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ボロ衣の様に

※雫貴ではない、ほかの人格が書いています。通称Kと呼ばれています。

風呂に浸かろうか、悩んだ
でもそれは僕の役割じゃない

僕は 何しようとしていたのか。

雫貴が小さい頃に、母が持っていた高そうな、特別のようなアクセサリーの箱を違う日に許可を得て何度何度も開けて、アクセサリーや指輪を見ては綺麗だなあと思った記憶が不意に思い出された。今となってはそれをもう一度みる事は叶わないことだ。しかしそれだけ雫貴は母のアクセサリーを羨ましいと思っていたのだろう。純粋にいいなあと。子供ながらに。綺麗だと。
自分は何も持っていないから。何も与えられず、何も買って貰えずいた。

兄のお下がり。たまに着せられるワンピース。水色と白のストライプのワンピースを着せられて祖母と母は嬉しそうにしていたことを、今でも覚えている。女の子らしい格好をさせてやれて、微笑むのだ。タダの自己満足だろうに。物心ついた時から兄のお下がりを着せられて、性別がアベコベであるこのこの気持ちなんて、分かろうとも気づきさえしなかった。この子が隠していたことさえ疑わなかった。

ああ、イラつく。こんなことは書きたくないけど、記録として残しておきたい。だから許して欲しい。

僕が表に出ている時に雫貴の記憶が流れ込むのは珍しかった。僕とアレはそれほどに違う。すれ違っているただの他人だ。同じ身体でも、解離してる僕は違う。僕との解離は少し異質だ。だから他人だと僕達はいう。それでいい。それが性に合っている。

ひとりでいい。独りがいい。そうずっと思っていた。
雫貴に味方はいない。それでよかった。孤独のままで。
服のサイズが合わないものを着せられる。兄と同じを求められ、同時に女の子を望まれる。いつもおかしいと友達はいい、先生は哀れんだ。だからおかしくなるに決まってるだろ。

今は流石にそういうことから離れて、ゆっくり過ごしている。


うん、それだけ。
自分の物がないのは、悲しかったって言うのを記したかったのかな。よく分からない。

今日ももう少しで終わる。
おやすみ。

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