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#92 採用候補者の時価含めて現在価値を評価する【2/2】24/2/26

みなさん、こんにちは。
前回に続き、ポテンシャルの評価を考えてみます。

ラップアップです。
人事局面で「ポテンシャルを買って」「ポテンシャルも含めて」と評価する声が多数あります。
わたしは、ポテンシャルのような不確実な変数を評価したり見通すことがそもそもできるのか、と疑問を持っています。

「評価する」は、どうやっても本日現在時点を評価することしかできないと考えています。
求人ポジションに期待される職務内容に応えてくれるスキルを「現在」持っているか、「現在」活用できる状態にあるかどうか、を過去の実績を通してみています。同時に、求人ポジションに期待される「近未来」を現在時点のビューから評価しています。

さて、過去の実績・経験からどれだけのスキルを持ち、自社で活用してもらえる状態なのか、を評価するにはどうするとよいか、です。

たとえば、解決した顧客の課題は何を、どこまでなのか、
反対に、解決できなかった顧客の課題は何か。それはなぜ解決できなかったのか。
この両面があってはじめて、転職して得たいことは何なのか、輪郭が浮かび上がってくるのです。
ここから面接官や採用部門のリクルーターが洞察するほかありません。

応募者本人は、その浮かび上がった輪郭が、どんな環境で仕事をすると、もっとも得られそうだと思えるか。
自分自身で咀嚼し理解できるとベターですが、多くの人は考えることをネグレクトします。自分に正面から向き合わなければいけないからです。
ゆえに面接官や採用担当者が、その補助線を引いてあげるべく、洞察し提案するとよいと考えます。

そうなると、ポテンシャルだ、なんだということはできず、いまここにある現実、をみるほかありません。未来にできるだろう、やっていけるとか、過去にこだわる、捉われる、どちらもあまり意味のある話ではないように感じます。

では最後に、ポテンシャル重視、ポテンシャルを評価する話についてです。
これまで見てきたとおり、「ポテンシャル」評価はできない、とわたしの意見です。
未来の、実体のない話だからです。

採用の場面だけでなく、ポテンシャルを評価した、と表現する98%の人は、未来を見通しているつもりでいても、実際は、いまここ、の現在を評価しています。

現在○○だから未来も明るくなりそうだね、と評価することしかできません。
現在の、○○な行動や△△なマインド、××な考え方からみて、将来にわたってその行動を発揮してくれそうだね、と評価しているのです。

なお、この点は実は評価者の好みに合っているか、に左右されることが多いことも事実です。

逆に、ポテンシャルを評価する、があてはまるケースがあるとすればこうです。
過去に発揮していた行動やパフォーマンスに対して、現在はそれに至っていない場合、本来のバリューを出す余白可能性があります、とみることはできます。
しかし、これも実際は現在時点を評価しています。

つまり人は、現在のみ、見ることができ、評価することができ、過去も未来もそうすることはできないのです。

唯一、未来志向が成り立つのは、
「未来はこうしたいね」と希望的観測を語りあい、今ここの現実を動かすことです。

みなさんは、現在を評価する、ことについて、どのようにお考えになるでしょうか。
それでは、また。

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