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D&D2024年版パラディンまとめ

こちらは、6月21日に配信された「New Paladin | 2024 Player's Handbook | D&D」の内容を日本語でまとめたものです。必要な解説も中に交えて説明するので、初心者も読みやすいです。

2024年版って何?OneD&Dはどうなったの?

現在のD&D5版は2014年に英語で発売されました。今の日本だと割と最近まで公式が流通を初めて知名度が上昇していますが、実は10年も前に作られた割と年季のあるシステムです。

今後の商品展開に耐えうるしっかりとした基盤を作りつつ、10年前にはなかったリソースを注ぎ込んで豪華にリマスターしよう!……というのが「D&D2024年版」です。ここではクラスの一つであるパラディンが取り上げられています。

こちらはえいりが解説していた当初はOneD&Dの名前で知られていましたが、これは開発コードらしく、今では正式名称が変わっています。
概ねOneD&D=D&D2024だと思ってください。
以下の解説動画プレイリストに当時のOneD&Dのルールを追っていた配信を見られます。調整中のデータを先行して和訳で見れるのでお勧めです。

ここからが動画の内容になります。その前に事前に必要な知識を説明させてください。

神聖なる一撃≒ディヴァイン・スマイト

パラディンの一番象徴的な特徴が「神聖なる一撃」です。この効果は自分の攻撃が命中すると相手に追加のダメージを与え、攻撃が命中するたびに使えました。複数回攻撃や長柄の使い手特技を持っている人は手数が増えて、そのぶんだけ神聖なる一撃が使えていました。

2024年版では神聖なる一撃は「呪文」となりました。そのため、記事の中では呪文の翻訳がカタカナ読みになっていることに合わせて「ディヴァイン・スマイト」と呼ぶことになります。呪文ということは、1レベル以上の呪文を発動したら同じターンに初級呪文しか発動できず、実質パラディンは1ターンに1回しか使えなくなりました。
呪文になったことで呪文に影響するマジックアイテムの恩恵を受けられるようになった反面、連打が出来ないからパラディンの瞬間火力はダウンしました。

概要

パラディンの一番大きな変更点は1レベルのときから呪文発動能力が使えるようになったことだ。これにより、パラディンの大きなリソースである呪文に低レベルのうちから慣れることが可能になった。その後、2レベルでディヴァイン・スマイトを含むいろんな呪文で用途が広がる。レンジャーも概ね同じ変更を加えている。
*レンジャーとパラディンはD&Dにおいて「ハイブリッドクラス」として知られているもので、ファイターなどにある武器と防具を扱う能力に加えて、呪文発動もできます。もともとこの発動はキャラクターが2レベルになったときに突然やってきて、困惑する初心者も多いことから、1レベル時点で使えるようにしたわけです。その代わり、1レベルで覚えないと行けないことが多くなったのと引き換えです。

以下が他の変更点だ。

  • 1レベル
    呪文発動、癒しの手、武器マスタリーがもらえる。呪文発動が1レベル時点でもらえるようになったことから、マルチクラスする時は総スロット数が増えてお得になる。

  • Paladin's Smite(聖騎士の一撃・2レベル)
    パラディンの象徴的な能力だった神聖なる一撃が呪文となり「ディヴァイン・スマイト」として専用リストに入った。ついでに1日に1回だけ呪文スロットを消費せずに発動可能になった。
    *発動もボーナス・アクションを必要とするため、呪文になったことと合わせて、1ターンに1回の制限がついたのと等しい。

  • 戦闘スタイル(2レベル)
    もともとパラディンは制限された戦闘スタイルのリストから選ぶものだったが、その制限を取っ払い、ファイターと同じものを選べるようになった。

  • 神聖伝導(3レベル)
    これはパラディンのいろんなクラス能力を使うためのリソースで、使用回数が1回から2回になった。小休憩で1回復して、大休憩で全部回復する。11レベルになると使用回数が1上昇する。

  • 正邪感知(3レベル)
    神聖伝導の使用回数を消費する代わりに、持続時間が10分になった。より柔軟に戦闘外の状況に対応できる。(悪魔を嗅ぎ分けるときなど)

