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架空の先輩が転勤するときに送る手紙

先輩が転勤なさると伺ってから、毎日何度も、ご挨拶のお声をかけようとしましたが、お顔をお見かけするとどうしてもできなくて、お手紙を書くことにしました。

わたしが入社したとき、先輩はスーパーウーマンに見えていました。かわいくて、お仕事ができて、優しい。憧れでした。お話してみると更に面白い方でもいらして、非の打ち所がない様にびっくりでした。…ほんとですよ?

ヘルプを出すと先輩はいつでも笑顔で駆けつけくださって、本当に安心しました。わたしがどれほど焦心していても、呼吸を整えて落ち着かせてくださる穏やかさに、何度も助けていただきました。

先輩の補助となってからは、先輩のきめ細かな気配りに、驚いてばかりでした。どのヘルプにも必ず根拠となる資料を教えてくださったり、「頑張りすぎないで」とお声掛けくださったり。おいそがしいときは「いまは手が離せないの、ごめんね」と即座に仰ってくださるの、実はとても助かっていました(「もう少し、もう少しだけ待って」の言葉って優しいようで残酷なときもありますよね)。

今年の夏には、どうしたら体調を整えてお仕事を続けることができるか、ご一緒に考えてくださって、ありがとうございました。怒られると思っていたのに、寄り添ってご相談に乗ってくださったことが、嬉しかったです。

少し前、お仕事に行きたくない気持ちが続いていたとき、先輩だけが気付いてくださったことを覚えています。「おうちに帰ったらお仕事のことは忘れるのよ!考えちゃだめ!」と言ってくださる方は先輩が初めてで、驚くとともに、すごく心が軽くなりました。毎日、その日の失敗を持ち帰っては落ち込んでいた気持ちがスッと消えて、救われるような想いでした。いまも、帰り道に沈みそうになる度、先輩の言葉を頼りに、浮上しています。

先輩がいなくなってしまうことが、寂しいです。とってもとっても寂しいです。

でも、東京へいらっしゃると伺ったので、先輩の大切な人たちにお近付きになるんだと思うと、喜ばしいことですよね。(離れていてもチケット協力は厭いません、お気軽にご連絡ください!)

とりとめのないお手紙になってしまいました。長々とごめんなさい。先輩が大好きです、と伝わっていれば嬉しいです。

いままで、たくさんたくさん、ありがとうございました。

先輩の門出が輝かしいものとなりますように。

秋も一段と深まり、日毎に寒さが増しますので、どうか体調にはお気をつけて、お引越しなさってくださいね。

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