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7月下旬といえば、だいたいの大学が前期試験期間である。ここでしくじったら4月からの半期15週がまるまる水の泡となるから、熱帯夜も線状降水帯もお構いなしで誰もが血眼となる。 しかし学業ばかりにかまけてもいられぬ。部活、サークル、合コン、くっちゃべり、バイト、居酒屋、デート等々、「ニューノーマル」なるバカっぽいカタカナ語の占領下とて青春を謳歌したいものだろう。 そこで伝家の宝刀「いいわけ」の出番となる。 毎週マーキングかのように最後列にダボダボの尻を着けてApexに
ある都内の私立大学、後期は「対面授業」だった。新型コロナとともに遠隔授業が流行っているが、語学は演習科目として事務方から夏にお達しがあったのだ。ただし「学生が体調不安など訴えれば個別に対応せよ、既往症や家族構成等から通学に不安のある学生もいるので柔軟に」との注記あり。 要するに希望があれば「対面と一緒に遠隔もやりなさい」というわけである。もちろん給料は変わらない。教員の負担など目クソ鼻クソにしか考えていない職員の言い分だが、非常勤風情に文句は言えぬ。 10月第一週の
言わずと知れた『シートン動物記』の一編で、北米カランパ渓谷に棲むオオカミの首領「ロボ」の生き様を描いた感動作、という美辞麗句を取っ払ってみれば、なんのことはないただのプロパガンダである。 作者アーネスト・シートンはイギリス出身で、動物に関する専門教育を受けていない、王立協会(ものすごい権威)の奨学金を得たほど有望な画学生だった。本人も「アーティスト」と自称していた。 成人してから父親との仲違いにより渡米し、野生動物の観察記録をつけだした。それをまとめたのが『動物記』