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#221 意思決定のあり方が、「いま」を作っている 24/7/26

みなさん、こんにちは。
今日は、管理職の任用や昇進・登用を考えます。

(実例を基に編集しています)
先日、次の下半期を見据えた、組織編成会議でのできごとが考えるきっかけです。部長や課長の配置案を検討する中で、昇格審査や任用背景など諸情報を踏まえた中での討議を行ないました。

ある事業部門では、事業の成長速度から、課長、部長のポストを増やしたり、兼務したりのために空きポジションがあり、それをできるだけ配置して埋めたい台所事情がありました。また、ある事業部門では、現在の担当事業の変化には合っていない部門長を交代する人事を考えているようで、その後任指名的な任用を考えていました。

片や、昇格判断をする有力情報である推薦元の責任者のレビュー、昇格審査のアセスメント結果の2つからは、やや不足感がある、でした。

たとえば、推薦元責任者の率直なコメントはこうです。

「正直なところ、現在はまだまだ力不足です。残り数か月の中で、準備を整えられるか、整える算段です。一方、ある部門に対して組織的な課題を感じているため、彼が何とか『改善したい』と意欲を示している」

事業担当役員は、
「力不足とのことですが、ある水準まで到達していなかった場合は任用を潔く見送る考えでしょうか。また、現在所属している部門の昇格ではなく、異なる組織に斜めで昇格する難しさをどのように考えていますか」と質問しました。

推薦元責任者は、
「現在の部門長の交代は避けられないと考えています。ですから、それを優先事項としているため、実質的には彼を任用することが必然となっていると思います。着任後も、私自身がフォローしていきます」。

2つ目の質問に対しては、
「かつて所属した組織でもあり、また課題認識を持っているので難しさはあまりないと思います」と回答しました。

それに続いて人事部門のわたしは、
「ある部門に対して組織課題を感じているとのことですが、今現在、その部門長に対して彼は何か働きかけを行なっていますか」
と質問を重ねました。

推薦元責任者
「いえ、今働きかけているわけではありません。課題感をもっているようです」

その場では、昇格判断の結果は出さなかったのですが、そのあと、事業担当役員から、わたし宛にコンタクトがありました。

「正直なところ、判断を迷っています。部門長の交代の部分は現実的に必須と自分も考えているものの、後任の昇進候補者は、ニュートラルに見ると、明らかに部門長を任せる域には達していないと考えている」と正直な気持ちを吐露してくれました。

「本当に迷っている、悩んでいるのは、この事象の判断そのものでしょうか。それはもう決めているのでは?一方で、現在までの意思決定プロセスや、判断のありかたが、今後の新しい事業フェーズにおいてどう影響をもたらすか、ありたい方向か、いかがでしょうか」と、わたしは問いかけました。

このように、現在の意思決定や判断基準が、実際の組織や人材マネージメントの「いま」を形作っていることを、自覚することがキモだと考えます。

町場の現実論的には、現実的に修正したい・改善したいポイントだけに絞って意思決定を重ねていくとどうなるか、です。目先の問題はトラブルシューティングに至る一方、組織カルチャーや運営が視野狭窄や集団浅慮に陥るリスクが高まります。

逆を言えば、短期的に厳しい判断、痛みを伴う決断・判断は、長期的に見れば組織やその人のためになることが多いです。

一様な二元論では答えは出せませんが、今行なっている意思決定が、何をもたらすか、何を失うか、に自覚的になることがキモです。

さて、みなさんの決断は、どんな傾向にありますか。
それでは、また。

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