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音がする遠いところで 遠いところで

シリーズ・現代川柳と短文NEO/017

 ジャーンとドラの鳴る音が響いた。授業の終わりを知らせる音だ。みんな机の上を片付けて、次の授業がある理科室へ向かう。途中、中庭の桜が風に舞っているのが見えた。理科室と同じ階にあるらしいドラ室では毎日誰かがドラを叩いているそうだが、自分の目でそれを見た者はだれもいない。次のドラが鳴ると授業が始まる。

【本日の現代川柳】
音がする遠いところで 遠いところで
/今田健太郎

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