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やさしい理系数学~1~

 このシリーズは、河合塾の「やさしい理系数学の解答/解説に注釈をつけて、解りやすくしたものです。元の「やさしい理系数学(改訂版)」を見ながらでないと、このnoteだけでは何のことを書いてるか解らないです。
 なお、執筆時点の最新版である三訂版ではないので、注意してください。


例題1

2⃣(1)_1

  • 2次式で割ったときの余りは1次式。

  • $${1-x^2=0}$$のとき$${\left(1-x^2\right)Q_1(x)=0}$$になるから、$${x=±1}$$のときは商$${Q_1(x)}$$を無視できる。

2⃣(1)_2

  • 剰余の定理。$${P(x)}$$を一次式$${(x-a)}$$で割ったときの余りは$${P(a)}$$。

2⃣(2)_1

  • $${x+1=2+(x-1)}$$。

  • $${(x-1)^3=(x-1)(x-1)^2、(x-1)^4=(x-1)^2(x-1)^2、(x-1)^5=(x-1)^3(x-1)^2、…、(x-1)^10=(x-1)^8(x-1)^2}$$なので、$${(x-1)^3…(x-1)^10}$$は$${(x-1)^2}$$で割り切れる。

2⃣(2)_2

  • $${(x-1)^2=0}$$の解は$${1}$$だけだから、未知数が$${r}$$と$${s}$$で2つあるが、これを解く方程式は式①からだけでは、1つしか作れない。

  • 式①を微分して$${r}$$を解く方程式を得る。

例題2

【解答1】

  • $${3x+7y}$$は、$${x}$$と$${y}$$を適当に選ぶと、ある整数以上の全ての整数を表すことが出来るので、これを$${n}$$とおく。

  • $${3・(-2)+7・1=1}$$の全体を$${n}$$倍して、$${3・(-2n)+7・n=n}$$。

  • $${3(x+2n)+7(y-n)=0⇔3(x+2n)=-7(y-n)}$$で全体が整数だから$${(x+2n)}$$が$${7}$$の倍数であり、$${(y-n)}$$が$${-3}$$の倍数となる。

  • $${x=-2n+7m}$$で$${0<x}$$だから、$${\displaystyle 0< -2n+7m ⇔ 0< \frac{-2}{7}n+m ⇔ -m< -\frac{2}{7}n ⇔ m> \frac{2}{7}n }$$。

  • $${y=n-3m}$$で$${0<y}$$だから、$${\displaystyle 0< n-3m ⇔ n < 3m ⇔ \frac{n}{3}< m }$$。

  • $${\displaystyle  \frac{2}{7}n < m < \frac{n}{3} }$$になる整数mが存在するならば、$${\displaystyle \frac{n}{3} - \frac{2}{7}n }$$は$${1}$$を超える数になる。

【解答2】

  • $${x}$$も$${y}$$も自然数であるから、総当たりで確かめることが出来る。

例題3

(1)

  • $${(3m±1)^2=9m^2±6m+1=3(3m^2±2m)+1}$$だから、3の倍数+1。

  • $${a}$$、$${b}$$が3の倍数でないときは$${3m±1}$$であるから、その2乗は、$${3の倍数+1}$$なので、$${a^2+b^2=\{\left(3の倍数\right)_1+1\}+\{(3の倍数)_2+1\}=(3の倍数)+2}$$だから、これを$${3}$$で割った余りは$${2}$$となる。よって、$${\left(a^2+b^2\right)÷3}$$の余りは$${2}$$。

  • $${c}$$は3の倍数であってもなくてもよいので、$${c^2}$$は$${3m}または{3m±1}$$の両方が考えられるので、その$${2}$$乗の余りは、$${0}$$と$${1}$$。

(2)

  • $${4m+3=4(m+1)-1}}$$であるので、$${m}$$は任意の整数だから、$${4m+3}$$は$${4m-1}$$に含まれる。

  • $${a}$$、$${b}$$が4の倍数でないときは$${(4m±1)または(4m+2)}$$である。

  • $${(4m±1)^2}$$と$${(4m+2)^2}$$の和を$${16}$$で割ったものの余りは、$${(4m±1)^2}$$を$${16}$$で割った余りの$${1}$$と$${8}$$、$${(4m+2)^2}$$を$${16}$$で割った余りの$${4}$$の$${3}$$つ数から、重複を許して2つを組み合わせたもので、$${16}$$未満の数になる。

