってみると、

起業とは、主に法人設立を伴う独立を指します。会社から独立し、個人事業主を経ずに、法人を立ち上げることが起業です。

独立は、主に個人事業主になるときに使われる言葉です。会社から独立し、個人事業主として開業届を出すことを、「独立する」と表現します。

ふーん、私、法人設立する訳じゃない、だから起業じゃないんだ。私の場合は「独立」なのね。

んー、でも、知りたい事はこれじゃない、ピンと来ない、

「起業」は「業を起こす」と書くから、「業」ってなんだ？
ググってみると、仏教にたどり着く。「ごう」とか「カルマ」とか。

その中で、ピンと来たもの、浪花宣明氏が書かれた「業論の研究」の紹介文の中にあった、

その本来の意味は、「私はこのようにしよう」「私はこのようになりたい」という自分の意志であり、それに基づく行為である。神の意志ではなく、自分の内なる力であり、「自分の人生を作るものは自らである」というブッダの人間主義の教えの中心にある重要な考え方

人間の行為は、行おうという意志（思業）に始まり、具体的な動作（思已業）がそれに続き、何らかの結果をもたらすことによって完成する。さらにその動作は、身体によるもの（身業）・言葉によるもの（語業）・心によるもの（意業）に分類できる

業の本体は思（意志）とされる。自らの思（意志）の善悪を知りうるのは自らのみである。他人は外から観察して、他人の業の善悪を推量しているにすぎない。人は時として自らの業の善悪をごまかすことがある。しかし他人はだませても、自らをだますことはできない。業の行為者のみが自らの思の善悪を、すなわち業の善悪を知っている。身・語・意の三業の本体を思とする意味がここにある

自分の業が自己をつくる。

自分の場合はどうなんだろう？
私が行うという意志（思業）、それは、自分が楽しいと感じる事で、かつ、誰かの笑顔につながることをしたい。

私の具体的な動作（思已業）、それは、楽しくて苦も無くついついやってしまう事、面白そう！やってみたいと思うけどまだやったことない事をやりつつ誰かの役にもたつことをしたい。

これが何らかの結果をもたらして、私の自己を作っていく。

私は、「起業」という言葉を「企業」と捉えがちだ。
「企業」は営利を目的として継続的に経済活動を営むこと。

この観点から「起業」を考えると、私に足りないものは、私が行うという意志（思業）、なぜなら「○○で世界を笑顔にしたい」この○○がまだない。

「起業」を経済活動から離して考えると、私が行うという意志（思業）は、自分で自分を楽しませること、そして、気が付くと誰かの笑顔にも繋がっていた、私も幸せ、皆も幸せ、こんな感じ。

「あなたは本当に1人起業したいのですか？」
この質問に対する現在たどり着いた答えは、「ハイ」であり「いいえ」

経済活動と捉えると、私はまだ思業に出会っていない。だから「いいえ」
経済活動から離して考えると、自分を楽しませることの出来る人間は結局自分しかいない、だから「ハイ」

私って、なんてややこしい人間なんだ。手間のかかるやつ。

「稼がなくっちゃ、稼がなくっちゃ」と唱える日常から離れて、
自分で自分を楽しませる、自分を客観視して楽しませる、
これが私の起業なのかも、と気が付き始めたんです、ようやく！