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#206 統計の外れ値と中央値 24/6/19

みなさん、こんにちは。
今日は、企画をするときのサンプルについてを考えます。

先日、人事部門からある問題解決の起案をした際に、「しまった」とミステイクしてしまったことが考えるきっかけです。

問題解決の基本フレームは、現状(As Is)の事実と、ありたい姿(To Be)を整理・設定します。その現状とありたい姿の差分(Gap)を「問題」と定義します。問題は、ありたい姿を設定しないと、生まれません。

いわゆる「何が問題ですか?問題は何ですか?」です。その問題設定したことを解決していくための課題が課題設定や課題化と言われます。そして具体的な課題解決アクションがネクストアクション、対策と言われます。

なお、有識者や人によって、問題・課題の言葉の使い方が多少異なりますが、言っている中身の意味は同じと考えます。その点はあまり気にしなくてよいと考えます。

(実例を基に編集しています)
4月の初めに、1on1の取り組みについて各事業部門責任者とコミュニケーションをとっていました。全社共通に方針と目標は置いていたものを、さらに事業部門単位でどんな目標設定に解像度を上げるのか、打ち合わせを重ねていました。

何回かヒアリングを兼ねた打ち合わせをしていき、そのヒアリング内容からわたしたち人事部門で情報の整理をしました。整理は上記のとおり、問題解決のフレームに落とし込むことを企図して進めていました。

次の打ち合わせの場に、前回聞いた内容をこのように重要な点を抽出し、整理ました、とディスカッションペーパーになるようにして持ち込みます。

「現状は○○で、ありたい状態は××で、その差分はこのような具合と整理しました」との具合で前回の話をラップアップし、確認します。

すると、「現状がちょっと違和感があるから、もっと現場の当事者やその上長の課長にも確認して、正しく把握したい」とリアクションが返ってきました。

どういうことかと、掘り下げていったところ、前回の打ち合わせで事業部門責任者が示した現状は、あまりよくない状態の現場の現状を指した事実でした。ですから、現場の平均的な、大多数の、プレーンな状態を指して発言したのではなかったのです。

ここでわたしは、「しまった。やってしまった」と間違いに気づきました。この手の、現状把握、事実を共通認識する際に、特別なサンプルを用いない原則の確認を漏らしたことに気づいたのです。

大多数の、マジョリティの、平均的な、The○○をサンプリングするのが定石です。これを見落として、事業責任者が「統計の外れ値」を指して言っていることに気づかなかったのです。

この現状や現場の事実を抽象化する際には、統計の外れ値ではなく、中央値をとることです。べき分布のサンプリングではなく、正規分布の一番ボリュームするところを取らないと、偏った現実・事実を捉えることになるからです。

このことを見落としており、その事業責任者の発言から、「しまった」と感じ、実態把握、事実把握は、統計の外れ値ではなく中央値、を思い出しました。

とても良い学びのリマインドを得た失敗談でした。

さて、みなさんは、自分の中に認識している定石、王道があれど、ある時には見落としてしまったような経験はありますか。
それでは、また。

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