  • $${c}$$は4の倍数であってもなくてもよいので、$${c^2}$$は$${4m、4m±1、4m+2}$$のいずれもが考えられるので、その$${2}$$乗の余りは、$${0、1、4、9}$$のいずれか。

例題4

【解答1】1⃣

  • $${a_1,a_2,a_3…}$$は全て異なる数であり、和が$${0}$$であるから、$${a_m-a_{m+1}(1 ≦ m ≦n-1)}$$の数例はある数$${a_k}$$を境に、正負が入れ替わる。

  • ある数$${a_k}$$を境に、正負が入れ替わるので、$${(a_1-a_2)}$$が正のとき$${(a_n-a_1)}$$は負。

  • 正負の境目になる数を$${a_k}$$とすると、$${a_{k-1}-a_{k} >0 ⇔a _{k-1}>a_{k} }$$であり、$${a_{k}-a_{k+1} < 0 ⇔a _{k}< a_{k+1} }$$となる。

  • $${a_1-a_2 >0 ⇔ a_1 > a_2 }$$であり、$${a_n-a_1 < 0 ⇔ a_1 > a_n }$$ だから、$${a_1}$$が最大。

【解答1】2⃣

  • $${a_1,a_2,a_3…}$$は全て異なる数だから、$${\displaystyle \frac{a_m}{a_{m+1}}}$$が1になることはない。

  • $${\displaystyle \frac{a_1}{a_{2}}・\frac{a_2}{a_{3}}・\frac{a_4}{a_{5}}・…・\frac{a_{n-1}}{a_{n}}・\frac{a_n}{a_{1}}=\frac{a_1}{a_{1}}=1 }$$であるから、$${\displaystyle \frac{a_m}{a_{m+1}}}$$の数例は、ある数$${a_k}$$を境に、1を超える正の数と1未満の正の数が入れ替わる。

  • 1を超える正の数と1未満の正の数が入れ替わる境目を$${a_k}$$とすると、$${\displaystyle \frac{a_{k-1}}{a_k} > 1 ⇔ a_{k-1} > a_k }$$であり、$${\displaystyle 1> \frac{a_k}{a_{k+1}} ⇔ a_{k+1} > a_k }$$である。

  • ある数$${a_k}$$を境に、1を超える正の数と1未満の正の数が入れ替わるので、$${\displaystyle \frac{a_1}{a_2}}$$が1より大ならば、$${\displaystyle \frac{a_n}{a_1}}$$は$${1}$$より小。

  • $${\displaystyle \frac{a_1}{a_2} >1 }$$なので$${a_{1} > a_2 }$$であり、$${\displaystyle \frac{a_n}{a_1} <1 }$$なので$${a_{n} < a_1 }$$でありだから、$${a_1}$$が最大。

【解答2】1⃣

  • $${\displaystyle a_1-a_2>a_2-a_3 ⇔ a_1+a_3 > 2a_2 ⇔ \frac{a_1+a_3}{2} > a_2 }$$。

  • $${\displaystyle \frac{a_1+a_3}{2} }$$は、$${a_1}$$か$${a_3}$$のいずれか大きい方より小さい数。

  • $${a_2}$$は$${a_1}$$か$${a_3}$$のいずれかより小さい数であり、$${a_3}$$は$${a_2}$$か$${a_4}$$のいずれかより小さい数であるから、$${a_2}$$と$${a_3}$$はこのなかで最大の数とはいえない。同様にして、$${a_{n-1}}$$までの数には最大と言えるものがない。

  • $${\displaystyle \frac{a_{n-1}+a_1}{2} }$$は、 $${a_{n-1}}$$か$${a_1}$$のいずれか大きい方より小さい数であるが、$${a_{n-1}}$$は最大の数と言えないと分かっているので、最大の数は$${a_1}$$であると言える。

