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やっぱりOliver Schaudt! 2本目(1)

この記事は、昨日の記事から続いています。

・・・・・ということで、ラジくまるはOliver Schaudtってどんな人なの?この他にもパズル作品を作ってないの?
そんなあたりがとっても気になりました。
気になったから、さらにフカボリしてネット検索してみたのです。

またまた出てきましたよ。こんどはSemiramis(副題: The Gardener of Semiramis)です。

なんていうか、庭園(パズルボード)のデザインが美しいです。まさに庭園。

Semiramis(セミラミス)といえば、BC800年ごろに「いた」と伝説が残っているアッシリア帝国の女帝さんです。
なにしろ「伝説」扱いされちゃった人ですから、彼女の偉業のうちどれが真実でどれが嘘っぱちなのか、証拠を探り当てるのはもはや不可能です。

彼女の偉業のひとつとしては「バビロンの空中庭園」の建設が世界的に有名です。その空中庭園をテーマにした、パズルっていうわけです。
(空中庭園はセミラミスの作品ではない!という学説もありまして、諸説ありという悲しい状況です。セミラミスさんの作品ってことにしておけばいいじゃないですか。)

ルールはこんな感じです。

Semiramis   Solo Play Puzzle
勝利条件:
緑色の△や白色の〇など、属性が異なる「抽象的図形」が庭園内に初期配置されている。1マスだけ空き地があるので、その空き地を利用して15パズルと同じ動作(スライド)で図形たちの位置を移動させる。
最終的には、属性が同じ図形が隣り合わないように配置しなおすことがゴール。
例:白と白とは隣り合わない、△と△は隣り合わない、など。
用具:
パズルボード(庭園)
パズルピース  *詳しくはすぐ下の図を参照
(赤白緑)の3色の属性 それぞれ3個ずつ程度
(〇△◇)3種形状の属性 それぞれ3個ずつ程度
初期配置:
問題ごとにパズルピースの初期配置は異なる。例を示す。

遊び方:
問題集に示された通りにパズルピースを配置したら、1マスぶんの空き地を利用して、パズルピースを線に沿って移動する。
何回か移動してから「これで完成だ」と自分が思えたら、中心点にあるパズルピースを、中心点から線に沿って外に出す。この最終状態で「属性が同じピースどうしは隣り合っていない」ならば完成。
(白と白とは隣り合わない、△と△は隣り合わない、など)

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このパズルは、要するに15パズルの仲間なのですが、問題の「出題のしかた」がとってもエレガントだと思うのです。

とりわけ、庭園の形状がめんどくさい設計になっているので、パズルとしての難易度が15パズルよりも上がっています。そこがイイ。
このパズルをいったん経験しちゃうと、もはや15パズルなんてつまらん子供だましに思えてきます。

でも、注目すべき点はそこだけではないのです。最大の特徴は、このパズルは1粒で2度おいしい、ということです。

グリコ公式から画像引用

解決すべき問題・課題が、2段階構造になっています。

1 同じ属性のピースが隣り合わないとは、結局のところ、どんな配列にすればいいわけ?というパズルを最初に解かないといけない。
2 その状態にむけて、ピースの位置を移動するには、どの順序でパズルピースを動かせば「最小手数」で完了するのか?というパズルが、もうひとつ残っています。

これって、パズル業界としてはかなり斬新なことだと思うのです。1枚の問題カードで、パズルを2つ解かなきゃならないって、なかなか経験できないことですよ。

まだ言い足りないことがあるんで、明日に続きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。