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てんぐのノイエ銀英伝語り:第25話 初陣~忍殺とかD&Dも添えて

 ……ノイエ公式もさあ、Xッターだけじゃなく、せめてInstagramとかでも公式アカウント作って情報発信してほしいんだよなあ。なんでどこもかしこもInstagramを無視するんだか。自分の客がXッターの外にもいるかもって発想ないのかねえ。(ブツブツ)

 えー、てんぐのボヤキはさておきまして。
 いよいよノイエ銀英伝地上波放送もいよいよ3rdシーズン<激突>編に入りました。
 ここから先の回は、よほどの事がない限りは、毎週感想記事を挙げてまいります。


これまでの話……って言われると思い出すアレ

 今週回の冒頭にあったこれまでの話の振り返り。
 いや、もちろんあったって良いんですよ? 新シーズンも始まりますし、銀河の歴史もここから先は大きな変化も生じます。その前の振り返りは必要でしょう。
 でも、いきなり「これまでの話」って言われちゃうと、どうしてもニンジャスレイヤーのアレを連想しちゃうんですよね。

1LV冒険者ユリアン・ミンツ

 今回のメイン主人公にして、初陣に臨んだユリアンくん。
 新兵教育を持ち前の優秀さでクリアし、遭遇戦に際しても敵艦隊アイヘンドルフ隊の編成が通常のそれではない(戦艦、巡航艦、駆逐艦といった主力艦のみの編成。アイヘンドルフ隊ってケンプ艦隊の基幹戦力か前衛部隊なのかな?)ことから「これは遭遇戦だ」と冷静に見抜き、さっそく赫赫たる武勲を立てつつ実戦の空気に呑まれて高揚してしまったことを自己嫌悪と共に反省できる。
 この回の彼を見てると、D&Dなどのレベル制TRPGにおいて、PCは例え1LVであろうとも常人とは隔絶した「英雄予備軍」であるという原則を思い出させます。
 もしユリアンがD&Dの冒険者だったらクラスは何だろう。
 やはり献身の誓いパラディンかなあ。今後見てもらえばわかりますが、ノイエのユリアンはかなり白馬の王子さま指数高いし。

 フジリュー版のユリアンだと、割とお調子者って意味でバードっぽさもありました。

 クラスがパラディンにせよバードにせよ、ユリアンには実はひとつのドラマの“主人公”となる資質は大いにあります。
 このノイエ銀英伝の企画が報じられたときも、「ユリアンを主人公にして銀英伝を再構築するつもりなのかな?」と思ったりもしました。
 それは、ある意味では間違ってなかったです。
 ここから始まるノイエ銀英伝は、ラインハルトとヤンを主人公とするひとつのドラマではなく、様々な人物を主人公にした様々なドラマがクロスオーバーしていく、そんな展開になっていきます。
 もちろん、ユリアン・ミンツのドラマも、その中のひとつです。
 これから先のレベルアップしていく彼にご注目ください。

“英雄”ヤン・ウェンリーの持つ“正しさ”と“傲慢さ”

 “英雄”の定義を「自分ひとりの意思と価値観のみによって社会のありようを書き換えることができるもの」とするなら、実はヤン・ウェンリーは、イゼルローン要塞においては“英雄”であると言えます。
 それを示したのが、訓練教官が新兵を暴行する現場を目撃した時点で、その教官を即時更迭し本国送還を決定したシーンでした。

 この処置、道理の上で正しいのはもちろんヤンの方です。その決定を下させた「抵抗できない相手を殴るような奴は私には必要ない」という見識ももっともです。

 でもそれが、無数の武勲を立て経験値も豊かな軍人を前線から遠ざけ、かつ新兵錬成が行き届かないまま他の訓練教官も最前線に投入し、未熟なままの新兵を庇った多数の貴重なベテランと庇われていた新兵たちの双方の戦死に繋がったのだとしたら。