【解答2】2⃣

  • $${\displaystyle \frac{a_1}{a_2} > \frac{a_2}{a_3} ⇔ a_1a_3 > (a_2)^2 ⇔ \sqrt{a_1a_3} > a_2 }$$。

  • $${\displaystyle \sqrt{a_1a_3} > a_2 }$$は、$${a_1}$$か$${a_3}$$のいずれか大きい方より小さい数といえるので、1⃣と同じ論証で、$${ a_1,a_2,a_3,…a_n}$$の大小関係を示せる。

【解答3】

  • $${ a_k ( 2 ≦ k ≦ n) }$$は、$${a_2}$$から$${a_n}$$の数であるが、このなかに最大のものがないので、$${a_1}$$が最大と言える。

問1

【解答1】

  • $${x^2+3x+2=(x+1)(x+2)}$$、$${x^2+4x+3=(x+1)(x+3)}$$。

  • 式①に$${x=-1}$$を代入して$${f(-1)=2}$$。式②に$${x=-1}$$を代入して$${f(-1)=-2+a}$$。

  • 式①から$${f(-3)=2Q_1(-3)-8}$$、式②に$${ a=4 }$$を代入して$${f(-3)=-2}$$。よって$${2Q_1(-3)-8=-2 ⇔ Q_1(-3)=3}$$。

  • $${Q_1(-3)=3}$$だから$${Q_1(x)}$$は$${x=-3}$$のとき$${3}$$になるので、$${Q_1(x)=(x+3)Q(x)+3}$$と表せる。

  • $${(x+1)(x+2)Q_1(x)+5x+7=(x+1)(x+2)\{ (x+3)Q(x)+3 \}+5x+7 =(x+1)(x+2)(x+3)Q(x)+3(x+1)(x+2)+5x+7}$$。

【解答2】

  • 割る数式が$${2}$$次式だから、割られる数式は$${2}$$次以上の式になるので、割られる数式を$${2}$$次式と仮定すると、$${f(x)}$$を$${x^2+3x+2}$$で割った商は定数である。

  • $${x^2+3x+2}$$と$${x^2+4x+3}$$の$${2}$$次の係数はいずれも$${1}$$だから、$${f(x)}$$をこれらの数式で割った商が定数なので、この$${2}$$つの商は同じ値になる。

【解答3】

  • ②式において、$${x=-3}$$のとき$${Q_2(x)}$$を無視できるから、①式の$${Q_1(x)}$$を$${\{(x+3)Q(x)+p\}}$$とおく。なお、$${Q(x)}$$が$${Q_1(x)}$$の因数とは限らないので、定数$${p}$$を付け加える必要がある。

  • ①式に$${Q_1(x)=(x+3)Q(x)+p}$$を代入して、$${f(x)=(x+1)(x+2)\{(x+3)Q(x)+p\}+5x+7=(x+1)(x+2)(x+3)Q(x)+p(x+1)(x+2)+5x+7}$$。

問2

(1)

  • $${f_1(x)=x^{2n}-x^n+1}$$。

  • $${α^3=-1}$$であることが分かったので、$${α^10-α^5+1}$$から$${α^3}$$を取り出す。

(2)

  • $${n}$$を$${6}$$で割った余りが$${5}$$だから、$${n}$$は$${k}$$を任意の整数として$${n=6k+5}$$と表せるから、$${f_{n}(x)=f_{6k+5}(x)=x^{2(6k+5)}-x^{6k+5}+1}$$だから、$${f_{n}(α)=α^{2(6k+5)}-α^{6k+5}+1=α^{3(4k)}α^{10}-α^{3(2k)}α^{5}+1}$$。

  • $${α^3=-1}$$だから$${α^{3(4k)}=(-1)^{4k}=1^k=1}$$で、$${α^{3(2k)}=(-1)^{2k}=1^k=1}$$なので、$${α^{3(4k)}α^{10}-α^{3(2k)}α^{5}+1=α^{10}-α^{5}+1}$$となり、これは$${f_5(α)}$$¥であるから、$${0}$$

