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"立場"をとるという在り方

数年前、社内異動で人事から未経験の編集職になった。

新規事業立ち上げで、チームみんなが未経験状態。育成プログラムもなければ研修もOJTもなにもなく、自分で学びながら実践を繰り返すしかなかった。

メディアも編集も、まだ全体像もわからず目の前もまだぼんやりとしか見えていないような中で、複数の担当のライターさんをもつことになる。

編集者とライターさんは一緒に走りながら、一緒にヒットをつくることを目指すチームだ。

経験も実績も自信も、なんにもなかったけれど、ライターさんからみたらそんなことは関係ない。
ライターさんにとって一緒に走るにあたいする、信頼される編集者であるために、「未経験なので」というのを封印した。

それは編集者として立場をとる、という覚悟だった。

原稿をみてまよったとき、ライターさんに質問されてすぐに答えられなかったとき、それが正解かはさておき「わたしは思う」と言い切れるまで、考えきって伝えること。
担当するライターさんを深く理解して、その記事について誰よりも考えること。

それが、ライターさんに対してわたしが編集者としてできることだった。

それでも、最初は外で自分のことを編集者だなんて名乗れなかった。最近どんな仕事してるの?と聞かれても、ウェブメディアの運営みたいなこと、くらいに答えていた。

わたしは編集者だ、と人に言えるようになったときには、異動して2年がたっていた。

編集者として経験が圧倒的に足りなかったけれど、編集者として立場を取り続けて、編集者だったら…と考えながらライターさんと接し続けた経験がわたしを編集者にしたのだと思うし、だからこそわたしを編集者にしてくれたのはわたしと接してくれたライターのみなさんだと思っている。


そしていま、また新しく人事として働くようになった。
人事として社員と面談をしたり、管理職からマネジメントの相談をうけたりする中で、自分よりも経験が多い人や役職のある人と人事として話すこともある。

組織の中で人とどう向き合い、どう貢献していくのか。

まだまだ足りないことばかりだけど、人事として立場をとる。
そこから逃げないという覚悟がけっきょく人事としてのひとつの土台になるのかもしれないなと最近思っている。



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