見出し画像

『swim』という曲のこと

本日、ミュージックビデオを公開させていただきました、『swim』というわたし、夏澄來世のソロ曲についてお話をしていきます。



swim

そのまんま、「泳ぐ」という意味のタイトルです。

別の意味も多少はありまして、
漢字で書くなら「酔夢」。

転じて、酔生夢死。


歌詞の中にも「白昼夢」「夢の中でいい」など、夢に関連する言葉がたびたび登場します。

歌詞の中を通して、わたしは(どうせ夢だ)と自嘲しているようです。


そして、楽曲の雰囲気ですが、

作曲をしてくれた宮城Pに
ソロ曲どうする?どんな曲にする?と言われ、

すぐに「シューゲイザーで海の底みたいな曲がいいです。」と答えました。

シューゲイザーの曲が声に合いそうだとよく言われていたので、歌ってみたいなと思っていたからです。
それなら深海を泳ぐような曲が歌いたかったのです。

はじめにいただいていた骨組みの状態では
軽快なドラムから始まる曲でしたが、
その明るさがわたしには合わないと思い(笑)、
歪んだギターから始まる曲に変えていただきました。

ギターを何本も重ねてかなりいかつくしていただきました。ありがとうございます。



歌詞に書かれているのは、
わたし自身の心の中 というのが一番近いでしょうか。

好きな曲のタイトルやフレーズへのオマージュがいくつか入っていたり、
わたしが以前書き残していた短歌に似たフレーズが入っていたり、もしかしたら「おや?」と思ってくれた方もいるかもしれません。

で、なぜ「swim:泳ぐ」なのか、
というところを焦らしてしまいましたが、
わたしにとって、泳ぎは唯一人並みにできる運動行為なんです。

何も気にせず泳ぐのは本当に楽しい。
ぷかぷかゆらゆら。

時々、とても気持ちよく優雅に水中を泳いでいる夢を見るくらいです。


さて、少し長い話になります。
あまり曲とは関係がないので(ないんかい)
飛ばしていただいても問題ありません!

幼稚園だったか小学校だったか、スイミングスクールに通っていました。
わたしは人並みに泳げる!(奇跡)というだけで決して得意とか上手とかの分類ではありませんでしたが、
もちろん選手として活躍している人たちもスクールにはいました。

「□□大会 ○○くん ●位!」とか書かれた貼り紙の中に、いつも、同じ学校のOくんがいました。

その子とわたしは特別仲が良かったわけでもなく、
ただ、入学したら出席番号が前後だった。それだけでした。そして、先に言ってしまうと、これは恋愛の話では全くありません。笑

Oくんは、誰にでも優しくて本当にいい子だった。
成績も良く、いつも元気で面白くて、
でも、お人好しすぎてちょっと空回りをしたり、時々悪い奴らに乱暴な態度を取られたり、そんな姿も目にしていました。

人前に出ることが大嫌いで、日直当番がやりたくなかったわたしが、進行表の文字が(小さくて?)読めないと嘘をついて拗ねていた時、
先生に指名されて出席番号の近いOくんが一緒に読んで教えてくれたことがありました。

余計に恥ずかしかったです。ごめんなさい。本当はクラスで一番漢字が読めるタイプの人間でした。目も悪くないし。(Oくんは昔から眼鏡をしていたね。)
そんな感じで、誰よりも本当に心優しい子だった。

その子は水泳のクラスも当然上級者クラスで、体の大きい高学年に混ざって練習をしていたのでスイミングの時間はわたしたちと入れ替わりだった。入れ替わる時にすれ違ってもなんとなく照れくさくて挨拶はしなかった。
それくらいの距離感だった。

中学に上がる頃には水泳のジュニアオリンピックで優勝し、もう将来が約束されている優等生だった。


わたしの大嫌いな体育祭、の大嫌いな練習。
たしか、『台風の目』の演目。怖い。めんどくさい。
また何か言われるんだ。また迷惑をかけるんだ。こうやってずっと嫌われる。
参加したくない。やりたくない。消えたい。

そんな思いの中、あーあ、やっぱり失敗してしまった。まただ。今年もだ。
わたしのせいで負けた。ってさ。
飛び交う怒号。膝を抱え背中を丸めてまわりに見えないように縮こまって泣いた。

「大丈夫だよ。
誰にでも失敗はあるんだから、次頑張ればいいんだよ。」
隣、上から予想外の優しい声が降ってきた。
驚いて見開く目からさらに涙が止まらない。
同じチームのOくんだ。
ぼろぼろ涙を流しているから顔を上げられない。

なんとか授業が終わり、泣き顔を隠し、顔を上げた頃にはあの子の背中は見当たらなかった。

「ありがとう」って言わなきゃ。
でも、教室で会うとやっぱり照れくさくてなかなか言えなかった。


それから暫くして、Oくんに病気が見つかった。
Oくんは学校に来られなくなった。みんなで千羽鶴を作った。一度は戻ってこられるという話も出てみんな喜んだ。しかし、もうOくんに会うことはなかった。

なんで「ありがとう」の5文字が伝えられなかったんだろう。後悔は消えない。わたしは中学を卒業するまで届かない手紙を書いては棚の奥にしまった。神様なんていないと思った。「神は乗り越えられる試練しか与えない」なんて大嘘だ。あんなにいい子が、どうして?