  • $${f_n(α)=0}$$であるから、$${α}$$は$${f_n(x)=0}$$の解。

  • $${f_1(x)=0}$$の解が$${α}$$と$${\overline α}$$であるから、因数定理により$${f_1(x)=(x-α)(x-\overline α)}$$と表せる。同じく$${α}$$は$${f_n(x)=0}$$の解であるから、同様に因数定理で$${f_n(x)}$$は$${(x-α)(x-\overline α)}$$を因数に持つ。

  • $${f_1(x)=x^2ーx+1}$$で、$${f_1(x)=(x-α)(x-\overline α)}$$でもあるから、$${(x-α)(x-\overline α)=x^2-x+1}$$である。

  • $${Xを因数に持つ ⇔ Xで割り切れる }$$。

  • $${α^2-α+1=0}$$の解は解の公式を用いて$${\displaystyle \frac{-1±\sqrt{3}i}{2}}$$。

  • $${a}$$も$${b}$$も実数である一方で$${\displaystyle α=\frac{-1±\sqrt{3}i}{2}}$$であるから、$${aα+b}$$が$${0}$$になるためには、$${a}$$も$${b}$$も$${0}$$でなければならない。

  • $${f_n(x)=(x^2-x+1)Q(x)+ax+b}$$に$${a=0,b=0}$$を代入して、$${f_n(x)=(x^2-x+1)Q(x)}$$となるから、$${f_n(x)}$$は$${x^2-x+1}$$で割り切れる。

(2)の別解

  • $${x^{2(6k+5)}=x^{12k+10}=x^{12k+9}x=x^{3(4k+3)}・x  }$$。

  • $${x^{6k+5}=x^{3(2k+1)}・x^2 }$$。

  • $${x^{3(2k+1)}+1}$$は$${x^3+1}$$で割り切れる。

問3

【解答1】

  • $${f(x)}$$を$${n}$$次の式として一般的に$${a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+…+a_0}$$と表せる。

  • $${f(x-1)=a_n(x-1)^n+a_{n-1}(x-1)^{n-1}+…}$$だから、$${f(x-1)-f(x)= \{a_n(x-1)^n+a_{n-1}(x-1)^{n-1}+…\}-\{a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+… \}=a_n\{(x+1)^n-x^n\}+a_{n-1}\{(x-1)^{n-1}-x^{n-1}\}+… }$$。

  • $${f(x-1)-f(x)}$$の次数を調べる。

  • 二項定理より、$${\displaystyle (x+1)^n=x^n+nx^{n-1}+\frac {n(n-1)}{2}x^{n-2}+…}$$だから、$${\displaystyle (x+1)^n-x^n=\left(x^n+nx^{n-1}+…\right)-x^n =nx^{n-1}+…  }$$。

  • $${f(x-1)-f(x)}$$の次数は$${n-1}$$であり、これが$${x(x-1)}$$の次数と等しいから、$${n=3}$$。よって$${f(x)}$$は$${3}$$次式。

  • $${f(x)}$$は$${3}$$次式だから、$${f(x)=ax^3+bx^2+cx+d}$$とおけるので、$${f(x+1)=a(x-1)^3+b(x-1)^2+c(x-1)+d}$$だから、$${f(x+1)-f(x)=a(x+1)^3+b(x+1)^2+c(x+1)+d-\left(ax^3+bx^2+cx+d\right)=a(x^3+3x^2+3x+1)+b(x^2+2x+1)+c(x+1)+d-ax^3-bx^2-cx-d=3ax^2+3ax+2bx+a+b+c}$$となり、これが$${x(x+1)}$$だから、係数を比較して、$${3a=1、3a+2b=1、a+b+c=0}$$。

【解答1】別解

  • $${f(0)=0、f(1)=0、f(-1)=0}$$から因数定理で$${f(x)=x(x+1)(x-1)}$$。

【解答2】

  • $${ f(n+1)-f(n)=n(n+1) ⇔ f(n+1)=n(n+1)+f(n)}$$だから、$${\displaystyle f(n)=(n-1)n+f(n-1)=(n-1)n+(n-2)(n-1)+f(n-2)=(n-1)n+(n-2)(n-1)+…+f(0)=\sum_{k=0}^{n-1}k(k+1)+f(0)}$$

