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アトピーを治してくれる医者は神か?!一般的な医者との違い

私たちアトピーの患者にとって、特に頼りになる医者とはどういう医者なのでしょうか。世間では、その先生を訪ねて直接診察をしてもらおうと、予約を入れて、何週間・何か月と順番待ちをする人もいます。


近くで見てもらえる皮膚科の先生と、何が違うのでしょうか。そこでしか受けられない治療があるのでしょうか。


実は私は、重度のアトピー症状で入院の経験もあるのですが、人の紹介で住んでいる場所から遠くの病院にわざわざ行った事もありました。わざわざ行ったその病院では、その先生の独特の治療方法が行われています。


でも、おかしいと思いませんか?アトピーの治療方法が、医者毎に違うのです。

アトピーの名医と一般的な町医者との違い

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私達は最初、皮膚に出た痒みや湿疹が苦痛になり、病院にかかります。そこでアトピーだと言われ、軟膏を出されることがほとんどでしょう。その軟膏を使う事で、症状がすぐに収まったり、薬を塗らなくても再発しない場合、治療は終了だと思います。


また、症状は繰り返し出ても、薬を塗る事や、十分な休養をとる事で、痒みや湿疹が収まれば、アトピーでも軽度で収まっている範囲で生活に支障はほとんど出ません。


今回は、それよりも重いアトピーで、痒みが慢性的になり、眠れないとか集中できないとか、肌もボロボロになって薬でも中々治らない場合に、掛かりつけの皮膚科での話です。


そうなった場合、大概の人はすでに不安が大きい状況で病院にかかります。しかし、最初に皮膚科にかかってから既に時間が経過していて、言われた薬を付けているのに治らない事により、不満も溜まっています。


不安と不満をその段階で医者にぶつけても、中々短時間の診察では、納得のいく説明や処置がされない場合があります。近所の皮膚科では、軽度のアトピーに対しては、とても便利に利用できる存在ですが、慢性化して生活にも影響が出るようなアトピーには、向いていないのです。


では、アトピー治療の名医がいる病院はどうでしょうか。大概の場合、予約を入れてからの受診でないと診てもらえません。場合によっては何か月も待つ場合もあります。


しかし、診てもらえる時は、たっぷり時間をとって、細かい所まで診てもらえたり、話を聞いてもらえたりします。既に困っていて受診している私達からしたら、話を聞いてもらえただけで、ホッとする人もいます。


正直、治療の方法は何であっても、ここまでの対応の違いが「良い先生」と「悪い先生」の違いになっていたりします。必ずしも町医者が悪い訳ではありません。


町医者でも、たまたま空いていて、沢山話を聞いてくれて、薬についての説明が丁寧になると「良い医者」と言われたりもします。治ったか、治ってないかが、関係ない場合も多い。

神と言われる医者ですら、方向性が違う

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名医と呼ばれる先生の中には「神」と言われるような先生もいます。有名になるには理由があると思い、何人か調べてみました。


名前を上げさせてもらうと、大阪阪南中央病院の佐藤先生という人がいる。佐藤先生はとても慕われている。その理由が知りたかったので、先生のHPを見に行った。そして、過去の掲示板の記事をすべて読んだ。

なんだ、この先生!神じゃん!!

全くお金にもならないような個人の書き込みに対し、ものすごく時間を使って、先生がアドバイスできる範囲コメントをされていた。


中には、”こんなの診てみないとわからんわ!”って思う内容にも丁寧に、病院に来るように案内を書いたりする。


ステロイドの治療を続け、ステロイドが効かなくなってきた自分に怖くなり、自ら脱ステロイドに踏み切って失敗し、先生の所にワラおも掴む思いで質問する患者に、真剣に向かい合う先生が見て取れました。


そして最近私がTwitterで繋がっている友人に、阪南中央病院にリアルに入院中の人がいて、病院での生活も色々教えてくれている。佐藤先生や看護師さんのとても丁寧な対応で、私の知り合いは心も体も回復中だ。


佐藤先生の治療はステロイドを使わない。保湿剤も使わない。アトピーの人の肌は保水能力が低いのでカサカサだ。水分が抜けてしまうので、沢山水分が必要だが、佐藤先生は水分の制限までする。もちろん、病院での管理の下、安全にだ。


ステロイドの治療に疑問を感じ、自分の判断で脱ステ脱保湿に踏み切って、一向に快方に向かわない患者に対し、ちゃんと脱ステロイドをさせてくれる、日本では数少ない医者だ。


佐藤先生が、名古屋市立大学にいた時の研究論文を拝見したが、佐藤先生は元々、アトピーの治療でステロイドを使う場合と使わない場合の研究を長くされています。その経験からの理論で治療をされていると思います。


