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#49 人事プロセスの運用力が人材輩出バリューチェーンの価値を上げる 24/1/14

みなさん、こんにちは。
役職登用の実運用や、判断基準について、問題意識を持ったことを考えてみます。
きっかけは、#46 で取り上げた、タレントマネジメントの人材レビューです。


まず、ミドルマネージャー(課長、部長)ポストの次期候補にリストアップされた人のレビュー内容です。

共通的には、現役職ポストに就いて2年〜数年が経過しています。その上で、以下の判断基準から、次のタイミングで部長/課長のポストに登用したい、でした。

「特段の問題や懸念がないため」
「チームメンバーの退職や離任もなく、安定しているため」
「顧客満足度ほスコアを維持しているため」
「ミスなく、成果や品質を達成できているため」
「お客様の評判もよく、期待もされているため」
「部長/課長職への、本人意向も高いため」
「視座が高いため」

これらの判断基準を聞いて問題だと感じたのは、以下の点です。
今の役職ポストで何年かの経験を積んだから、そろそろ1つ上に上がる準備ができたよね、とポスト昇進を判断してしまっている判断です。

課長として特に問題が発生していないから、部長にします。
これでは、よくありません。
なぜなら、現在の役職ポストの延長線で捉えているからです。言い換えると、年功型の昇進・登用だからです。当人たちは意識も認識もしていないでしょうが、メタ的に捉えれば、明らかな年功型の登用判断に基づく人事運用です。つまり、そのポストに求められる成果と、そのために発揮するリーダーシップではなく、経験の年数で判断しているのです。

さらに考察します。
実質年功型では、ダイバーシティーは進みません。ダイバーシティーが必要なのは、自分や自分たち(たとえばボードメンバー)の認知範囲、認知の限界を超えるためです。

なぜ認知範囲を超えることが必要か?
組織の、意思決定の質を上げるため、です。集団浅慮に陥らないため、です。
わたしはそう考えています。

さて、話が広がりすぎました。
実質的に役職登用が、年功型運用になっていたことは、人事担当としては危機感を覚えました。気づけたのは、幸いでしたが、自社はそうではないとどこかに慢心があったのだと思います。

この点が、#46のエントリーで取り上げたように、課長や部長の発達課題が思考力や主体性、論理性に留まってしまっている要因と痛感しました。また、上長の発達課題を捉える目線が、いつまでも一般社員と同じであることにつながってしまっている、とも考え至りました。

人事運用、特に役職登用や等級昇格、評価・報酬制度の実運用を定期的にチェック、見直ししておかないと、いつの間にか、狙いとは異なる運用になってしまいます。

さて、みなさんの会社の制度運用は見直し点がありますか。
それでは、また。

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