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ヨシタケシンスケ展かもしれない |金沢21世紀美術館

ヨシタケシンスケ展に家族で行ってきた!

感想、注意点、
ヨシタケシンスケさんを知らない人にもわかりやすく書こうと思う。
なるべく、展示内容の具体的ネタバレは伏せる。

絵本作家ヨシタケシンスケ

名前はわからなくても絵は見たことある人も多いのでは。40歳で初の絵本「りんごかもしれない」を出版し大ヒット。まだ絵本作家歴としては11年。

私は娘が11歳なので、ちょうど娘の人生と同じ位。

幼稚園の年長さんくらいから、園で読んでもらったのをきっかけに子供達は好きになった。
小学校にあがってからも関連作品は図書室でも大人気のようで新しい作品を読むたびに「面白いんだよ〜!」と教えてくれた。
私も読んでみたが、確かに面白いし大人が読むにしても哲学を感じる。
一つのものに対して「本当はそうじゃないのかも?」という発想が巡り巡らされていく内容に思わず感心するし、うっかり笑ってしまう。

大人も子供も楽しめ、
絵も凝っていて何度も開きたくなるのが魅力!

どんな人におすすめ?子供は何歳から?

出版されている彼の絵本を、子供達は約半分、私は1/3程度読んだくらいの状態で向かった。

結果、作品をより多く知っていた方が楽しめる。
(当たり前)
ベストセラー「りんごかもしれない」だけ読んでいたかといって、原画やコンセプトの元になったものの展示はどの作品も平等。
読んでから行った方がより多くの感動があるだろう。

子連れはもちろん多い。
しかし当然ながら、基本作品には触れないでくださいとあるので私的にはそれが理解できる年齢からなら安心して連れていけると思う。
さらに「触れないでください」と書いてあるから触れないと理解するだけでなく「大切な作品であり展示物であるから触ってはいけない」と理解できてからの方がなお良い。
さらに文字で楽しめる部分も多くあるので、自分で字が読める年齢がおすすめ。

こういった看板があちこちにある。

まだわからない年齢から、触っちゃダメ!あれしたらダメ!と終始言われる美術体験は子供にとってもつまらない。小さな子は体験型の展示がメインのところへ行くと親子共にぐっと楽しい思い出になる。

また、写真はOKだが動画はNGなのも注意⚠️

ヨシタケシンスケという人は、人を楽しませるのが好きなのかもしれない

絵本の世界観、というよりはヨシタケシンスケの頭の中を少し覗けるといったような展示だった。
失礼かもしれないが、壁や内装はありのままの木の板で飾っていない感じ、そこにお金はあんまりかけていない感じに好感を持った。

素朴だが、いちいちかわいい

けれど、会場のあちこちに直筆の付箋でかわいい一言や裏話が書いてあったり、こちらを楽しませようとしてくれる気遣いがほっこりする。
ただ展示を見るだけでなく「こんな人たちがヨシタケシンスケを好きなんだと思って周りを見て」とか「会場の中に元カレがいるかもしれない」など、来場者丸ごと観察して楽しんでほしいというのも面白かった。

たしかに、孫に連れてこられたおばあちゃんや、露出度の高い綺麗なお姉さん、グッズを身につけたコアなファンっぽいお腹ぽっこりおじさんなど、ふむふむ…みんな仲間なんだな。と深々観察しながら場内を楽しませていただいた。
私的に、近所の公園にいくようなクタクタな格好でくる親子や、サイズアウトしたTシャツと短パンのムチムチ男児、露骨なキャラクターの服を着てくる子供など普段はどうなのか、と思うけど、
なんだかここではユーモアに思えた。

展示されているのは、主に各作品の素案となったような手書きのメモやコンセプトに関するもの

展示に行って初めて知ったのだが、
ヨシタケシンスケという人とにかく描く絵と字が小さい!!
メモ書きなんて0.3ミリ以下なのでは?という線の細さで1cmにも満たない絵を描く…
小さすぎるので、めいっぱい拡大して展示されていたけど実物の繊細さには驚いた!
絵本の本番の原画ですら、実際の本の1/4?1/5?くらいの小ささ!

すごく小さいのに、描く表情や人のフォルムがひたすらキュート!
着眼点が、わかるわかる!あるある!なのにそれを作品に昇華してるのがやっぱり才能だ。
こんな素敵な人が世に見つかって、絵本作家になって、私はそんな展示を見られてよかったな〜と思った。

伝わらないけどすごく小さい


撮影映えスポットはある?

もちろん、そういうのもたくさんある◎

  • 自分がりんごかもしれない?AR

  • うるさい大人にりんごをぶつけてだまらせよう

  • 地獄のいすに座ろう

  • 天国の床を歩こう

  • つまんない顔で写真を撮ろう

などなど!
これも絵本を読んで彼の世界感が好きであればさらに超楽しめる。

最後にすてきなお土産を忘れずに。

最後に退場の際、
長蛇の列に並ぶことになる(※休日の場合)。
その通路に彼からのメッセージ。

全部で5枚あるので行ってからのお楽しみ


40歳で絵本作家となった人生から、
「あなたも今とは全然違う何かになるのかもしれない」と伝えてくれる。

私も、前回のnoteで、自分の人生は思い描いた通りにいかないし結局全然違う未来もあるのよ、的なことを書いた。

行列の先には、
「あなたのみらいはこれかもしれない!」と書かれた入れ物の中から一枚紙を引くことができる。

家族全員で4種それぞれの札が出て大笑い!
私は、これから地球人代表になるのかもしれない。笑

引いた人みんなの表情がよかった

会場内だけでなく、最後に手にするお土産で会場を出てからも笑顔が続く。
そこまで想像して、物陰からニコニコこちらを見守っていそうな、そんな人柄がまるっと伝わった展示でした!金沢で開催してくれてありがとうございました。

今後、全国巡回もするみたいなので気になった人はぜひぜひ行くことをお勧めします!

グッズも可愛くて爆買いしてしまう


以下余談。
入口出口のスタッフが美術館の人じゃない、外部の人と思われる対応であまり良く感じなかった。
特に展示の最後で列になっていたとき「グッズ売り場の最後尾はこちら」と書いてあったのでみんな並ぶ。
結果、並ばなくてもグッズ売り場には辿り着ける。
(まず最後尾の看板がおかしいのかも)

すると行列の横を大声で
「これは展示の最後にくじをひきたい人の列です」
と早足で歩く男性スタッフ。
→先が見えないほど長蛇の列なので、くじって何?無料なの?と皆混乱。
「未来はなんになるのかな?っていうくじの列なので、気にならないよ〜そんなんひかなくてもいいよ〜と思う方は並ばず先に進んでくださいね!」と男性スタッフ。
→悪気ないと思うけど、後味が悪かった。
結果あれも展示、作品の一部なのに「やりたくない人はやらなくてもいいですよ」と外部の人間が言う資格はない。。しかも未来はなんになるのかな?じゃねぇよ…

掲示物でわかるように示すべきだと思った。
最後尾に並ぶ時点で伝わるべきだったなぁと。
せっかくの作者と鑑賞者の思いを、最後まで途切れさせないでほしい。

おすすめの2冊


子供の成長はあっという間。
自分の人生もあっという間。

やなヤツはころべばいいのに。
考えてる時間がもったいない。
やなヤツも悪者に操られてるのかも?
だとしたら絶対悪者にいい思いはさせない。
自分の機嫌は自分でとる。
負けない。そんなときに。

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