  • $${\displaystyle \sum_{k=0}^{n-1}k(k+1) =\sum_{k=0}^{n-1} k^2+\sum_{k=0}^{n-1} k=\frac{1}{6}(n-1)n(2n-1)+\frac{1}{2}(n-1)n=\frac{(n-1)n(2n-1)+3(n-1)n}{6}=\frac{(n-1)n(2n+2)}{6}=\frac{(n-1)n(n+1)}{3}=\frac{(n^2-1)n}{3}=\frac{1}{3}(n^3-n)}$$。

  • N次式$${g(x)}$$がいかなる$${x}$$でも$${0}$$でになることを示すには、$${ N+1 }$$個の相異なる$${x}$$で$${0}$$になることを示す。

  • $${\displaystyle  g(1)=f(1)-\frac{1}{3}(1^3-1)}$$で、$${\displaystyle f(1)=\frac{1}{3}(1^3-1)}$$だから、$${g(1)=0}$$

  • $${\displaystyle  g(N)=f(N)-\frac{1}{3}(N^3-N)}$$で、$${\displaystyle f(N)=\frac{1}{3}(N^3-N)}$$だから、$${g(N)=0}$$。

  • $${\displaystyle  g(N+1)=f(N+1)-\frac{1}{3}\{(N+1)^3-(N+1)\}}$$で、$${\displaystyle f(N+1)=\frac{1}{3}\{(N-1)^3-(N-1)\}}$$だから、$${g\left(N+1\right)=0}$$。

問4

【解答1】

  • $${a_1a_2…a_k > a_1+a_2+…+a_k+1-k }$$と仮定する。

  • $${a_1a_2…a_ka_{k+1} > a_1+a_2+…+a_k+a_{k+1}+1-(k+1) ⇔ a_1a_2…a_ka_{k+1}- \{a_1+a_2+…+a_k+a_{k+1}+1-(k+1)\}>0 }$$を示す。

  • $${a_1+a_2+…+a_k+a_{k+1}+1-(k+1)=a_1+a_2+…+a_k+1-k+a_{k+1}-1}$$。

  • $${a_k (k=1,2,…,n)}$$は1未満の正の数だから、$${a_1-1、a_2-1、…、a_k-1、a_{k-1}-1}$$は全て正。

【解答2】

  • $${a_1a_2…a_n > a_1+a_2+…+a_n+1-n ⇔ a_1a_2…a_n- \{a_1+a_2+…+a_n+1-n\} >0 }$$を示す。

  • $${ a_1a_2…a_n- \{a_1+a_2+…+a_n+1-n\} }$$を$${a_n}$$の関数とみて$${ f_n(a_n) }$$と表す。なお、$${ f_n(x) }$$

  • ${ f_n(1) }$$は$${ f_n(a_n) }$$に$${a_n=1}$$を代入したもの。

【解答3】

  • $${a_k (k=1,2,…,n)}$$は$${1}$$未満の数だから、$${a_1(1-a_2)< (1-a_2)、a_1a_2(1-a_3)< (1-a_3)、…}$$。

  • $${1-a_1a_2a_3… < n-(a_1+a_2+…+a_3) ⇔ -1+a_1a_2a_3… > -n+(a_1+a_2+…+a_3) ⇔ a_1a_2a_3… > (a_1+a_2+…+a_3)+1-n }$$。

問5

【解答1】

  • $${\displaystyle 1 ≧ \frac{2\sqrt{ab}}{a+b} ⇔  1+1 ≧ 1+\frac{2\sqrt{ab}}{a+b} }$$だから、$${\displaystyle k^2 ≧ 1+ \frac{2\sqrt{ab}}{a+b} }$$なので、$${\displaystyle k^2 ≧ 2 }$$

【解答2】

  • $${y=\sqrt{x}}$$だから、$${\displaystyle (x,y)=\left(a,\sqrt{a}\right),\left(\frac{a+b}{2},\sqrt{\frac{a+b}{2}}\right),\left(b,\sqrt{b}\right)}$$。

【解答3】

  • コーシー・シュワルツの不等式。$${\displaystyle  | \overrightarrow{a} |^2 ・ | \overrightarrow{b} |^2 ≧ \left( \overrightarrow{a} ・\overrightarrow{b} \right)^2 }$$。

