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月を追いかける。


地球からの距離約38万km
月の大きさ直径 約3476km (地球の約4分の1)
月の質量地球の81分の1
月の公転周期・約27.32日
月の環境
月の重力は地球の約6分の1。ほとんど大気がないため、昼夜の温度差が非常に大きくなります。月の赤道付近の観測では、昼は110℃、夜は-170℃と、その差は200℃以上もあります。

https://www.jaxa.jp/countdown/f13/special/moon_j.html
Jaxa
 もっと知りたい!「月」ってなんだ!

月。
地球から形がくっきりと見える地球以外のほし。
そして地球にはなくてはならない地球に寄り添い続けるほし。

生き物の関わりや、地球との関わりが深い月は話し出したらあまりにも壮大になってしまうので割愛するが、僕にとっての月はそんな壮大なものでも、心の拠り所でもなんでもない。
月に一回、満月をぼーっと眺めながらお団子を頬張ることが僕にとっての月の存在価値である。そしてそれは最高に無駄な時間を満喫できる至福の時間でもあった。

しかし、今月の月はそうはいかなかった。
毎月のお月見にはルールがある。
その1、ほぼ満月ならよい。
その2、月が見えるところならどこでもお団子を食べていい。
その3、満月を過ぎたらお団子は食べれない。
その4、毎月絶対にお団子を食べる。
この4つである。
この適当にその場で考えたようなガバガバなルールの元に毎月のお月見を行なっているのだが、今月は満月の日まで全て曇りだったのだ。
そう。ルールその4が守れなくなってしまうのである。
初めて3ヶ月目にしてお月見敗退の危機である。
お団子が食べれないではないか。
こんなルールを設けた自分を恨んだが「お月見ができない」そんな事態は避けなければならなかった。

お月見を諦めかけたその時、某アプリの通知オンと共に一通の写真が届いた。

雲から覗くほぼ満月

僕のお月見敗退の危機を救う希望の写真であった。雲の間から月が覗いているではないか!
お月見仲間からの写真は、今日お月見ができるかもしれないという希望を与えてくれると同時に、そいつがお月見団子を食べたという事実を簡潔に伝えてくれるものだった。
途中だった仕事を全て放り投げて外に駆け出した。
国立天文台が運営している今日のほしぞらによると、月は方角は南西に見えるようだった。
外に出て周囲を見渡すと、いないのだ。
そこにあるはずの月が見えなかったのだ。
僕は激怒した。
月の存在を曖昧模糊にする雲を除ねばと決意したのだ。
僕は走り出すことに決めた。

お月見チェイスのはじまりはじまり。

しかし、闇雲に走り出したところですぐに月が見えてくるわけでもない。
まずは愛車の上で雲の流れを読むことから始めよう。
雲は西から東に流れていっている。つまり、雲と同じように進んでいくと朝まで月を拝めない可能性すらあった。
進路は決まった。西に向かう。
そしてもう一つ重要なことがある、走る道に障害物が少ないことだ。
肝心のお月様が今晩はと顔を出した時にビルやトンネルで姿を拝めないとなるとまずい。
こうして僕が取るべき進路は、海岸沿いの障害物の少ない広い国道を西に向かって下るのだ。
愛車の屋根の上で地図アプリを確認しているとまた軽快な通知オンがなった。
『もうお団子食べました?』
例のお月見団子仲間はまだ団子を食べていなかったらしい。
これから月を探しに車を走らせることを伝えると、お供を申し出てきた。
そうと決まれば善は急げ。
コンビニのレジ前団子を仕入れ、友人を迎えに行ったら、月を追いかける小旅行の始まりである。

つづく?


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