見出し画像

ミニマリストになりたい

 今日の絵画はロートレックの作品。
 実はタイムトラベルは確立されているのではないかという説があるのはご存知だろうか。歴史に残っている多くの作品や写真では、タイムトラベルを示唆するようなものが多く存在する。
 この作品もその一つで、タイムトラベルしたストレッチマンを描いたものではないかと言われている。
 ロートレックが活躍していたのは1890年前後であるため、当時の人々からすればストレッチマンの姿は異端なものだったであろう。珍しいものとして画題にしたと考えられる。
 絵画嘘知識はここまでにして本題に入る。

 

ミニマリストになりたい


マジで。

 というのも、家具をそろそろ変えようと思い、大掃除の真っ最中なわけだが、いかんせん物が多すぎてお話にならない。
 普段生活しているとじわじわ物が増えていくため、“物で溢れている“ということに意外と気付けない。
 だがきっかけを与えられると、急に物が溢れている実感に襲われ、窮屈さをまざまざと思い知らされる。
 ここ数日でかなりの物を処分したが、それでも(バナージ・リンクス)身体の奥底から込み上げる“物捨て衝動”が煮え立っているのを感じる。

 インスタなどでよく見かけるミニマリストに憧れを抱くのは初めてである。
 床で玄米啜って寝るだけの生活をしているような、ただ物がないだけのクソバカミニマリストは論外であるが、一般的なミニマリズムに即した生活は悪くないと感じ始めている。
 SNSで発信をしている自称ミニマリスト男たちは大体マルジェラのミニウォレットとイソップを武器に女を食べたいだけの無印良品男なので気をつけていただきたい。

 話が逸れたが、実際物が少ない生活というのは理にかなった点がある。特に洋服はそのいい例だろう。
 スティーブ・ジョブスやマーク・ザッカーバーグなど、海外の成功者には同じ服を数枚所持しているだけの人間が多く存在する。
 前者の場合は日本の工場を見学した際に従業員達が全員同じ作業服を着て働いているのを見て「かっけえ!」と思い、Appleの社員たちに「みんな同じ服着て働こうぜ!」と提案したところ却下され自分だけそれを貫いたという背景があるのでここでは例外だが、後者の場合は理由がある。
 マークは、普段の生活で考えなければならないこと、やらなければいけないことが溢れているため、“服を選ぶ”という行為にエネルギーを消費したくない、という理由で同種の服のみを所持しているとのことだ。
 学生時代を思い返すと、確かに制服というのは楽だったなと感じる。
 朝起きてダラダラと準備をしても、服を選択するというフェーズがなく、時間を他の行動に使うことができるというのは無自覚のうちにそのエネルギー消費の削減の恩恵を受けていたのかもしれない。


 あゝミニマリストになりてえ。洋服は数着のみ。丈夫な体を持ち。欲はなく。決して怒らず。いつも静かに笑っている。たまに二郎を食べ。アイドルの現場に行き。アニメのフィギュアを並べ。気になった家電はとりあえず買ってみる。CELINEの洋服を買い。GUCCIの鞄を幾つも買う。熟考せずにAmazonでポチり。爆量の酒を買い消費しきれず家に置き。ウォーターサーバーの水を溜め込む。
そういうものに私はなりたい。
(逆宮澤賢治)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?