【実家の介護未満】井上陽水と空気の存在 2018.4.14
2023.8.31に父が亡くなって昨日告別式だった。母の供養のためのこのマガジンだけど、今は父の供養のために、父のことを書いた日記を遡ってシェアしてます。告別式までもろもろの準備中、父の好きだった井上陽水や八代亜紀をBGMにして聴いていたのだけど、昭和の歌い手さん、うまい!名曲揃い!告別式でもBGMで流した🎵今日の日記は、その井上陽水のエピソード。
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2018.4.14
「Sさんと井上陽水」
昨日はサンドイッチを買って両親の住む実家へ。
パーキンソン病で動きづらい父は、訪問リハビリを受けていて、昨日はその日だった。お昼を食べた頃に、理学療法士さんが来ることになっている。
実家に行くと、父が、CDデッキの前で「井上陽水のCDが壊れてしまった」と言って困っている。
CDを見せてもらったら、汚れが付いていたから、きれいに拭いて、もう一度CDデッキに入れてかけてみる。音が流れる。父はじっと聴いている。どうやら直ったみたい。
「陽水、いいね~」と言ったけれども、いつもどおりのノーアンサー。父は昔からノーアンサーなのである。
そして、驚くほどゆっくりCDをケースに戻す。その様子を、森の動物のようだなと思って見ていた。
するとしばらくして、
「Sさんも好きだから」
とぼそっと言う。
理学療法士のSさんは、30代独身のお兄さん。
週二回訪問リハビリに来てくれる。トレーニングの時に、最近は井上陽水を流しているらしい。
父は、いつもSさんが帰る時、野菜ジュースとお菓子をレジ袋に入れてお土産として渡している。
家に何もお菓子がない時は事前に、傾いた体で時間をかけてスーパーまで歩いて行ってなにか用意する。
お仕事の方は、あまりお土産などを受け取らないルールがあることが多いので、昨日、Sさんが帰る時「これをお渡しするのが父のこだわりなので・・・」と半ば言い訳して、お土産を渡した。
Sさんは、「いつもありがとうございます。おかげで僕、自分でも野菜ジュースを買うようになりました」と言ってくれた。好青年!
【大きな視点は忘れちゃう】
母の方はどうなってるかというと、自分の物忘れに絶望的になってしまっていた。
天気がよかったから、一緒に果物でも買いに市場に行って、帰りに公園をはしごして話をきいていた。話を聞くしかできないのだけど、、、。
そういえば、と、私の恩師にもらった本「神道のこころ」という本に書かれていたことを話した。
うる覚えだけれど、こんなことが書かれていた。
「みんなは太陽は明るくて暖かいと思っているが、本当はそうではない。もし太陽が明るくて暖かいなら、太陽から地球までの宇宙空間も明るくて暖かいはず。でも宇宙空間は暗くて寒い。
太陽の明るさ、暖かさを感じるのは、地球に空気があるから。空気があるから太陽の恵みを受け取れる。
神様の愛は宇宙に充満している。でも、そのままではその恵みが受け取れない。地球にある空気のように心に感謝の気持ちを持つことで神の愛を受け取れる。」
母は「なるほどね~」と言った。「そういう大きな視点に立つとわかるんだけど、普段そういうことを忘れちゃうのよね。」と言ってた。ほんとだね。と、思う。
公園のベンチに並んで座ってスケッチをした。母は樹を、私は遊んでる子供を描いた。絵を描こうとして見ると、子供たちはあまりにも常に動き回っていることに驚愕。そして体全体の使い方がうまいこと!!
カバー写真は「三時」、そして下は八重桜とプラタナス
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