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腕は抱くために、手は触れるために -Arms for Hug / Hands for Touch

リハビリデイサービスで、
ときどき体操指導をしている。
機能訓練指導員といわれる仕事。

30分ほどの時間、
利用者さんが安全に実行できることなら
と、制限せずにやらせてくれる。

最初は、私も
筋トレや有酸素運動や脳トレなど、
高齢者向けのエクササイズとして
よく紹介されているものを
やってみた。

これらも必要そうだし、
まぁまぁ無難で、
介護保険の制度上のデイサービスに
求められるものを満たすと思う。
でも…。

少し様子がわかってきて、
そこから外れて
ちょっと冒険してみることにした。

このところ続けて、
呼吸のワーク、
腕肩のワークを入れ込んでみている。

今週は要支援クラス
(=介護度が低く自力で歩行できる方々)
の体操が当たった。

解剖のコトバは使わないで、
身体の理(ことわり)にかなう動きを体現して、
力まずにのびやかに呼吸する。
…をめざして即興な試行錯誤。

できるんだな♪
認識反射もでるし、
「軽くなった」
「楽に動ける」
「これならできる」
と笑いかけてくれる方々も。
ちいさくよろこびを分かち合う。

80歳超、介護認定ギリギリになっても、
10分20分ほどで、
身体づかいを少しだけ変えることができる。
違いを味わっていただけるんだな。

〜〜になるのは避けたい
だからガンバって鍛えなくちゃ
そんな思いの体操の時間
かもしれない。
けれど。

弱まって動きが限られるなら
そのリアルのままで、
それならいっそう力に頼らないで、
避けるためではなくて
希うことのために、
身体は十全に遣われ動けたらいい。

ヒトの腕は駆けるためでなく抱く動きができるし
ヒトの手は掴むだけでなくやさしく触れることができる
ようにできている。

脚も。骨盤も。

生きる最後の時期にも、できる限り
身体が辛苦を克服すべき敵のようなものや
強いて動かすものではなくて
よろこびを分かち合う礎であるように。

認知症の方、
麻痺や変形で動きの制限のある方の
クラスが当たることもある。
どうやって/どこまでやれるのか、
チャレンジはあるけれど
ぼちぼちと(こっそりと)
試行錯誤していっちゃいましょうか。

(画像は鎖骨模型。LOVE)

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