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時計と私とフィンランド

美しい森、湖
シンプルで洗練されたインテリア
素朴で温かい人々
幸福度の高い暮らし

いつしかフィンランドは
私にとって憧れの国になっていた。

絶対に自分の目で見て感じたい!

その想いを胸に
ついに今年の夏フィンランドへ
行くことができた。

じぶんの中で期待のハードルが
上がりすぎていたけれど
心配無用。
フィンランドはそれを軽々と超えてきた。

やっぱり心底素敵だな、
すっかり惚れ込んでしまった。

後ろ髪をひかれつつ
1週間の旅を終え、帰路に着く。

飛行機の着陸が近づき
機長アナウンスが東京の時刻を告げている。

ふと手元の腕時計をみると
時計はまだフィンランドの時を刻んでいた。

戻したくない。
東京の時間に戻したくない。
手が止まってしまった。

身体は東京に戻ってしまうけど、
せめて時計がフィンランドの時を刻んでいれば
少しだけでも繋がっていられる気がしたのだ。

帰国して半年。
私の手元はまだフィンランドと繋がっている。

正直すごく不便だ。
時間を確認確認したくても
フィンランド時間から逆算せざるを得ない。

でも時計を見るたび
お、あっちは今はまだ朝か、
やっと夕方か〜そろそろ帰る時間かな

フィンランドに少しばかり意識が飛ぶ。
少し大袈裟だけど
一緒に現地を生きている気がする。

正確な時を刻んでない腕時計。
社会人としては多分失格。
だから、これは私だけの秘密だ。

時間を知らせる以外に
時計にこんな力があるとは知らなかったな。

また絶対に行くんだ。
その日を夢見て私は今日もこっそり
フィンランド時間を生きている。


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