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エンドロールで立ち上がるな

好きな子と映画を観に行くのが好き。
最近観たのは『母性』、『village』、『RRR』、『怪物』かな。どれも役者さんが素晴らしかった。

映画って感性が近いお友達としか共有できない気がするの。映画に誘えるお友達が何人もいるって幸せなことだよね。
感想を共有するのってわたしはなんだか照れくさくてボソボソぶっきらぼうに話してしまうんだけど。大体隣にいるその子たちはわたしの知らなかったことを教えてくれる。


仲良くしてもらっているお友達はアイドルさんとか声優さんを目指して頑張っている方が多くて、小さい頃からどこにいてもハズレ者だったわたしは「アイドル」になってからようやく気の合う人達に出会えたような気がしている。
「同じ小学校だったらよかったな」なんてタラレバを言われると嬉しくなってしまうよね。

お決まりかもしれないけど、映画の終盤、エンドロールで立ち上がって劇場を抜けていく人、を嫌がる人は多い。
わたしは物語の余韻でぼんやりした頭のまま流れていく文字をぼーっと見つめる。もちろん劇場が明るくなるまで待っている。

でも、今時配信サービスでいつでも動画として気軽に映画が観られる時代で、わたしだって動画としてスマホやタブレットで見ていたらエンドロールは飛ばして画面を閉じてしまうかもな。と思った。

じゃあどうしてエンドロールまで見ない人に嫌悪感を抱いていたのかな。
エンドロールの後に続きがあるかもしれないから?最後のカットや後編の予告やお知らせが残っているかもしれないから?なんとなく、作品への敬意を表したかったからかもしれない。

エンドロールは作品に携わった人たちの名前が並んでいるものだし、そのすべてに観客としての敬意を。いや、本当になんとなくなんだけど。別にそんなのこちらはちゃんと見ているかなんて監視されているわけでもないし、でも、その場に居る以上は、なんとなく。

エンドロールの後、
室内が少し明るくなって現実が戻ってくる。

立ち上がった足に違和感。隣の人が落としたポップコーンだった。


過去の名作やB級映画?っていうのかな、全国で放映されていない作品を上映しているような小さな劇場には映画好きが集まるからね。エンドロールで立ち上がる人とか前の人の椅子を蹴るような人はいなくて気持ちよく鑑賞できるかも。

映画館でわざわざ観るのも、映画館にわざわざ誰かと行くのもわたしは好きだなあ。
つまり良き休日があったと。


こうしてお友達を誘って映画を観ていたのもめちゃくちゃ浅いわけがあって、単純にポイントが余っていたから。ようやく消耗しきって晴れて退会することができました。長かった。ふー。

お付き合いいただいたお友達の皆様、ありがとうございました!

これからも時々好きな子と映画館で遊んで、オマケで思い出まで持って帰ってきたいな。

個人的には特に『母性』と『怪物』は記憶に残る好きな映画でした。美術さんのお仕事なのかな?細かいところまでこだわりを感じましたし、背景がずっと綺麗でした。配役が素晴らしくて、最近はドラマや映画を観てこんな素晴らしい人が同じ時代に生きているなんて日本の未来は明るいなと涙を流すことが増えました。(怖)

それはそうと、わたしはまだ人生の映画と呼べるものに出会えていない気がするんだ。全然知らないの。好きな映画があったらこっそり教えてくれたら嬉しいです。
それって伸びしろで、無限にまだ知らない世界が待ってると思うとワクワクしちゃうよね。


大好きだったアイドルの女の子が引退する時、
わたしは最後の質問で「好きな映画を教えてほしい」ってお願いしたの。なんだかその子のことちょっとだけ知れるような気がして。気持ち悪いかな。

その場でちょっと考えていくつか教えてくれたんだけどね、後から「その作品を観て、もし君が傷付いてしまったら私も傷付いてしまうから、あんまり人に教えたくなかったんだけど、もう最後だから」って話してくれて、その優しさに涙が出てしまったけど。あまりにも好きだなあ。


わたしの人生がひとつの映画みたいにまとめられたとして、エンドロールには誰の名前が載るんだろう。母親は確定だから母親にもっと優しくして思い出作ろう。お盆には帰るよ。

來世

今日のBGM
エンド・ロール/転校生

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