  • $${\displaystyle   \overrightarrow{a} =\left(1,1\right) }$$とすると、 $${\displaystyle  | \overrightarrow{a} |^2 = \left(1^2+1^2 \right)=2 }$$で、$${\displaystyle   \overrightarrow{b} =\left(\sqrt{a},\sqrt{b}\right) }$$とすると、 $${\displaystyle  | \overrightarrow{b} |^2 = \left(\sqrt{a}^2+\sqrt{b}^2 \right)=(a+b) }$$。

  • $${\displaystyle \left( \overrightarrow{a} ・\overrightarrow{b} \right) =(1 ,1)\begin{pmatrix} \sqrt{a} \\ \sqrt{b} \end{pmatrix} = \sqrt{a}+\sqrt{b}  }$$だから、$${\displaystyle \left( \overrightarrow{a} ・\overrightarrow{b} \right)^2 = \left(\sqrt{a}+\sqrt{b}\right)^2 }$$。

【解答4】

  • $${ k=\sqrt{2} }$$を代入して$${\displaystyle \sqrt{a}+\sqrt{b} ≦ \sqrt{2}\sqrt{a+b} ⇔\left( \sqrt{a}+\sqrt{b} \right)^2 ≦ \left( \sqrt{2}\sqrt{a+b} \right)^2 ⇔ \left( \sqrt{a}+\sqrt{b} \right)^2 - \left( \sqrt{2}\sqrt{a+b} \right)≦0 }$$であるから、$${\displaystyle \left( \sqrt{2}\sqrt{a+b} \right)^2 -\left( \sqrt{a}+\sqrt{b} \right)^2≧0}$$が示せれば、$${\displaystyle \sqrt{a}+\sqrt{b} ≦ \sqrt{2}\sqrt{a+b} }$$と言え、$${k}$$の最小値が$${\sqrt{2} }$$と言える。

  • $${\displaystyle \left( \sqrt{2}\sqrt{a+b} \right)^2- \left( \sqrt{a}+\sqrt{b} \right)^2 = 2(a+b)-\left(a+2\sqrt{ab}+b\right)=a-2\sqrt{ab}+b=\left(\sqrt{a}-\sqrt{b}\right)^2  }$$なので、これは常に$${0}$$以上。

【解答5】

  • $${\displaystyle \sqrt{a}+\sqrt{b} ≦ k\sqrt{a+b} ⇔ \frac {\sqrt{a}+\sqrt{b}}{\sqrt{a+b}} ≦k }$$

  • $${\displaystyle \frac {\sqrt{a}+\sqrt{b}}{\sqrt{a+b}}=  \frac {\sqrt{a}}{\sqrt{a+b}}+ \frac {\sqrt{b}}{\sqrt{a+b}}=\cosθ+\sinθ= \sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}\cosθ+\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}\sinθ }$$。

  • $${\displaystyle \sin\frac{π}{4}=\frac{1}{\sqrt{2}}、\cos\frac{π}{4}=\frac{1}{\sqrt{2}} }$$だから、$${\displaystyle\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}\cosθ+\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}\sinθ=\sqrt{2}\left( \sin\frac{π}{4}\cosθ+\cos\frac{π}{4}\sinθ\right)=\sqrt{2}\sin\left(\frac{π}{4}+θ \right)}$$。

  • $${\displaystyle \sin\left(\frac{π}{4}+θ \right)}$$は常に$${1}$$以下。

【解答6】

  • $${\displaystyle \frac{\sqrt{a}+\sqrt{b}}{\sqrt{a+b}}=\frac{\frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}+\frac{\sqrt{b}}{\sqrt{b}}}{\sqrt\frac{a+b}{b}}=\frac{\sqrt\frac{a}{b}+1}{\sqrt{\frac{a}{b}+1}}  =\frac{1+\sqrt\frac{a}{b}}{\sqrt{\frac{a}{b}+1}}  }$$

