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受験勉強より就職活動を頑張ったらどうなった②女子大編

※  ①では、全く勉強を放棄して進学したように書いたが、実際は親にそうはさせてもらえず塾にも通いながら他の大学にもいくつか出願しセンター試験に挑んでいた。
ほどほどに頑張って第一志望のFラン大への進路を勝ち取ったのだ。笑


大学は地下鉄の出口のすぐにあり、キャンパスは7階建てで真新しかった。
附属高もあり、比較的家庭に余裕がある人たちが集まっているという印象。
そして何と言っても、みんなFランを選び自らここにいる人たちなんだと思うと争いごとが苦手な自分には安心感があった。
実際に、マウントをとったり自己主張が強い人はあまりおらず、おっとりしている子が多かったように思う。
中庭でパラパラを踊るギャルもいれば、コスプレや同人誌活動に勤しむオタクまで様々。
(私は4年間で80本超のライブに行く音楽オタク…)

履修説明のようなものが終わった後に、
出席番号が一つ前だった子に話しかけた。
腰まである黒髪ストレートで、身長は170cmほどある雰囲気のある女の子だったが「話しかけにくい見た目」というのは私には特に関係がない。
「どんな授業とろうか、迷うね!うまくできるかな〜、私地方から来たからここにくるまでも迷っちゃってさ!」とおとぼけキャラで行ってみた。
彼女は「私も、今の話全然よくわかんなかったよ。取る授業一緒に決めない?」と飄々と返した。

田んぼだらけのど田舎から来て最初にできた友達は
生まれも育ちも世田谷、芸能人も通うという私立高校出身のNちゃんだった。

彼女は「どこ出身なの?」などとも聞かないし
私が自虐で「田舎はこうだからさぁ!」とネタっぽく話す話題にも「そうなんだね」と、笑ったりしなかった。差別がなく、真っ直ぐに育てられた女の子だった。
同じく超絶マイペースという共通点で、彼女と過ごすのはとても居心地がよかった。
「〜する?!」と聞いたら必ず「いいねぇ〜」とどこにでも一緒に行ってくれた。
寝坊しちゃった。とよく1限には来なかった。
空きコマにわざわざ隣駅の31に行くのが好きだった。ずっと飄々としていて、けどノリもよくて、よく笑う。
今だに連絡がつく大学の友人は、Nちゃんだけだ。
「彼氏ができたんだよ〜」と大学の食堂でさらっと報告されたその時の彼氏と結婚し、現在Nちゃんの息子くんは今170cm超えのイケメン中学生である。


生活が落ち着いた頃、バイトも探し始めた。
せかせかした仕事は嫌だし、どうせなら好きで楽しい仕事がしたいとたどり着いたのはCDショップ。
時給は東京都でも底辺級。
それでも音楽に囲まれる時間が幸せだと思えた。

あんなに沢山の人やお店がひしめく東京で
またしても生涯にわたって大切な人たちとの出会いがあった。
当時は20代の少し大人に思えた先輩たち。
スタバでのコーヒーの頼み方、お酒の飲み方、恋愛のあれこれ。
たくさん教えてもらった。
毎日笑って、たまに飲んで、みんなで出かけて、終電逃して、カラオケに行って。
なんて楽しく尊い時間だったんだろうと思う。

みんな、このCDをどうやって売ろうかどうやったら目につくかを楽しみながら毎週のリリース日はてんやわんや。
みんなの音楽愛いっぱいの手書きポップで溢れた、あたたかいお店だった。

そうしている間に3年生。

就職活動の説明会でいよいよか、と思い知らされる。


そういえば、大学生活で将来の夢を見つけるとか
言ってたような…?


まだ自分にはわからなかった。

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