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老猫を迎え入れる

画像は見つけた当初の猫さんです。

野良猫を保護するのは大変だと聞くけれど、弱りきっていた以外に、この子は人を恐れていなかった。病院の先生に診察されている時も嫌がるそぶりもなく、「シャー」と言おうともしなかった。弱りきっていても猫は動物だから、通常は最後の力を振り絞ってでも抵抗するだろうけれど。先生は元々飼われていたんじゃないかな?とおっしゃったのだけど、この小ささだし、野良で生まれて、餌やりの人に懐いていたのかもしれないとも思える。だから捕獲も連れ帰るのも大変ではなかったが、通常は噛まれたり引っかかれたり暴れたりする場合が多いので、気をつける必要があるだろうなと思う。


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子猫でなく老猫だった。引き取ってもすぐ死んでしまうかもしれない。仮にしばらく生きることが出来ても、旅立ちは早いかもしれないし、案外元気になったとしても、里親は見つからないなと思った。看取るつもりで引き取らなければ。すぐ死んでしまうとしてもゲージは用意しないといけないんだ。マンションに大きなゲージが2つ。トイレも別に要るし、食器もベットも要る。猫砂も倍になる。餌代に病院代...予想外の出費。これからウチの経済圧迫されるよな...。色々頭の中を駆け巡るけれど、幸い先住猫りんたろうが少食でアクティブな健康体なので、何とかなるかもしれないなと思った。

急いでネットを検索して安いゲージを探す。老猫で動きも少ないし、1階建てで良いかなぁとも思ったけれど、もし元気になってしばらく居ることになったら、2階の方が快適に過ごしやすいかもしれないと思ったので2階建てのゲージにした。(この選択は大正解だった。)トイレは100均で大きめの蓋付きの入れ物を仮として購入。必要なら後からシステムトイレを購入しても、入れ物だと洗浄したら別用途で使えるだろう。食器はりんたろうが前に使っていたものがあるので購入せずに済んだ。食べにくいだろうから、適当な木箱を食器台に使う。ベットも100均でプラスチックの網カゴに家で余っているフリースのブランケットとミニ座布団を敷いて使う。ベッドの下には滑り止めマット。ゲージ以外は家にあるものと100均でほとんど揃えられた。餌は歯がほぼ無いので、カリカリはダメ。りんたろうと同じもので良いと言われたので、りんたろうが朝ごはんに食べているレトルトパウチにする。

3日後にゲージが来たので組み立て、りんたろうのかかりつけB動物病院に電話して、経緯を説明。りんたろうはその年のワクチン接種していなかったので、猫風邪や白血病感染予防ために翌々日の夜のワクチン接種を予約。翌日の夜仕事終わりに老猫を迎えに行く。弱ってるだけでなく、かなり汚れていたので気になっていたのだけれど、入院中に看護師さんがシャンプーして下さっていて有難かった。が...血液検査の結果、猫ウイルス性白血病は陰性だったのだけど、猫エイズは陽性だった。猫エイズは人間のエイズと同じく免疫力が著しく低下する。猫風邪はかなり長引く。ただ感染力が弱いので、流血するような喧嘩でもしない限り、他の猫と同じ食器で飲み食いしても、毛繕いしあったとしても感染することは無いそうだ。また1ヶ月後に様子診せに来てと、猫風邪用に抗生剤を10日分処方された。

家に着いて、早速ゲージに入れる。まだまだかなり弱っているので、1階に食器もベッドもトイレも置く。2階に上がる体力は無くて、やっぱりベッドでうずくまっていた。でもヨロヨロしながら、水も飲みに行くし餌も食べに行く。トイレもちゃんと分かって用を足していた。鼻のブーブー音は治っていなかった。鼻がつまって苦しそうだ。夜中もずっとブーブー音がしていた。

続く


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