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息子と手をつないで歩く日。

こんな風に手をつないで歩けるのもあと少しなのかもしれない。


小学生男子は親と手をつないいだり一緒に出かけたりしなくなっていく、ということはもちろん知っている。

それはもちろんひとつの成長として喜ばしいことなのだけど、それが我が家にもそろそろやってくるというのをリアルに感じたのははじめてだったかもしれない。


2学期になって小1の息子はひとりで登校するようになった。

6年近く毎日していた保育園の送り迎えがなくなるのはとても不思議な感じで息子も大きくなったんだなぁとしみじみしてしまう。


今日は在宅勤務の夫の勤務スタートまで、次男を夫に託してカフェでひとり時間をとろうと小1息子と一緒に出発。


出発するときは学校行きたくない、と言っていた息子だったけど、家を出ると

最近席替えがあったこと。
前の席が同じ保育園だったお友達になったこと。
プリントの回し方のルール。
音楽の授業では「○○さん」とお友達をさん付けで呼ぶこと。

手をつないで歩きながら、学校でのことをたくさん教えてくれた。


お別れとなる最初の曲がり角に着いても話はとまらない。

「どうする?信号まで一緒に行こうか?」

と聞いたら、「うん!」とうれしそうな返事がかえってきた。


次男がうまれてから、こんな短い時間でもふたりで話す時間は貴重だ。


信号のところで旗をもって横断歩道の見守りをしてくれている地域の方の姿が見えてきた。

ほかの子どもの姿もみえてくる。

もうすこしで信号、という場所で息子はつないでいた手を離して「もうここでいいよ」と言った。

「あとちょっとだし、いいよ、信号までいくよ」と言ったけど「だいじょうぶ!」


そう言われちゃうとさみしいじゃないか。でもここで見送ろう。

「行ってらっしゃい!」

「行ってきます!」

ハイタッチをして信号に向って走っていく後ろ姿。

振り返るかな?と思って見えなくなるまで待っていたけど、息子は一度も後ろを振り向かなかった。


息子と手をつないで歩けるのもきっとあとすこし。

手をつないだときの、あったかくてやわらかい感触、幸せな気持ち。

覚えておきたいな。

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みたむらさやか
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