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[ネタバレ] FF16 エンディングについてまとめと考察

前回の記事に加えて勢いで書いている。
各所で話題になっているエンディングについて、思うところを書いておく。
巷では、主にクライヴやジョシュアは生きているのかという点で盛り上がっている。個人的な結論(という願望)は最初に書くが、ここでは盛り上がるのに使えそうなネタをピックアップした。
アルティマニアが9月に発売され、多くの情報が明らかになるかもしれない。

自分なりの結論(という願望)

クライヴは生きており、後に「ファイナルファンタジー」という叙事詩を書いた。
クライヴによって語られる冒頭とエンディングのモノローグはその本の書き出しと締めくくり。

なぜそう考えたかは ゲーム冒頭・エンディングのモノローグ の項で。
願望と書いたのは、そう読めるが明示されていない内容を含むため。

前提

  • ハルポクラテスのレベルは7

  • 全編通した英語台詞の確認ができているわけではない

  • 開発チームは必要な情報については描写している(という信頼)

設定を作るということが好きな開発チームであることから、好きに解釈して良いという結果を含め、必要な情報がゲーム内外で出ていると仮定して進める。ハルポクラテスのレベル8にした時のとっておきをまだ読めていない。

描写が存在する事実

アルテマを撃破したのち、その力を吸収して理の破壊を試みた

クライヴ(プレイヤー)はアルテマを撃破し、その力を吸収した。
その力はアルテマが敷いた理を破壊するために使われる。
取り込むシーンとクライヴの以下のセリフから事実として扱う。

アルテマの力は大きすぎて 俺ひとりの手には余る
・・・だが これなら
奴がつくった世界の<<理>>をーー
焼き尽くすことができる
ベアラーもドミナントも クリスタルも魔法も・・・
すべてを灰に返そう
たとえこの身が 砕けようとも・・・!

ストラスの羽根ペン

クライヴは決戦前のサブクエストでハルポクラテスから羽根ペンを譲り受ける。全て終わったらペンを取って今までのことを書き残して欲しいとハルポクラテスから告げられた。

ハルポクラテスから譲り受けたストラスの羽根ペン

ジョシュアについて

フェニックスの力をクライヴに託したジョシュアは、最後に胸の傷をクライヴに治された。
エフェクトから、フェニックスの力を使ったと考えられる。
また、フェニックスの力は傷は治せても人を生き返す能力がないということはゲーム内で明示されている。

Ambitionトレーラーの描写

AmbitionトレーラーにはエンディングCパートで登場した「ファイナルファンタジー」(著者: ジョシュア・ロズフィールド)が登場する。
また、語りはヴィヴィアンによるもの。

仮定を含めた考察は次項に譲るとするが、Ambitionトレーラー最後のシーンで羽根ペンが映る。ただし、残念ながらこれはストラスの羽根ペンとは台座が異なる。

Ambitionトレーラー最後のシーン

トレーラーのリンクは以下

「ファイナルファンタジー」に記載された内容は有志によって解読されている。内容は検索していただければ良いが、記載の内容はヴァリスゼアの地理・環境・文化や、召喚獣から人物に至るまでの情報が記載されている。
気になるのは物語調では記載されていない(ように見受けられる)点。

ジルのサブクエスト「白銀の君」

決戦前のサブクエスト「白銀の君」は、この物語にあって非常にハートフルな内容だが、クリアしたのちにジルに話しかけると次のような会話を聞くことができる。

会話シーン1
会話シーン2

エンディング描写

クライヴ

アルテマから得た力を使って<<理>>の破壊を試みた後、クライヴは海岸に流れ着く。(海岸の場所は不明、月の見える角度からあまり突拍子もない場所ではなさそう)
指先が若干石化している状態で、小さな火の魔法を使う。次のカットでは手首付近まで石化している。
ただし、クライヴが話し終えるまで顔の周りまで石化が及んだ様子はない。
クライヴは最後に目を閉じる。

ジル

エッダの出産を喜んだのち、何かに気づいた様子で月を見上げる。
メティアが明滅し消える。それを見て涙を流す。
デッキで朝日が昇るのを見て微笑む。

ガブ

 エッダの出産を喜んだのち、外に駆け出すジルを見て涙を流す。

この子はきっと・・・人の世界を生きていく・・・
ふたりの<<シド>>の・・・想った世界をな・・・

Cパート

魔法は古いおとぎ話。黒髪の兄とブロンドの弟、犬。何より黒髪の兄に対して優しそうな母親。別に生まれ変わりとかいうつもりはない。
前回の記事でCパートが外の世界だったらと願望を書いたが、花々は完全にロザリアの庭園と一致する。植生には気を遣ったといっているから参考にして良いだろう。

エンディングCパートの花々
ロザリア城庭園の花々

また、珍しくほとんど英語と日本語が同じかと思いきや、英語ではフェニックスという単語が出てこない。
以下拙訳。
「僕がイフリートね!」
「えぇ、兄貴は俺だぞ?」
「だってバハムート(犬)がそう言ってるもん」

