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3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(1)

ドイツでは、ご覧のように変な形のゲームが売られています。
Das Spiel(日本語訳:ザ・ゲーム)

5種類のゲームが楽しめると添付マニュアルに書いてありますし、fan-madeのゲームが他にもいっぱいあるとか聞いています。
ただし、購入者たちのユーザーレビューを読む限り、多くのゲームは「運」まかせなのだそうです。つまりは Game of Luck が多めとのこと。
ちなみに、ラジくまるは、運だけで決まるゲームは、あんまり好きじゃないです。でも、ダイスゲーム全部が嫌いなわけではありません。
ダイスを使ったとしても、作戦が必要だったり、状況判断を伴うルールのやつはかなり大好きです。

ともかく、この Das Spiel は「ボードが美しいから」というだけの理由で、輸入・購入して自宅保管していました。・・・・。もったいない使用方法ですが、個人の好みの問題ですので、なにとぞ、そのあたりは放置する方向でご理解ください。

さて、このゲームボードにサイコロ(立方体)がどんどん積み上がっていくと、いわゆるピラミッドを形成します。
*注意:正確には四角錐のピラミッドではなくて、三角錐です。

このとき、積み上がっていく立方体たちの、3D空間内での位置関係は「六方最密充填」か「面心立方格子」か、どちらになっているのでしょう?
*答えを知っているくせに、読者の皆様に問いかけています・・・。失礼な話ですが、気にせずにどんどん進めます。

すき間なしでキチキチに立方体が並んでいるのですから、上に挙げた2つのパターン(最密充填)のうちの、どっちか1方であるコトは、絶対に間違いありません。モデル図を描いて、どちらの「並び方」に一致するのか判定してみましょう。

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ところで、ちょっと横道にそれますが、今話題にしているのは「サイコロ」を使った3D空間の充填問題ですけど「球」による空間充填については、証明がとても大変でした。
球を「3次元空間で密に充填する」問題は「ケプラー予想」と呼ばれ、解けない数学問題として君臨し続けました。2014年に解かれましたけど。
でも、その解かれていく過程も最高に面白かったですよね。

1998年に提出された「証明のための作業方法」という論文に書かれたとおりに、考えうる可能性を、片っ端からしらみつぶしに、ひとつ残らず調べ続けるという気が遠くなるオシゴトをコンピュータの支援を使いながら全部調べ終わった。ついに証明が終わった!でも1998-2014までかかった!という壮絶な話になっています。

いやー。数学者が何かを成し遂げるのは、もはや根性と根気という時代になったみたいです。
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さて、写真の通りにサイコロが積み上がり、美しい三角錐(?)が完成するわけですけど、サイコロを透視できないせいで、3D空間的にどういう積み上がり方をしているのか、見えません。

いわゆるCG的にサイコロを絵で描いてから、それを透明化して下が透けて見えるようにしないと考察できないです。

というわけで、明日に続きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。