見出し画像

跡取りになってポタージュスープたち

シリーズ・現代川柳と短文NEO/032

 せめてスプーン一杯ほどあれば、それがポタージュかどうかすぐわかるだろう。だが、一滴、ひとしずくだけならどうか。ポタージュとは、なんかこう、どろっとしたスープのことだ。それは知っている。しかし、いま目の前にはたったひとしずくのそれしかない。やや粘度が高いような気はするが、どろっとしているかどうかはよくわからないし、まず、スープかどうかもわからない。

【本日の現代川柳】
跡取りになってポタージュスープたち
/今田健太郎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?