リバタニアリズム

リバタニアリズム アメリカを揺るがす自由至上主義

この本はとても面白かった.リバタリアンの実情をわかりやすく書かれていた.ただ,哲学的な事柄や学術的な内容ではないのでそこは注意が必要だ.もしそういった本が読みたいのであれば他をオススメする.

気に留まったポイントが二つあったのでそれを紹介する.一つはナッジ.ナッジとは肘で軽くつつくという意味だがそれを経済的な意味で用いる.ある方向性に人を誘導しつつも,最終的な判断はその人間に任せる,という手法だ.リバタリアンの考えでいくと,他人に政策など強要することは許されないが,この手法を用いると,個人の自由な選択を守りつつ,良いとされる方向に誘導できる.リバタリアンの考えを守りつつ,誘導できるのがすばらしい.

二つ目は「貧しい者に施しを与えるとは持続可能ではありません.あくまで彼らのイニシアチブや起業家精神を促して,貧困を克服して行くことが大切です」というNPO:アトラスネットワークの副所長,トム・パルマー氏の言葉が印象に残った.金銭や食糧支援を継続的に行うよりも,貧困に置かれている人たちの自立を促した方が,より良い未来に繋がると思う.一方的に与えるだけの支援は政治腐敗や依存体質を生みやすいのでよくない,やめるべきである.2010年のハイチ大地震の支援を例を上げていてわかりやすかった.

2010年のハイチ大地震の後,現地の起業家がソーラー発電の事業を立ち上げ,大きな成果をあげていた.しかし,アメリカ政府が大規模なエネルギー支援を行なったため,潰れてしまった.その後,支援は大幅にカット.実に愚かしい話である.災害時の緊急支援を除き,開発援助よりも起業援助の方が重要である.直接的な援助ではなく自立を促すような援助が必要だ.

800円 + 税 で購入することができるので是非読んでみてほしい.

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