#202 人事キャリアの入り口で要員計画と総額人件費管理を学ぶ 24/6/15
みなさん、こんにちは。
今日は、要員計画と総額人件費管理を考えます。過去のエントリーにはない毛色のテーマです。
人事の仕事に就いたときに、労働法の次くらいに基礎知識としてインストールしたのが要員計画と人件費でした。
きっかけは当時の事業担当役員のリクエストでした。
「そろそろうちの事業も、適正な人件費管理の仕組みを経営に組み込みたい。合わせて、次期中期経営計画の策定時には要員計画もセットでプランニングしたい」
わたしは、入社して間もない頃、かつまだ人事の仕事は若葉マークでした。ですから、とりあえず書店に駆け込み、それらしき文献にあたってみて、何冊かをお勉強用に購入しました。
人事の仕事を覚える初期段階に、HRM人的資源管理の根幹をインストールしたことは、のちの人事キャリアのOSとして、非常に有効にわたしの仕事を支えてくれたように感じます。
2020年代に入ると、人的「資源」よりも人的「資本」が優位に立っています。それでもなお、要員計画と総額人件費管理は、経営戦略に資する人事、経営のガバナンスと危機管理を司る人事、の両方を2本柱で支える仕組みだと捉えています。
まず要員計画です。
中期経営計画に合わせて、事業ごとにその責任者から、どんな職種の、どの程度のスキルの人が、何人のイメージを出してもらう試みをしました。
そこから、等級や年収に置き換えて人数をプロットして分布イメージを策定したり、採用や育成のポートフォリオのプランニングにブレイクダウンしたりと、人事施策に落とし込むことに使えることが手ごたえを持って実感できました。
さらに、株主分配、内部留保、労働分配など利益をどのように分配するのか、の経営戦略に関する基準を考え、策定し、運用することにも使うことを体験しました。
とりわけ人事担当としては、自社の労働分配率がそももそどの程度なのか、業界水準と比べるとどうなのか、などマーケットや競合企業を知る上でも役に立ちました。その労働分配をどのように上げていくのか、そのために付加価値額・率を自社事業でどのように定義し向上させていくのか、人事の仕事に就くまでは想像もしなかった事柄を学ぶことができました。
財務指標や財務指標と人的資源(人的資本)の指標がどのように影響しているのか、人事戦略や人事施策とどのように作用させるかをつなぎこむ視点を獲得するに至りました。
人事といえば、採用、育成、評価、配置、退職とわかりやすいタスクの塊を想像します。現にわたし自身も表層的な部分だけで、人事の仕事に携わっていきたいのがスタートでした。ですが、入口で、要員計画や人件費管理と根幹に触れ、それを見よう見まねで実装してみることをやらせてもらったおかけで、視野を広くした状態で人事キャリアを始めることができました。
きっかけは、役員のちょっとした一言でしたが、そうした偶然もキャリアには起こるものだと、納得したものです。
さて、ちょっと回顧的なエントリーになり恐縮です。
みなさんは、自身のキャリアで、ベーシックになっていることはどんなことですか。
それでは、また。
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