イフリートとバハムートという単語を出しておきながらフェニックスという単語を出さないのは不思議に感じた。

いくつかの仮定と推測

エンディング描写をどう捉えるか

エッダの出産。
子が産まれるというのはこの物語にとって希望として描かれている。
なお、英語台詞を聞くとわかるが男児
女児ならクライヴにもジョシュアにも希望が持てるが、ちょっと対比されているようでネガティブに受け取れる。

ジルのリアクション。
一見ポジティブには見えない。ちょっと微笑んだのはなぜ?という疑問をネットで見かけたが、前述の通り雲が晴れたらふたり笑顔で空を見上げるの、と話したから。

ガブの台詞の解釈は少し悩ましい。
ジルの様子とこの台詞から、クライヴがやってのけたということは理解したのだろう。
ただし、あまり喜んでいる表情ではないことと、過去形になっていることがプレイヤーにネガティブな印象を与えている。

(日) この子はきっと・・・人の世界を生きていく・・・
ふたりの<<シド>>の・・・想った世界をな・・・
(英) The world's yours now. Yours to do with as you please.
That's what Cid wanted. That's what they both wanted. 
注) 英語台詞の"both"はイタリック表記 

注目すべきは日英ともに(二人の)シドという単語に重きを置いていること
二人の<<シド>>って言った方が台詞回しがかっこいいって?それはそう。
当然ここでの"both"は初代シドとクライヴを指す。
クライヴに生きていてほしいという立場のために、少し強引にポジティブに解釈する。
クライヴの方はあくまで意思を引き継いだ役割としての<<シド>>を指して、クライヴそのものではないという考え方。
作中において普段からガブはクライヴに対して名前で呼んでおり、<<シド>>を使うときは必ず隠れ家での役割を指すときに使う。
よって、アルテマとの決戦に勝ち、世界を取り戻したことを指して<<シド>>としての役割を終えたことを表しているという解釈。

余談だが、ゲーム全編通して、託した者・満足した者は死ぬという要素がある。
シド、ジョシュアはクライヴに託し、ディオン・バルナバスは満足して逝った。ジルだけはまだ先にやりたいことがあり、その進行形のため生きている。
(それにしても、ディオンの贖罪は民に向けて行われるかと思っていたが、まさかパパへの思いがそれより強かったということには驚いた。)
ではクライヴはどうか。
ジルとのサブクエストで先の約束をしたことで新たな先の目標ができている。サブクエやったら別のエンディングが、と各所で言われていたのもこう逝った背景があるからだろう。
クライヴの最後のセリフ、「綺麗な月だな・・・ジル・・・」は対応する英語台詞が「Can you see it, too, Jill?」であり、ちょっと満足してしまった感が出ている。

ゲーム冒頭・エンディングのモノローグ

仮定のキモ。というか最初の結論で書いた通りもうここだけで良いと思っている。
これはクライヴによって語られる。

歴史学者モースの筆録に こう記されている
クリスタルの加護を受けし大地 ヴァリスゼア
大地に鎮座するマザークリスタルは
人々を繁栄に導いてきた
しかし いつしか芽生えた人の自我は
自らを惑わせていく
クリスタルをめぐる探求の旅は
今なお 続いているのだ

ゲーム冒頭のモノローグ 

こうしてーー
クリスタルの探求をめぐる探求の旅は終わった

エンディングのモノローグ

このモノローグはいつのものか?
冒頭のモノローグで、人の自我といった単語が出てくることから、最序盤ではないことがわかる。
しかし、"今なお 続いているのだ"という現在進行形で書かれていることから、全てが終わった後というのも考えづらい。
そして、エンディングの方では"旅が終わった"と過去形にしている。
クライヴがリアルタイムの内容として話すには、文章の時系列からストーリー中に入れ込むことが難しい。

これをどうやったら解決できるか。

そう、物語にしてしまえばいいのだ。
とすると、これは「ファイナルファンタジー」という叙事詩の書き出しと締めくくりではないか
そうすれば書き出しは読み始めなのでクリスタルの旅は現在形として進み、読み終えた最後はクリスタルの旅は終わったという完了形で記述することができる。
クライヴが語ることは執筆者を意味し本作のプレイ中はクライヴが思い出し、執筆している様を追体験している、もしくはAmbitionトレーラーのようにヴィヴィアンが読んでいる、と考えると非常に収まりが良く綺麗。

Ambitionトレーラーで解析された書かれ方からは叙事詩ではなく歴史書や図録のような印象を受けるという点については若干疑問は残るものの、
聖女と使徒(マドゥの話)と同様、未来の子供達が真似をするくらいには楽しんで読める本なのだから、きっと物語なのだろう

終わりに

ジョシュアが死んだ仮定すると、ジョシュア・ロズフィールドの名前を使えるのはクライヴだけだろうとか、
ディオンは飛竜草を置いていったが、クライヴはジルからのお守りを飾らずに持っていったとか、あれこれ付け足すことはできるがあまり意味をなさない。
前の記事でも書いたけど、最後の最後、その瞬間だけご都合主義であってもご褒美があっても良いのよ。
ファイナルファンタジーなんだもの。

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