見出し画像

アトピー性皮膚炎の人には合わない仕事

私はアトピーで40年以上治療をしてきましたが、いくつかの仕事をしてきて、「これはアトピーの身体では結構厳しいなぁ」と思う仕事がいくつかありました。


私にはアトピーの知り合いも多いので、その人との会話の中からも「この仕事はやばいね」という話もよくしていたので、今回はその話をします。


今現段階で、アトピーの持病があるけど、仕事を探しているとか、今は仕事をしているけど、アトピーでも働きやすい仕事を探している人には、参考になると思います。

アトピー性皮膚炎の人には合わない仕事

私の自身の経験と、アトピーの数名の友人の経験談なので、「絶対この仕事は無理!」というつもりは無いです。今その仕事をしている人がいたら、それはとても素晴らしくて、本当にすごい事だと思う。尊敬します。


きっと数知れずの苦労もあるだろうから、身体に気を付けてお仕事頑張て頂きたい。もしお話を聞かせてもらえるなら、どんな事で苦労をしているのかも、お話頂ければと思います。では合わない仕事の例を紹介します。

①飲食店

画像1

私は学生の頃、飲食店でバイトの経験があるが、大きく分けてフロア業務と厨房側の2つがあった。飲食は両方ともキツイ。


フロアのキツさは、接客にある。案内やレジ、オーダーを取るにもすべて対面になるので、客から視られる。アトピーの症状が重ければ重いほど、顔に出ていれば出ているほど、客から不安げな目で見られたり、心無い客からは文句も言われた事がある。


厨房側では客に会う事はない。厨房専属になる事で、客の目に晒されることは無く、心の負担は減る。しかし、厨房での仕事で多いのが水を使う作業だ。私が辛かったのは、調理よりも皿洗いとか清掃業務だ。


洗剤も使うので、せっかく平日気を付けてちゃんと薬も塗って生活していたのに土曜日の夜のバイトだけで、一気に手の皮がめくれ上がった事があった。バイトで稼いだお金で病院代を支払う。何のために働いているのか、解らなかった。

②水商売

画像2

これは私の友人の話だ。友人はバーテンダーで、お酒を出す店で働いていた。田舎のバーなので、客も知った人が多いと言っていた。小さな店であったが、飲食店と同じように、洗い物は出る。


お酒を飲むグラスは、キレイに輝いていないといけない。洗剤も使うし、グラスは念入りに洗う。だからとても手が荒れていた。


そして、常連さんからお酒を注がれたら、飲まなくてはいけない。場をしらけさせてはいけないのと、店の売り上げにも繋がる。


友人は元々お酒も好きな人であったが、アトピーが酷い時にお酒を飲むのは、火に油を注ぐような行為だ。アトピーの人なら説明が要らないと思う。

③介護職

画像3

私は過去に、介護施設での仕事を経験している。施設長候補という事で中途採用だったが、「介護の職場を一通り経験してから上にあげる」と言われ、1年半現場に入って仕事をした。


高齢者の方の日常のお世話をさせて貰ったが、ここでは衛生的な面から消毒や掃除、食事や生活の介助で水を多く使った。


段々と荒れていく手と、夜勤などの勤務時間帯の不規則性、慢性的な人手不足もあり、アトピーの持病があってのこの仕事は相当に厳しい。


これは私の性格の問題もあるが、介護の仕事は24時間365日休みがないものをローテーションでこなす。つまり、終わりがないのだ。最終私は施設長の立場で仕事をしていたのだが、緊急時の対応で、休みの日や夜中などに電話や呼び出される日も何度かあった。


自分の事でもままならない時があるので、責任感もってやる仕事としては、なかり厳しい面もある。

④営業

画像4

私は人と話のが好きなので、比較的初対面の人とも、一般的な会話をきっかけに、仲良くしてもらえる事が多い。以前営業の仕事をしたり、システム会社に居た時も、営業の人と同行してお客さんと会話をしたりするのが、楽しかった。


しかし、お客さん側が私に対して不信に思う時もある。赤い顔をして訪問した時は「昨日の夜の酒が残っているのか? そんなんで仕事出来るのか」と言われた事があった。


また体調が悪く、訪問予定であった仕事に行けなくなった時があり、日時の変更をしてもらった事があった。変更と言っても2日ほどズレただけなので、その間にアトピーが劇的に回復するような事は無い。