  • $${\displaystyle \left[ \frac{1+\sqrt x}{\sqrt{x+1}} \right]'= \frac{1}{\sqrt{x+1}^2}\left\{ \left[1+\sqrt x \right]'\sqrt{x+1}-\left(1+\sqrt x \right) \left[\sqrt{x+1} \right]' \right\}= \frac{1}{\sqrt{x+1}^2}\left\{\frac{\sqrt{x+1}}{2\sqrt x}-\frac{1+\sqrt x}{2\sqrt{x+1}} \right\} }$$。

  • $${\displaystyle 2\sqrt{x+1}\sqrt{x+1}-\left(1+\sqrt{x} \right)2\sqrt x =2(x+1)-2\sqrt x-2x=2-2\sqrt x=2\left(1-\sqrt x \right)  }$$。

  • $${ f'(x) =0 }$$のとき$${x=1}$$、$${x=1}$$のとき$${ f(x)=\sqrt 2 }$$。

問6

(1)

  • 正$${n}$$角形の中心から各頂点に線を引くと、正$${n}$$角形は$${n}$$個の二等辺三角形に分割できる。

  • 正$${n}$$角形の中心に集まっている正$${n}$$角形を$${n}$$個に分割した二等辺三角形の頂角は、正$${n}$$角形の中心を$${n}$$等分しているから、その角度は$${\displaystyle \frac{2π}{n}}$$となる。

  • 正$${n}$$角形の$${1}$$つの内角は、正$${n}$$角形を$${n}$$個に分割した二等辺三角形の隣り合う$${2}$$つの底角の合計だから、三角形の内角の和が$${\pi}$$なので、$${\displaystyle \pi-\frac{2\pi}{n}}$$。

  • $${\rm A}$$点まわりのには、正$${l}$$角形、正$${m}$$角形、正$${n}$$角形の$${3}$$つの正多角形があり、その頂点が点Aを囲んでいる。

(2)

  • $${\displaystyle \frac{1}{l}+\frac{1}{m}+\frac{1}{n}}$$は、最も小さい$${\displaystyle \frac{1}{n}}$$の3倍よりは大きく、最も大きい$${\displaystyle \frac{1}{l}}$$の3倍よりは小さい。

  • $${l}$$の範囲が明らかになるので、総当たりで求める。

問7

【解答2】

  • $${(2a-5)(2c-1)=15}$$だから、$${2a-5}$$と$${2c-1}$$は、$${(1,15)、(3,5)、(5,3)}$$のいずれか。

  • $${2c-1=1}$$とすると$${c=1}$$になり、$${c ≧ 4 }$$に反するので、$${2c-1}$$が$${1}$$になる組み合わせはない。

問8

(1)

  • 有理数は互いに素な自然数の分数で表せる。

(2)

  • 初項を$${\sqrt 2}$$として、$${初項+公差の整数倍}$$が$${\sqrt 3}$$や$${\sqrt 6}$$になると仮定する。

  • $${\displaystyle 2\left(m^2-2mn+n^2\right)=3\left(2m^2-2\sqrt2mn+n^2\right)⇔6m^2+6\sqrt2mn+3n^2-2m^2+4mn-2n^2=0⇔4m^2+4mn+n^2+6\sqrt2mn=0⇔(2m+n)^2-6\sqrt2mn=0⇔(2m+n)^2=6\sqrt2mn⇔\sqrt2=\frac{(2m+n)^2}{6mn}}$$。

問9

(1)

  • 6枚目を引いた者が必ず勝つ。

  • 一度に5枚しかカードを引けないので、全部で7枚しかカードが無いならば、後手は必ず6枚目を引ける。

(2)

  • 最後に1枚残してカードを引いた者が必ず勝つ。つまり残り$${1}$$枚になって、次に引く方が負ける。

  • (1)より、$${n=7}$$のとき先手が$${k}$$枚引いた後に後手が$${6-k}$$枚引けば最後に$${1}$$枚残る。

  • $${n=8}$$のとき、先手が$${1}$$枚引くと残りは$${7}$$枚になるから、後手が${k}$$枚引いた後に、次のターンで先手が$${6-k}$$枚引けば最後に$${1}$$枚残り、後手が必ず負ける。

