首ったけ だけどきれいに紙を束ねて/暮田真名

シリーズ・現代川柳と短文NEO/108

 弊社もペーパーレス化が進んだもので、すでに昨年度で紙束ね課も解散になっていた。第三営業部紙束ね課。バブル期は花形だった紙束課(かみたばか)。時代だねえ。そう言うと上倉森さんはデスクでトントンと紙束をそろえ、水筒の麦茶をおいしそうに飲んだ。再来年で定年退職を迎える上倉森さんは、毎夜、法が裁かない悪を暴力で裁いているという。

【きょうの現代川柳】
首ったけ だけどきれいに紙を束ねて
/暮田真名

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