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ボードゲーム(ボドゲ)の著作権について考える

ざっとnoteを閲覧してみたのですが、既に多くの方によってボドゲ関連「著作権」は論じられていますね。
2023年12月現在、すでに一段落した、議論としては枯れた段階にあるみたいですが、でもでも、皆様に何か改めて参考になればと思い、私見を記します。

最初に、3つの過去事案からお話しします。

ケース1 PC用ゲームアプリ TAKALITH 事件

ある時、ゲームセンターに「BLOCKOUT」という名前の「3Dテトリス」が設置されました。ある若者がこのゲームの「アイデア」をまるっと活用して、PC用の「パブリックドメイン・ゲーム・アプリ」名前は TAKALITH を日本国内で発表しました。

youtubeからゲーム画像引用

*TAKALITHは、ゲーム中の効果音もすごく「イイ」のです。音よし&内容もよしで最高のゲームでした。今では「PC98」という型式のPCは存在しないし、PC98用のアプリの入手経路がないし、で、当時の効果音も含めての完全バージョンで遊ぶことはできません。

この若者の行為に対して、BLOCKOUT著作権者が「即時にアプリの配布停止を行うこと。ならびに、この命令に従わぬ場合、裁判係争も辞さない。」との通達を出しました。
若者は、生まれて初めて弁護士に相談&法的検討依頼を行い、弁護士がいろいろ働いた結果、こんな風に係争処理が行われました。

・若者はゲームセンターのマシンの内部に格納されているゲーム・アプリ・プログラムを全く読んでいない。若者はプログラムコードの内容を「盗んでいない」
・ゲームの「アイデア」そのものは確かに参考としたことは間違いない。ゲーム進行中の画面配置(見た目の印象)も、確かに似ているといえば似ている。しかし、PC用のゲームアプリは、若者が自分一人で、ゼロから創作したもの。
・著作権の考え方としては、両者は「完全に別物」と判断する。従って、BLOCKOUT著作権者の「得べかりし利益(消極的利益)」を、この若者が損なったとは認めない。

ケース2 マジックのネタ「アイデア部分」の盗用事件

著名な日本人マジシャンである「Mr.マリック」氏も懇意にしていた「マジックのネタ作り師」の案件。
マジックのネタを「アイデアだけ盗用」するヤツが現れた。具体的な行為は「マジックのネタバラシ動画を投稿し、アフィリエイトでお金を稼ぐ行為」。

マジックのネタとは 例えば
「しかけのある特殊な容器」
「しかけのある特別なトランプカード」
などの「物品」のことを指します。

実際に手で触るか、目で見れるような「物・モノ」は著作権の保護対象だが「アイデアだけ」つまり無形の「考え方・やりかた・アイデア」は著作権の保護対象ではない。だから本件は、裁判とかはやらないことをお勧めする。勝てそうにないから。とのことです。

ケース3 Othelloと、Reversiとの法的な争い

Othello と Reversi

「ツクダオリジナル」が日本国内で「Othello」を大々的CM宣伝&強力な販売促進プロモーションする嵐の真っただ中に、「ハナヤマ」はそれに対抗すべく「Reversi」をボドゲとして発売しました。
すごく似ているボドゲ2つが、おもちゃ屋で長期間併売される、ちょっと不思議な状況がしばらく続いたのです。
ゲーム発表年代は明らかにReversiのほうが古い。従って著作権の考え方としてはReversiを日本国内に、後発品として発売することには、何も問題はないと判断されました。
(むしろReversiのほうに先行権・優位性がある)

考察なんですけど、もし万一のSFの話になってしまいますが、もしも、ハナヤマが、その当時に「Reversiを発明した」という場合は、おそらく示談金をいくらかは支払わないといけない事態になっただろうと言われていました。
*ご存じの通り、完全パクリのルールではない。ちょっとだけルールが違うゲームです。著作権的には100%被害という判断にはならず、部分的被害を受けたとの扱いになるかな?(知らんけど。さすがに実際に発生した事案ではないので、結論はどう転ぶのかちょっと予想もつかない案件です。)

さて、これら3つの事例から私が学んだことは次の通りです。

・アイデアは著作権で守ってもらえない。カタチあるものだけ。
・文字列(小説・随筆)、絵画(漫画を含む)、音楽(を形にしたもの。たとえばCD)、ムービー(を形にしたもの。たとえばDVD)、そして近年加わった「コンピュータの内部に打ち込まれた状態のゲームアプリ・プログラム等」などなど、とにかく、最終的に、なにかカタチ を持つものが著作権の保護対象である。
・ボドゲの場合、同じ形状のゲーム盤であっても、オリジナル品と比べて、ゲームルールの一部改変さえしておけば、ワンチャン、示談金程度で済んじゃう可能性もありえる。
(ケースバイケースです。あなたの案件の場合には、凄まじい金額の賠償金を課せられる恐れも捨てきれません。現実ではワンチャンだけを期待しないよう、ご注意ください。)

こんな風にまとめると、しみじみ、ボドゲ・ルールクリエイターって、割に合わないなあ。と、やっぱり市場参入をしり込みしてしまいます。
そんな理由もありまして、自分は、(市販ボドゲ用としては)ボツネタ&(市販ボドゲにするには)扱いきれず手に余るネタを、どしどしココに紹介し続けたいという希望/野望? を持っています。
今後、書く予定にしているコトゴトが、誰かの参考になれば幸いです。

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ラジくまる
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