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6月読んだデザイン本・いろいろな本

何を読んだかすぐ忘れるので、6月から記録

デザイン・技術

HTML解体新書-仕様から紐解く本格入門

こういう良い本を読むと自分の理解には未だ感覚的に留まる部分が多々あると気付かされます。部分、多々、というかHTMLについて知らないことまみれでした。ザッと一気に読んでしまったけれどこれは姿勢として正しくなかったように感じ、時間をかけて一章ずつ読み返しています。
あと、一つの事実を事実としてだけ飲み込むよりも経緯や成り立ちが伴うと知識としての堅牢さが増す感覚があって良いですね。

世界が変わる「視点」の見つけ方 未踏領域のデザイン戦略 (集英社新書) 佐藤 可士和

「未踏領域」における思考は脳の運動に近い。
懐疑的でいることで本質的課題の発見に繋がり、続く課題解決にはまず問題と自分を引き合わせることが重要。接点を探し、テーマが抽象であれば絞り込むために主観←→客観・感覚←→論理を切り替えながら反復して考えること。
本質的課題の発見のためには懐疑的でいなければなりません。そして課題と自分との接点を探り、主観と客観・感覚と倫理のスイッチを切り替えながら考え続ける必要があります。これによって発見できる耐久性あるコンセプトはデザインにおいて強い判断基準になるとのこと。理解はできるけど難しい…。
精度を上げるには繰り返し鍛錬するしかないし、近道は無いみたいです。

たのしごとデザイン論 完全版 すべてのクリエイターが幸福に仕事をするための50+未来の方法論。


これkindleで1,000円しないんですが、良いんですか?と思うほど充実した内容でした。文体がやさしくて分かりやすくて、デザイナー1年目くらいの時期に読んでおけたら仕事に対する解像度がもっと早く上がったのでは…と思いました。もちろん数年目の今でも、読めて良かったです。
著者・カイシ トモヤさんの専門からグラフィックデザインにおけるご経験が軸になってはいますが、全デザイナーに共通する項目が非常に多くありました。ロゴやパッケージに関する基礎的な知識が丁寧に言語化されて交えられている点も特に良かったです。
2章の「センスは無意識の記憶の蓄積」という一文、とても好きでした。

ロゴのつくりかたアイデア帖 "いい感じ"に仕上げる65の引き出し

ノンデザイナーの方が初めてロゴを自作する時、実の工程や作例は他で参照しながら手がかり的に参考資料内の一つとするには良さそうです。図形や色の印象など簡潔にまとめられています。

紙や空白など様々なテーマから白の特性が語られますが、語り口や語彙の影響か非常に文学的で読んでいて心地よかったです。原研哉さんの感性を通して物を見ているような感覚を得られます。
この本でも言及のあった「陰翳礼讃」では、日本伝統の美意識は「かげ」と共存し活かすること(対して西洋は闇を消そうと明かりを灯す)にあると説かれています。共通して、闇や余白は有に対しての無ではなく、むしろその存在に相対する重要な存在なんだということを改めて感じました。

そのほか

日々猫だらけ ときどき小鳥

推しが読んでいたので買いました。子猫との運命的な出会いから家族になるまでのエピソード、まさにドラマ…。ご家族の猫ちゃん小鳥さん当然まったく性格が違うのですが、それぞれ皆を理解し尊重した子育てをされていて愛を感じました。浅野さんがひらがな名義で執筆活動されていたのは知らなかったです。Aice5大好きだったな〜。

私も早く猫チャン飼いたいです。

イトオシイ

桜桃

桜桃忌に。

運命

(以前に読んでるけど6月にもまた読んだので)
国木田 独歩の代表作・武蔵野を最後まで読んでいないまま、ふと短編を読んでみたらたいへん面白かったので今やお気に入りの一冊です。
特に好きなのは「悪魔」です。浅海謙輔が去った後に送ってきた随筆の内容で、人間が生まれて死ぬのは世間ではなく天地だから世間だけ相手にしても意味がないのだと考えていたら(分かる)、突然真夜中に「私は宇宙の一部だ!!」と思想が降りてきたシーン(分からない)。
謙輔のようにこの境地に辿り着くと、人間が道徳を拠に作り上げた死生観や、希死念慮すらも意味成すか?という気持ちになるんでしょう。世間なら他人は時間が経てば忘れるし、忘れなくとも自分以外もいつか必ず死ぬので存在を無かったことにできるけど、宇宙の物質としてはどう足掻いても存在したという事実は不変なので。
ということで隅から隅までまた読んで、テンションが上がって武蔵野を読み返してみたたけどまた途中で止まって、これは自然と紀行文の楽しみ方が分からないだけかも…。と思いながら次は「牛肉と馬鈴薯」を読みます。

6月は忙しくて新しい本があまり読めなかった。7月は積読の解消をもう少し頑張ります。



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