  • ファインド・スティード呪文を獲得(5レベル)
    愛馬を召喚する呪文であるファインド・スティードを自動的に獲得し、ただの馬ではなくパラディン専用に調整されたデータを持つ特殊なクリーチャーとなる。スロットを増やせば強化され、1日に1回はスロット消費せずに発動できる。

  • Abjure Foes (敵排斥・9レベル)
    復讐の誓いが持っていた、敵にデバフを与える能力が、本体のクラスに含まれるようになった。神聖伝導を使用する。

  • オーラの単純化
    今までのパラディンはクラスのオーラとサブクラスのオーラで効果も範囲もごちゃごちゃすることが多かった。オーラは一つにして、サブクラスによってこの一つのオーラに追加効果が付与されるようになった。

  • 新しい効果範囲「Emination(放射)」
    特定のクリーチャーや地点から半径に広がっていく効果範囲をEmination(放射)として定義した。もともとあった効果だけど、明確な用語となった。

  • 呪文リスト
    すべてのクラスは自分のクラス説明の中に呪文リストを持つようになった。このリストには呪文名、レベル、系統、構成要素、儀式、集中、GP記載の必要な構成要素も書いてある。

献身の誓い

イメージ:ザ・白馬の王子様

  • 武器聖別化
    発動がアクションから「攻撃アクションの一部」となり、使いやすくなった。ここだけではなく、PHBを通して「バフを発動するのにアクションを必要とする」能力全般をボーナス・アクションにしたり、今回のように攻撃アクションの一部にしてる。

  • Smite of Protection(守護の一撃)
    ディヴァイン・スマイトを使う時、オーラの範囲内にいる味方は1/2遮蔽を得る。(遠隔攻撃に対してACが+2)

  • Holy Nimbus(後光・20レベル)
    発動がボーナス・アクションになった。

栄光の誓い

イメージ:サムズアップで歯がキラーンって光るタイプ
もともとはターシャの万物釜に収録されていたもの。

  • Peerless Athlete(比類なき運動家・3レベル)
    筋力判定が有利になり、跳躍や持ち運び距離が2倍になる身体強化。今まで10分だったのが、1時間持続するようになった。

  • Aura of Alacrity(武勇のオーラ)
    「オーラの中でターンを開始したクリーチャー」から「オーラの中を通れば」移動速度を強化するものに変更。ターン開始時はあまりにも条件が厳しかったため、変更した。

  • 呪文リスト変更
    ここだけではないが、パラディンやウォーロックなどのサブクラスから得られる呪文リストをすべて一新した。以下が例。

    • Yolande's Regal Presence(ヨランデの威光)
      17レベルのパラディン呪文リストに含まれる。威光のオーラを放ち、その中に入った者たちは跪き精神ダメージを受ける。

    • ヨランデとはグレイホーク世界のエルフの女王

古きものの誓い

イメージ:エルフやドルイド文化のパラディン

  • Aura of Warding(加護のオーラ・7レベル)
    範囲内にいる味方に死霊、精神、光輝ダメージの抵抗を与える。
    仲間を外なる世界から守るイメージ、負の世界(死霊)、正の世界(光輝)、精神(彼方の領域/精神汚染や放射能)。

  • Nature's Wrath(大自然の怒り)
    ツタを生やすエンタングルのような効果で、その範囲を広めた。

  • Unyielding Sentinel(死を知らぬ守り人)
    HP0になったときに立ち上がる能力だが、そのときに追加の回復も施され、一定数のHPを持った状態で復帰が可能になった。

復習の誓い

イメージ:ゴブリンスレイヤー

  • Vow of Enmity(滅殺の誓言・3レベル)
    発動にボーナス・アクションが不要となり、攻撃アクションの一部となった。ハンターズマーク(レンジャーの呪文)と同じく、相手が死亡した時は対象を移し替えても良い。

  • Avenging Angel(応報の天使・20レベル)
    発動がアクションからボーナス・アクションになる。

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