ネットの口コミには色々あるので、佐藤先生のやり方には批判もある。しかし、強い指導者というのは、強い信念と牽引力も必要だと思う。


もう一人、京都大学医学部准教授の大塚先生です。


大塚先生は2020年に入ってから2冊の本を出され読みましたが、「この先生、言い難い事を良くここまで書いたなぁ・・・ バッシングや仕事もやりにくくなるのに」という感じで、正直な先生なんだなと思いました。


大塚先生の治療は標準治療、いわゆるステロイド軟膏の塗布と保湿です。ただし、その説明をする前に、現在のアトピー治療や過去の自分に対して謝っている。


大塚先生の著書の最初の方は、謝罪だ。もう一冊の本の見出しは「医者の言葉に傷ついたことがありませんか?」だ。


私達は、同じアトピーの患者であっても、生活環境も仕事も違う。出ている症状は似ていても、やれる治療方法は違ってくる。


だからそれぞれが、今の自分で出来る治療を探している。身体が良くなる方法を知りたい。そんな患者の願いに対して、大塚先生は患者に向かう姿勢が他の医者とは違った。言葉がとても丁寧で、足りない自分に対して「申し訳ない」と謝っている。


そして書籍では、一個一個、本当に丁寧に説明をしている。標準治療に不安を感じた患者に対して、説明責任を果たすかのように。


大塚先生はTwitterもやっていて、直接やり取りをした事はないが、他の先生たちとも絡みながら、学会の情報なども流してくれている。これも何のお金にもならない事だ。


いや、露出を増やす事で本の売れ行きが変わるのかもしれない。・・・でも、よく考えれば、普通に医者をしているだけでも、一般人に比べたら十分良い生活が出来るわけだ。


お金が目的の医者が、出した本の冒頭でパフォーマンスで患者に謝るだろうか。そんな事はしない。


現在も現場に出ておられるかは不明だが、情報を広く取りいれたり、新しい情報にアンテナを常に張っている勉強熱心は人である事は、間違いないと思う。私は単純に、いい先生だなぁと思った。

医者に対して思う事

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本来は医者には、私達一人ひとりに向き合ってほしい。佐藤先生や大塚先生が特別な存在ではなく、私達にとっての信頼できる先生というのは、そういう先生だと思う。


この二人の先生の用いるアトピーの治療は真逆だ。でも共通して言える事は、アトピーの人に正直な事だと思う。


私は、お二人には診察してもらった事がないが、こういう先生になら、自分の裸をすべて見せたい。(見たくないと言われるだろうが)


そして、仮にこの二人の先生の治療では、私のアトピーが完治しなかったとしても、先生への信頼は揺るがないと思った。


患者の中には、ひねくれた物の見方をして、アトピー患者がいなくなると儲からないから治さないのだとか、薬を売るために製薬会社と繋がっているとかいう人もいる。私はそうは思わない。


私のアトピーには、私のアトピーだけの治し方があって、医療だけではない、食事や運動、仕事やストレスなどの問題がある。だから、この二人の先生であっても、完治させることは困難な部分もあるだろう。


現に、佐藤先生の阪南には、リピーターも多い。入院し改善するも、実生活に戻る事でまた悪化するのだろう。それは完治ではない。でもそれは病院のせいでも佐藤先生のせいでもない。入院患者が改善し退院していくまでが佐藤先生の仕事だからだ。


退院後は、自分達でやっていくしかない。だから入院中は身体を良くすることが、自分に与えられた仕事になるけど、退院してからの事も考えて、ちゃんと準備し勉強する必要がある。


通院の場合も同じだ。大塚先生の所であっても、近所の皮膚科でも同じことだ。薬に頼りきった治療ではダメなのです。見直すべき所は、自分達の中にあると思う。医療的な部分で、もっと知りたい事や疑問に思う事は、どんどん聞けばいいと思います。


アトピーの患者と医者の対立構造を作っても、何の得もない。私達アトピーは、私達よりも体の事、アレルギーの事、アトピーの事に詳しい医者を、しっかりを利用したら良いと思う。(大切なお金と時間を使っているのだから)


近所の皮膚科の先生方も、いつもの診察の中で出来るだけ時間をかけて、我々アトピー患者に指導をしていただければと思います。


一言添えてくれるだけでも良いのですよ。「ストレスとか、どう?」とか「最近暑くなったけど、大丈夫?」とか。私たちは、薬を選びに行っているのではありません。


ちなみに、私のアトピー治療の神は、旧土佐清水病院(現 土佐丹羽クリニック)の丹羽先生だ。丹羽先生も患者に向かう姿勢は半端ない。講演会で、6時間もずっと立ちっぱなしで喋っているおじいちゃんを、初めて見た。是非長生きしてもらいたい。

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