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「1000万円の純金の茶碗」について思うこと。「買取価格180万円」と「転売スピード」について。

先日、高島屋内の「大黄金展」で起きた
純金の茶碗盗難事件ですが
あっという間の
スピード解決となりました。

この事件で何点か気になることがありましたので
同じ貴金属業界であり、リサイクル商品も扱う当社の見解を述べさせて頂きます。

1. なぜセキュリティが甘かったのか?

この大黄金展のイベント自体は10年以上前から全国各地で開催されており、軒並み盛況と聞いています、博物館のようにただ、展示しているだけならもっと警備を頑丈にすべきですが

このイベントは、催事です。

商売ありきで、イベントを開催していますので
当然、主催側のコメントであります
「接客に適した販売方法」に基づく展示方法でありますので
致し方ないのかなと思いました。
当然、保険の範囲内の展示方法だと思いますので

2. 1000万円の純金の茶碗がなぜ180万円にしかならないのか?

これが一番、気になると思います。
金相場は1g1万円を大きく超えて、今や13,000円に迫る勢いです。
この純金の茶碗が何グラムかはわかりませんが
大黄金展程の規模の展示会となると
広告費や場所代、人件費
さらに、職人さんの技術料などに
利益が加わりますので
大体、金相場の2.5倍位の価格設定だと思われます。

従って
販売金額が約1000万円でしたら
三分の一の約400万円
これを盗まれた日の金相場で割ると
約320グラムの純金であっただろうと考えられます。

そして、ニュースをみてましたら
正確な数字が出ておりました

1060万円で
380グラムとの事です。

純金380グラムですから
盗まれた日の金相場が12,500円とすると

475万円ほどの資産価値

があったはずなんです。

それが180万円にしかならなかった事が
正直、同じ業界にいる側にとって
ショックな話になります。

なぜそんなに安いのか?
答えは簡単です。

報道にあった江東区の買取店に

完全にゲソられたからです

ゲソるというのは下品な言葉かも知れませんが
いわゆる「うまく騙された」という表現が近いのかも知れません

買取業界は、ものを買い取る立場ですので
出来るだけ安く買えれば、売った時に利益が
出ます。

反対に高く買ってしまえば、売った時には利益が減るわけです。

なので、買取屋さんは
出来るだけ安く買いたい為に
色々と作戦を練るわけです。

それでも消費者は
金相場は1万円を超えているという認識があり

また、周りにも買取屋さんや質屋さんなどの競合があれば

簡単に、安く買えない状況なんです。

そんな中
この純金泥棒は
お茶が飲みたかったのにも関わらず
一刻も早く、現金にしたかったんでしょうね

そんな、一刻も早く現金をという状況は

買取屋さんにとって

思う壺です。

おそらく
この事件を知ったのが
その直後なのか?はわかりませんが

おそらく
挙動不審な男が突然
純金の茶碗を持ってきたわけですから

一番安いコースで話を進めて買取した
んでしょうね

これが、何軒も周ってる猛者な消費者であれば
おそらく買取金額は450万円位まではいけたはずです。

ちなみに、江東区の買取屋さんを検索すると何店も出てきますが、一回の取引で180万円を用意できる買取屋さんとなると、買取資金が豊富な買取屋か質屋かなと思われます。

いずれにしても
ゲソる買取屋さんには気をつけましょう。

➡追加情報です

・180万円というのは、200万円以下なら税務署に提出しなければならない書類を書かなくても済むという事で、万が一そこからバレるかも知れないと思ったのかも

・「江東区 買取」で検索して上位に上がってきた買取屋さんに売ったらしいので、上位に上がるような広告費を払ってる買取屋さんが濃厚

4.なぜ江東区の買取屋さんで買ったはずの「純金の茶碗」が、次の日には台東区の買取業者にあったのか?

この見解については、2つ考えらます。

ひとつは、すぐに現金化したかったからです


相場も高いですし、せっかくの300万円くらいになる儲けですので
すぐにでも売りたいはずです。

御徒町にいけば、専門の買取業者が山ほどあります。
地金が得意な業者
ダイヤモンドが得意
ジュエリーが得意
ブランドが得意
骨董品が得意
など
色々なジャンルのプロが揃っております。

今回は、その中のひとつであろう
地金が得意な業者に売りに行ったのではないでしょうか?

ちなみに私の知っている大手の地金業者の何社かではありませんでした。

それはなぜか?

答えは二つ目にあります

おそらく、怪しいものだと分かっていたので、警察に押収される前に売却したかった


たぶん、この答えの方が信憑性があります。
だいたいこの手の盗難品は、警察が来た時に証拠品として押収されます。

その時に、持っていたお店や業者が、犯人が捕まりなんらかの答えが出るまで

だいたい戻ってきません。

もしくは、盗まれた最初のところに戻るので、お金が帰ってくる確率はとても低いです。

そのため、買取したお店は
いそいで次の売却先を探すわけです。

そして、先ほど大手地金業者はではなかった理由は
当然、このニュースを知っていて

事件に巻き込まれる可能性があるから
触りたくなかったからになります。

それでも、御徒町のどこかの業者が買ったのは

・この事件を知らなかったか
・通常より安く買って、万が一のリスクを考えたか
・この業者もすぐに売却してしまおうと考えたが、すぐにバレてしまった

と推測されます。

いずれにしても
今回のような事件で、リサイクル業界って安いんだなと
思われるのだけは、避けたいところです。





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