スパルタン！な猫の教育
産まれた子ネコが走れるようになったとたん、母ネコの英才教育が始まった。それは、生き残る力を育むための超スパルタ教育だった・・・
筆者がまだ高校生だったころ、トンキーズのメスネコを飼っていました。
当時はシャムネコだと思っていたんですが、
後々トンキーズという別種だと知りました。
ペットショップで購入したのではなく、たまたまうちに流れ着いて、
かわいいから餌をあげていたら居ついてしまったのです。
シャムだと思っていたので、「チャム」と名付けました。
うちに来てしばらくして、チャムは子ネコを４匹産みました。
その子ネコたちが少し大きくなって、走れるようになったとたん、
母ネコによる超英才教育が始まったのです・・・
家の中を駆けまわる音が響きます。
４匹の子ネコが、全力で走り回っています。
それを鬼の形相で追いかける母ネコ。
その目つきは、完全に獲物をロックオンしたライオンのものです！
足が遅くて母ネコに追いつかれた子ネコには過酷な指導がまっていました。
母ネコは子ネコの１匹に追いつくと、
①前足で子ネコの後ろ足を払い、転倒させる
②両前足で子ネコをがっちりキャッチ！
③両後ろ足で容赦ない連続ネコキック！
④子ネコの頭をガブガブかみまくる！
名付けてチャムスペシャル！
全身の武器、その全てを使ったまさに奥義！
捕まった子ネコに、容赦なくその奥義を叩き込みます！
響き渡る子ネコの悲痛な鳴き声・・・
少し離れたところでその様子をじっと見つめる他の３匹・・・
「つかまるとああなるんだ・・・」
ひとしきりぶちかましてから、母ネコは子ネコを放します。
解放された子ネコはニャ～ニャ～泣きながら兄弟たちのところに
走り寄ります。
子ネコたちは母ネコから目を離しません。
ゆっくりと起き上がる母ネコ・・・
「フンッ！」と鼻を一つ鳴らすと一言、
「GO！」
それを合図に、はじかれたように子ネコたちが走り出します！
再びそれを追う母ネコ。
捕まった子ネコの悲鳴が響く・・・
これが連日、延々と繰り返されます。
そう、なにを隠そう、チャムは一流のハンターだったのです！
野良で生きてきたからか、それとも、洋ネコの特性なのか・・・
ネズミ、モグラ、スズメ、カエルからヘビまで・・・
チャムは獲物を狩りまくる超肉食系ネコだったのです！
正面を見据え、肩を入れてノシノシと歩く様は、
まさにライオンやトラのごとし！
チャムが来て以来、我が家の半径５０ｍ以内から、
ネズミやモグラが一切いなくなりました。
ご近所から感謝されたくらいです。
そんな母ネコなので、子ネコも一流のハンターとして育てるべく、
英才教育を施していたのでしょう。
文字通り身をもって・・・
そうして鍛えられた子ネコたちは超元気！
夜中でも家じゅう走り回って安眠を妨害します。
邪魔されないよう、階段に少年ジャンプを１０冊ほど積み上げて
壁を作りましたが、子ネコたちはたやすく飛び越えて、
２階の寝室へ侵入してきます。
母ネコの前で４匹の子ネコがじゃれています。
なにかの気配を感じたのか、
５匹がいっせいに一点を見つめます！
母ネコはもとより、子ネコたちもすぐに飛び出せる体勢がとれています。
生後１ヶ月も経っていないというのに、
すでに漂う肉食獣の風格・・・
「ディス！イズ！スパルタンッ！！」
映画「３００（スリーハンドレッド）」の
レオニダス王の叫びが聞こえてくる気がします・・・
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