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「君もフェスタに来ないか」

ヨハネ 7:51 「私たちの律法は、まず本人から話を聞き、その人が何をしているのかを知ったうえでなければ、さばくことをしないのではないか。」
ヨハネの福音書の7章からの話です。イエスはエルサレムで行われる仮庵の祭りにやってきていました。きっとイエスの話はエルサレム中に広がっていたでしょう。驚いたことに、イエスはエルサレムで説教をはじめました。それが、さらなる波紋を巻き起こします。「このイエスという男は何者だ」ということです。ある人たちは彼を「キリスト」と呼び、ある人たちは「悪霊につかれた男だ」と言っています。

仮庵の祭りというのは、ユダヤ人がエルサレムで祝う大きな3つの祭りのひとつと呼ばれています。2000年前にどのようにその祭りがおこなわれていたのか分かりません。現代の仮庵の祭りはこのようなものです。華やかで楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

しかし、イエスがエルサレムにやってくることは、ユダヤ教の指導者にとっては最悪です。イエスの教えに人々が惹かれていっているのです。ユダヤ教の指導者たちは、イエスを尋問する気だったようです。しかし、下役はイエスの話を聞き、指導者たちのところにイエスを連れてくる気にはならなかったようです。

そこで、出てきたのがニコデモという人です。クリスチャンの方なら、ニコデモと聞けば、同じヨハネの福音書3章16節の「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである」という言葉を引き出した人です。そのニコデモがユダヤ教の指導者たちに言います。

7:51 「私たちの律法は、まず本人から話を聞き、その人が何をしているのかを知ったうえでなければ、さばくことをしないのではないか。」

今、私は大阪の扇町公園で開かれているレインボーフェスタに来ています。レインボーフェスタというのは、「レインボーフェスタ!2022・関西レインボーパレードは、関西在住のセクシュアルマイノリティ、地域住民を中心に、日本各地、海外からも多くの参加者が参加するイベントです。」

私はLGBTQ+フレンドリーな教会をはじめました。LGBTQはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クイアもしくはクエスチョニングの英語の頭文字をとったものですが、LGBTQのあとに、プラスもつけました。人間のセクシャアリティはただオスとメスのように単純に二分できるものではあります。グラデーションがあり、性自認、性指向、性表現などが複雑に関連しています。しかし、人間の多くは、自分の性自認が男もしくは女。性指向性は自分の性自認とはちょうど反対になる人となります。シスジェンダーと呼ばれます。世界の文化が多様なように、人間の性、セクシャアリティも多様です。

保守的なクリスチャンは、同性愛や同性カップルの性行為は、罪である、いや最大級の罪であるかのように考えています。ある人たちは、性自認と体の性が一致しない人たちの性自認と体の性を一致させるための治療やカウンセリングが必要だと考えています。

今、このレインボーフェスタの会場には多くのセクシャルマイノリティの方がいらっしゃいます。ホントに色々です。実際の生活の中で、「私はセクシャルマイノリティです」というカミングアウトしている方々とお会いしたことはあまりありません。今日は、いろいろな方にお会いできるのが楽しみです。

人に会うと、私たちは何かしらの感情が沸き上がります。「良い人だな」「楽しい人だな」「嫌な人だな」とか考えます。様々な性自認の方にお会いしてきましたが、今日は様々な性表現をする人たちとも出会います。その時、今まで出会ったセクマイの方々とは、違う感情が沸き上がってくるかもしれません。

大阪周辺のクリスチャンの皆さん、是非レインボーフェスタに来てください。特に、セクマイは罪だと考えているクリスチャンの方、是非来てください。あなたのその考えを変えようとは思いません。でも、セクマイの方々の話を聞き、話し、セクマイのひとが何をしてみませんか?セクマイの人が、マジョリティよりも素晴らしい人たちであるとは限りません。しかし、もし、LGBTQというだけで断罪され、地獄にでも行くように言われたとしたら、洗礼をうけたクリスチャンと称しているにもかかわらず、信じられないほど高慢な人々はどうなるのでしょうか?

プロテスタントのクリスチャンは、「イエスを信じるだけで救われる」と言います。しかし、本当はイエスの何を信じたか、イエスをどう信じたか。ある行為や考え方を罪だと考えているかどうかをことさらに問題にします。「イエスを信じる」だけでは十分ではないかのように、数々の踏み絵を用意してくるのです。

人間は物ではありません。それぞれにはそれぞれの人生があり、その人生を通して、私たちは世界を見ていきます。その人生の物語が、神の物語と結び合い、私たちはクリスチャンとなり、成長していきます。ニコデモは、イエスの噂だけを聞き、断罪しようとするユダヤ教の指導者たちに言います。
「私たちの律法は、まず本人から話を聞き、その人が何をしているのかを知ったうえでなければ、さばくことをしないのではないか。」

再度言いますが、あなたの聖書理解変えようとは思いません。しかし、まずはここにきて、LGBTQの方の話を聞いてみませんか。何が特別な人たちではありません。しかし、マイノリティとして、人生の中で心の痛みを感じ、傷をおっている方も少なくありません。

クリスチャンのすべきことは、その方々の人生に耳を傾けることです。あなたの人生を押し付けることでありません。私はこのあと、パレードに参加します。セクマイの皆さんと人生の喜びを分かちあいたいと思います。そして、同時に奇異な目にさらされる時でもあります。この時こそ、セクマイの皆さんのストーリーの一部を自分のものとして、経験するときでもあります。
クリスチャンの皆さん、レインボーフェスタに来てください。自分で体験してみてください。人と話を聞いてください。LGBTQは罪だ裁くなら、まず話を聞いてからでも遅くはないでしょう。

私は大阪市の扇町公園のレインボーフェスタにいます。ここでお会いしましょう。

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