見出し画像

#238 フィードバッカーの存在が学び・成長を左右する 24/9/4

こんにちは。
今日は、個人の人材育成における重要要素を考えます。

(実例を基に編集しています)
考えるきっかけになったのは、次期中期経営計画の議論が始まり、その中で人材育成テーマにどのような問題設定をし、何を実行するか、議論に向けていくことです。その手前に、事業部門長とわたしたち人事での意識合わせを行ないます。

その前段に、現場のナマゴエをヒアリングをして、現場の状況を可視化することにしました。役職階層でいえば、事業部門長から、現場のメンバーまでをスコープにし、隈なくナマゴエを聞きにいきます。ある程度、仮説的な重要要素を想定していました。結果的には、仮説として持っていたことが8割、そうでないことが2割くらいでした。そして、どの階層からも、共通してある重要な人材育成課題を検出することができました。

ところで、人の成長には、大きく2つの環境要因が必要と考えています。1つは機会があることです。もう1つは、フィードバックがあることです。

1つめの機会とは、経験の場です。異動や海外転勤、あるいは役職任用や、プロジェクトマネジャーとして一定規模のプロジェクトを回す仕事です。人によっては、買収した企業に出向してPMIを主導したり、ターンアラウンドするような経験です。その人なりの、一皮むける経験というとわかりやすいかもしれません。もちろん、一皮むける経験の類である大きなPDCAも大きな要素ですが、日常の業務、タスクから、ちょっとした成功体験、失敗経験も小さく速いPDCAとして重要な経験要素です。これが1つめの機会の要素です。

もう一方ののフィードバックです。これは、1つめの大小の仕事経験を振り返った後、さらに他者から、多くは上長であるミドルマネージャーから、内省支援の問いかけや質問をもらったり、助言をもらったりして、その振り返りをより深く、広げて捉えるものです。それによって、経験の咀嚼、消化をより栄養にしていくことです。やはり、自分一人では、どんなに内省的なひとであっても、抜け漏れ、偏った振り返りになってしまうからです。他者から質問や問いかけをもらうことで、そんな点も確かになるな、と気づくことは多々あります。

これによって、点だったいくつかの経験が、どこかのタイミングでつながり、線や面になります。これが「そういうことだったのか」とわかった状態の気づきです。コネクティングドッツです。これが、2つめのフィードバックの要素です。

いわば、経験学習サイクルを、さらに絞りに絞った枠組みにしています。

さて、話をナマゴエに戻します。

各階層に話を聞いたところ、経験の機会はそれぞれにあると見えました。一方、その経験機会を、よかったところ、もう少しだったところは?と振り返りがないケースが大半でした。振り返りがあった場合も、レイヤー1の内省で結論付けが終わってしまっていました。自分にとって、その経験をしたことがどのような意味を持つのか、抽象化がもう一歩です。

振り返りを習慣にすることがまず一歩目ですが、さらには振り返りを深めてくれるフィードバックを働かせることがより不足と感じます。フィードバックが働くには、適切な問いを投げられるフィードバッカーの存在が不可欠です。フィードバックをくれるメンターのような存在です。

なぜなら、人は自分1人では、気づく範囲が自分にとって都合の良い部分に偏るからです。どんなにメタ認知の上手な人であっても、見落とす範囲が出てしまうからです。

さて,ではどんな人がフィードバッカーに適切なのかです。
忖度なく、耳の痛いことを言ってくれる率直な姿勢の人です。

さて、みなさんは、成長に必要な要素をどのように考えますか。
それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?