これまた、まったくもって余談ですが、
スガシカオさんの『真夜中の虹』

サヨナラさえ言わなきゃ
お別れからずっと逃げ切れるかな…

というフレーズに大共感しています。亡くなった親友に向けて作った曲らしいです。
みんなで行ったお通夜、わたしは「さよなら」は言わなかった。言えないよな。13歳にそんな試練、与えないでよ。

ちなみに、そのスイミングスクールは進級テストになかなか合格できず途中で辞めました!
クロールと背泳ぎできるからまあいいんだ。


これがわたしの「泳ぐ」への特別感みたいなものです。


それから、前に触れたことがあるのですが、
言葉というものは体温が消えた時に忘れられて死んでいくんだなと思っていて、今回もそんなことを歌っています。とても儚いものです。

なかなかいい文章なのでぜひ読んでくださいね。

「声」「息継ぎ」「嘯く」
「睫毛」「瞼」「映しはしない」
口やら目やらに関連するフレーズを意識的に散りばめています。
声やら目に映るものやらに意識が向いているのかもしれません。

サビでは海のことを「青」「泡」と表現しています。

それから、恐れ多くもイメージカラーとして
白をいただいているので、

白も意識的に、と、「白昼夢」「白々しい」
あんまりいい意味じゃないかもね!
でも使いたかったフレーズでした。


「どうせ夢だ」「言葉は冷めてく」と言いながらも
果てまで泳いでいく!と歌う曲です。
諦め、悪いなあ。

「泳いでいく」のあとに「!」をつけるか悩んだんだけど、そんなの泣いちゃうからとりあえずやめました。
でも、いつか歌詞カードできた時に「!」がついてたらごめんね。笑

歌うたびにここで泣きそうになってしまうのでうまく歌えるかとても心配です……。


MVは夜の海辺で真っ白なネグリジェを着て撮りました。
わたしの中での裏テーマは夢の中。夢遊散歩だねえ。


この日、メンバーのみちるちゃんとかなとちゃんが同行してくれていたのですが、「らいちゃん、天使になっちゃったの?」「天に昇っていっちゃうの?」と言ってくれました。真っ白〜。




本当に絵になるの。
わたし夜のお台場周辺の夜景、本当に大好きだから、本当に本当に夢みたいだったよ。嬉しすぎた。

この曲の中でだけは夢に出てきた女の子になりたかった。

なれたかな?


それから、ほんのちょびっとですがアニメーションの製作にてMVのお手伝いをさせていただきました…!
イラストを織り混ぜつつ、わたしらしい、夏澄來世らしい、作品になっているのではないでしょうか……!何回も見てほしいです!頑張ったー!


ネットプリントにイラストを登録させていただいておりましたが、これは『swim』のジャケット画のつもりで描いたものでした。

実は以前にこの絵の元となる絵があって、
すごく思い入れのある絵だったのですが、ずっと曲のイメージにあったので今回描き直しました。

気付いた方いらっしゃいますか?

いやあ、絵自体は昔の方が下手なはすだけど、
今の方が全然描けなくなっていて悲しい!

わたし、自分が身につけるのが好きな色はピンクとか赤とかなんですけど、絵に描くのはどうしてか青っぽいものが多くて。
きっと憧れているんだろうなあ。自分が青になれないから。と思います。青い絵になりたいみたいです。


そんなわけで、生誕ライブにてお披露目させていただきます。MV見て気に入ってくれた方、気になってくれた方、ぜひ遊びに来て感想教えてくださいね。

お待ちしております!

ひまちゃんソロ曲

やがさまソロ曲


↑時間帯が早かったからか反応少なめで悲しい。
もっと拡散してほしいー!お願いします!
力がないので、皆さんの力も貸してほしいです。
あと、YouTubeってコメントがあると盛り上がる?らしい。コメント書いてくれたら嬉しいです。
見に行くの怖いけど……。どきどき。



『swim』ちゃん、たくさん聴いて、愛してね。
抱き締めて温もりを頂戴。

今日は早く寝ます♡

來世

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?