訪問時には謝罪の言葉から始める訳だが、既にその段階でビジネス的に信頼度は下がってしまっている。体調悪そうな担当ともなれば、交代も打診されるし、最悪、取引自体も影響が出る。

⑤接客業

画像5

飲食でも、営業でも「接客業」になるが、ショップの店員さんも、お客さんの対応をする事がメインの仕事になる。


私の知り合いはアパレルの店員さんであったが、心無いお客の一言がきっかけで、バックヤードの仕事に回され、会社の対応への不満もあり、精神的に鬱症状になってしまい、結果的に仕事を辞めた。


客から酷い事を言われても、それが本人の不注意ではなく、仕方のない問題だと思う。しかし、不衛生だと思われてしまった事が、店の商品に対する信用にも繋がったり、イメージの問題に繋がる事があると言われると、アトピーの私達は反論できない所もある。


間接的に店の運営にあたる部門に配置展開されたわけだが、やる気と自信が奪われた彼女は、この会社に居たくないと思うのは当然だったと思う。

働く環境を見つけるのが難しい

画像6

自分がこれが得意だ!この仕事は誰にも負けない!とういう部分があると、意欲も沸くし、頑張れる。


ただしそれは、体があっての事だ。日単位で体調が大きく崩れ、一旦悪くなると回復に時間がかかる我々アトピーは、好きな事を仕事にするどころか、生きていくための労働ですら、限られた分野でしか活躍できないのが実情だ。


長い人生で見た時に、アトピーで本当に悪い「重度」の時というのは短い。しかし、悪の渦中にいる時は、見えない出口に悩み苦しむ。


アトピー治療は、結局は本人が「どうすればアトピーが治まっていくのか」を探す旅だと思う。その方法が皆一緒でなないので、なかなか見つからない人も多い。


焦っても見つかるものでもなく、高額なお金をかければ治るものでもない。一旦治ったと思っても、調子に乗った生活をする事で、再発して重症化した私のような人も、けっこうな数がいる。


その都度仕事を休めるような環境の仕事は、正直なかなか無い。

仕事を探すタイミングは、自分のコントロールが効くようになってから

画像7

アトピーがコントロールできるのかと言われれば、私は「YES」という。実際、重症化する事もなく、ここ15年以上は仕事も普通に出来ている。


何をすれば、自分の身体が悪くなるのか、何を継続したら体の調子が良いのか、悪くなり始めた時にはどうするのか、そういうのが見つかると、自分で予防線を張れるので、悪化しにくくなる。


当時は今のように情報が沢山ある時代ではなかったので、方法が見つかるのにかなりの時間がかかった。でもこうなれば仕事も普通にこなせるので、不安も少ない。


少し身体が悪い状況だけど、無理して仕事に出ようとしている人が居たら、それは注意が必要だ。慣れない環境や、慣れない仕事は、絶対にストレスが多く、アトピーが悪くなる要素がいっぱいあるからです。


痒くなったらこの薬!赤く湿疹が出たらこの薬!などと、出た症状に対し、薬でしか対応策が無い人はヤバい。心を折るような事を言うが、仕事を始めるとかなりの確率で悪化する。


薬を使う事が悪い事ではない。それ以上悪化させないためには、私はすすんで薬を使うべきだと思う。無駄に長びかせては意味がない。


私が言いたいのは、薬が効くまでの日、仕事を休めと言っているのではなく、薬を使わなくても体の調子を整える方法や、日常生活の改善、食生活などの根本的な改善を考えないと、意味がないという事です。

最後に

働かないと生活できないという人もいるので、無理強いは出来ないが、とは言え私の言っている事は経験上からもあり得ます。私の友人達もそういう人もいる。身内に頼れる人がいるなら、頼るり、実家に戻れる人は、療養のために戻ろう。


なんとか仕事に今行っている人であっても、良い悪いを繰り返して、苦しみながら仕事に行っている人がいる様なら、少し立ち止まって、今するべき事が出来ているかや、計画的にアトピーの対策が出来ているのかを、もう一度見直しても良いのではないでしょうか。


アトピーは、身体だけじゃなく、心も落とします。体へのケア・心のケアをしてくださいね。分かり合える誰かと繋がる事で、救われる問題もあります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ブログ:アトピーでも快適に生きる道

https://life-create-publish.com/atopi/

■Twitter:ライジン

https://twitter.com/raijin0423

■YouTube:ライジン

https://www.youtube.com/channel/UCMNycispEntxj3-h2ZSubhw


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?