  • $${n=12}$$のときは、先手が$${5}$$枚引くと残りは$${7}$$枚になるから、後手は必ず負ける。

  • 残りは$${7}$$枚になって、次に引く方が必ず負ける。

  • 残り$${6k+1 (k=0,1,2…)}$$になって、次に引く方が必ず負ける。よって、$${6k+1}$$にする事が出来た方が必ず勝つ。

  • $${6k+1}$$にする事が出来た方が必ず勝つので、先手が$${3}$$枚とれば、$${49=6・8+1}$$枚にすることができるので、必ず勝つ。

(3)

  • $${6k+1}$$にする事が出来た方が必ず勝つので、最初に並べたカードが$${6k+1}$$枚であった場合は後手が必ず勝ち、そうでないときは先手が残り$${6k+1}$$枚になるように最初にカードを引けば、必ず勝つ。

問10

【解答1】

  • $${f}$$は$${N}$$から$${N}$$の写像であり、$${N}$$は$${1}$$から$${n}$$までの自然数であるから、$${f(n)}$$は$${n}$$を超える数にはならないので、$${f(n)≦n}$$が言える。

  • $${f(k)=k}$$を仮定すると、$${f(l+1)=l+1}$$となる。

  • $${f(l+1)≦l}$$とすると、$${l=1}$$のとき$${f(1)≦2}$$であるが$${f(1)}$$も自然数なので、$${f(1)=1または2}$$。同様に$${l=2}$$のとき$${f(2)≦3}$$であるから、$${f(2)=1,2,3}$$。

  • $${f(l+1)≦l}$$なので、$${f(l+1)=1,2,…,l}$$で$${f(l)=1,2,…,l-1}$$だから、$${f(l)≦f(l+1)}$$が言える。

  • $${f(l)≦f(l+1)}$$が言えば、$${f(1)≦f(2)≦…≦f(l)}$$が言える。

  • $${f}$$は$${N}$$から$${N}$$の写像であるから、$${f(n)≦n}$$が常に言えるので、$${f(l)≦l}$$は常に成立する。

  • $${1≦f(1)≦f(2)≦…≦f(l)≦l}$$と$${f(l+1)=l+1}$$の双方が言えれば、①が成立することが言える。

【解答2】

  • $${f}$$は$${N}$$から$${N}$$の写像なので、$${f(1)}$$も$${1}$$未満になることはない。

  • 条件「$${i ≦ j ならば、つねにf(i) ≦f( j)}$$」より、$${1 < 2 }$$だから$${f(1) ≦f(2) }$$が言える。

【解答3】

  • 「$${f(x)=k }$$となる$${k}$$がない」とすると、$${f(1)}$$も自然数であるから必ず$${2}$$以上の数でなければならない。

  • 「$${ i ≦ j }$$ならば$${f( i) ≦f( j) }$$」なので、$${f(1)}$$が$${2}$$以上であれば、$${f(2)}$$は必ず$${3}$$以上になるから、$${f(n)}$$も$${n+1}$$以上にならなければならない。ところが、集合$${N}$$は$${1}$$から$${n}$$まで自然数なので、$${n+1}$$は存在しえない。

【解答4】

  • $${f(n) ≦n }$$なので、$${f(k_0) ≦ k_0 }$$で、$${f(k_0) =k_1}$$とすると、$${ k_1 ≦ k_0 }$$。

  • 「$${ i ≦ j }$$ならば$${f( i) ≦f( j) }$$」なので、$${ k_1 ≦ k_0 }$$ならば$${f(k_1) ≦f(k_0) }$$。

  • 集合$${S}$$の最小数を$${k_0 }$$としたのだから、$${ k_1 ≦ k_0 }$$だから、$${ k_1}$$は、$${S}$$に含まれない。

  • 集合$${S}$$は、$${f(k) < k }$$となる$${k}$$の集合であるから、これに含まれない$${ k_1}$$は、$${f(k_1) ≧ k_1 }$$となる。

  • $${k_1=f(k_0) }$$だから、$${f(k_1) ≧f(k_0) }$$。

  • $${f(k_1) ≦f(k_0) }$$かつ$${f(k_1) ≧f(k_0) }$$だから、$${f(k_1)=f(k_0) }$$で、$${k_1=f(k_0) }$$なので、$${f(k_1)=k_1}$$が言える。


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