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てんぐのドラマ感想:唐朝詭事録~被疑者殺しのパラディンが名探偵のひとりになるまで

 二月からチャンネル銀河で帯放送してた唐朝詭事録ですが、本日最終回を視聴しました。
 盛唐の時代が舞台ってことは判事ディーシリーズや長安二十四時とほぼ同じですし、「まあ面白くなれば良いかな」くらいの気持ちで見始めました。もともとサスペンス史劇は好きなジャンルでしたし。

 結果は、それどころではなく、めっっっちゃ面白かった。遭遇する捜査の進展に一緒に頭を悩ませ、遭遇する事件の数々に一喜一憂する、楽しい毎日を過ごしてました。

 てんぐが特に注目してたのが、主人公格の盧凌風ろ りょうふう
 最初は武芸の腕が立つのはわかるけど思慮は浅いし沸点は低い、何より生かして捕らえて背後関係聞き出した上で法の裁きにかけて断罪しないといけない被疑者を戦闘で殺害すること多数。
 そんなわけで、てんぐが凌風につけたあだ名は「被疑者殺し」
 なんかサタスペの大阪市警契約刑事にこんなあだ名持ってるヤツいそう。
「D&Dのパラディンも取り柄は筋力(武芸)と魅力(家柄)だからなあ」と生暖かい目で見てました。ほら、あのセクシーパラディンことゼンクも脳みそ君にスルーされてたでしょ?

 でも、その被疑者殺しのパラディンも、<ペテン>の習熟強化取ってそうな名探偵狄仁傑の弟子や酔いどれドクターや押しかけ彼女やお供の少年家僕とパーティを組んで辺境での冒険(本編でも一度「私は冒険が好きだ」ってはっきり言ってましたし)をやっていくうちに、思慮も推理力も向上しました。
 何より名族社会の中にいたのではわからない民の暮らしとその存在の尊さ、自分が唐の士人として守るべきものを見出し名探偵のひとりに成長していく展開は、大変気持ち良かったです。

 そして同時に、「犯罪の真相を解き明かしたとしても、“犯人”を摘発できるとは限らない」「むしろ名探偵自身に破滅へのカウントダウンを進ませてしまう」という封建時代のサスペンス史劇ならではのスリルも感じられました。

 大変面白いサスペンス史劇であり、そして冒険パーティものでした。
 個人的な評価としては、あの成化十四年と同格の大傑作です。

 いずれこのドラマもチャンネル銀河でリピート放送されるでしょうし、またはBSで放送される日が来るかと思います。

 その時には是非ともご覧ください。

ついでに紹介する武侠ドラマ

 盧凌風役の楊旭文といえば、金庸先生の代表作「射鵰英雄伝」の2017年版での郭靖役も印象的でした。

 こちらはAmazon Prime Videoなどで配信されています。

 また、キャストの中には、Netflixで配信されてる絶代双驕2020年版で見た顔も何人か見受けられました。

 こちらも、改めて推薦する次第であります。

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