 ヤン本人を見てると忘れそうになりますが、彼は30歳少々という社会人経験も乏しい状態で最高クラスの地位を得てしまった社会的エリートです。
 それだけに、ヤンには善悪とは別個に存在する現場レベルの人間関係の機微や社会の都合というものを無視してしまうという悪癖があるのかもしれません。
 ユリアンに「死の予感」というものを問われたときの、「一度も死んだことのない人間が死について語るのを信じるのかい?」という回答も、そんな機微への疎さ、あるいは肌身の感覚といったものへの軽視のあらわれにも見えます。
 ヤンの周囲にいる人物も、キャゼルヌ少将にせよムライ少将にせよ、ほぼ全員が将官とか佐官という高級軍人揃いですからね。こういう面子に囲まれた環境だと、この悪癖を悪癖と認知するかどうかもちょっと疑わしいところがあります。
 まあ、パトリチェフなんかは後で事情を聞いて、士官食堂かどこかで「あの教官更迭の件は間違っちゃいないと思いますが、少し軽率だったんじゃないですかなあ」と、のんびりとした口調で諫言してそうな感じはしますが。

「将兵からは絶大な支持と信頼を寄せられている」とされる奇跡のミラクルヤンですが、今回の暴力教官とかベイトマン教官のような現場の人間の中の証言を拾い集めると、恨み節のひとつやふたつは出てくるのかもしれません。

 いずれにせよ、ヤンはイゼルローン要塞内においては、自己の価値観を押し通せてしまえる“英雄”性、“正しさ”ゆえの“傲慢さ”は、同盟本国にいる人々からは、疑心暗鬼やそれとは真逆の英雄崇拝を呼び込み、彼を苦しめます。
 でも、幾分かは、それはヤンの自業自得なのかもしれません。

ピーター・リーマー、二度と出てこないでおくれ……とはいかないよね

 この25話で、ある意味でユリアン以上に脚光を浴びたのが、新兵のピーター・リーマーでした。
 ユリアンの英雄予備軍ぶりを見てると忘れそうになる、ごく当たり前の少年兵としての反応を見てると痛ましくなりました。
 それと同時に、ユリアンに、アッテンボローとかポプランとかシェーンコップとかフレデリカとか、そういった本来なら雲の上の人々であるはずの幹部たち(あるいは英雄たち)ではなく、ごく当たり前の“ただの戦友”ができたことが喜ばしかったです。
 そういえば、ハイネセンにいた頃はユリアンもクラブ活動でチームメイトがいましたし、道原版ではクラスメイトが家に遊びに来て、ヤン本人とあって「全然偉そうじゃなかった」と言ったりと、他愛もない学生生活を送っていました。
 これから先のユリアンの歩みからは失われていく、そんな他愛もなさが、ピーターとの関りにはあるはずです。

 初陣の衝撃で壊れかけたピーターの心を救ったのがユリアンなら、ユリアン自身に“ただのユリアン”を留めてくれるピーターの存在も救いになってるんじゃないかな。

 そんなピーターくんだからこそ、視聴者としては思っちゃうのですよ、「二度と出てこないでおくれ」と、ネオサイタマの善良なるニンジャに対して思うように。

 でもなあ、ピーターくんはニンジャでもアクションスターでもなく同盟軍空戦パイロットで、いる場所はネオサイタマではなくイゼルローン要塞だからなあ……そうもいかないよな……。

同盟軍で二番目のパイロット

 オリビエ・ポプラン曰く、同盟軍で二番目の空戦パイロットであるイワン・コーネフ少佐ですが、コイツが何か言うたびに、あのキセルマンが頭にチラついて困ります。

言わずと知れたキセルマン凜雪鴉

 サンファン4期、早く放送開始しないかなあ。

追記:バサおじさん、大いに語る(というかはしゃぐ)

 バサおじさんの同時視聴配信、昨日やってたんですね。
 というかおじさん、めっちゃテンション高かったですね
 わかりますわかります。てんぐも、今まで映像化された銀英伝のエピソードの中で、このエピソードはトップ10くらいに入れて良いくらいだと思ってますし。
 来週の同時視聴配信にはお邪魔したいなあ。

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